続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

「びんぼー生活のはじまり」の巻

「びんぼー」泣かせるひびきがある言葉です。
「びんぼう」悲しいかおりがただよう言葉です。
「貧乏」漢字で書くとなまなましいです。

僕の大学生活前半は
この言葉がぴったりな
生活を送っておりました。

九州という1000㎞かなたのとおい国から(九州の人すみません)
上京してしてきた僕は
東京なんて大都会に
うおうさおうしておりました。

誰か親戚がいるわけでもなく
単身東京に上京してきました。
はじめて上京したときの荷物は
たった段ボール2箱でした。

東京に着いた僕は
まず住む家を探すことにしました。
僕のちみつなけーさんによりますと
アパート代に出せる上限の金額は
3万円です。
これ以上は絶対に出せません。

田舎で3万円というと
2部屋の普通のアパートに住むことができます。
そんないいかげんな経済感覚で上京をしてきたこと自体
おおきなまちがいです。

最初に新宿のアパマン館に
やってきました。
てれびっこなのでテレビCMを流している
企業の情報はばっちり頭に入っています。

新宿のアパマン館はコンピュータで
希望の条件を入力すると
物件を検索できるシステムになってまして
早速入力をしてみました。

僕の条件を入力します。
「えっと、東京都内で3万円」っと。


するとコンピュータの画面には
悲しそうな文字で
検索結果0件の文字が光っておりました。

入力をまちがっちゃったのかなあと思うところが
僕のおまぬけちゃんなところです。
こりずにもう1度入力をしてみました。

今度はまちがうことがないように
ゆっくりと入力します。

「とうきょうとない。さんまんえん」っと。
そして検索ボタンを押すと

出ました、出ました。
やっぱり出ました。
「検索結果0件」と
くっきり、はっきり表示されていました。

不思議に思った18歳のmoderateは
お店の人に聞きました。
「検索結果がヘンなんですけど・・・。
 東京都で3万円と入力しても検索結果が出ませーん」

今思うととってもやさしい店員さんでした。
「お客様のご予算では物件がありません。
 新宿からできるだけ遠くの町の不動産屋さんだったら
 お客様のご予算の物件をお持ちかもしれませんよ」
とていねいに教えていただきました。

あのときの店員さん。
ごていねいに教えていただいて
ありがとうございました。
あのときの世間知らずのおおばかやろーは
ここにいます。このmoderateでした。
この場をかりて
御礼申し上げまする。

そんな事情を全然知らない18歳の僕は
「なんじゃい。物件ないじゃん。
 ちゃんといろんな物件をあつめとけぇ。」
なんて思ってアパマン館を後にしました。

僕が東京で住む予定の街は
町田という街です。
町田というまちだ、と言いたいところですが
そこをあえて言わないところが
おやじぎゃぐとの決定的な違いであります。
くれぐれも
おまちがいにならないように。

町田は東京都なのですが
四方が神奈川県に囲まれていて
フレッツの担当なんかが
神奈川県になっていたりして
東京ですが神奈川みたいな
不思議な街です。
新宿からとおい街です。

店員さんのお話では
新宿からできるだけ遠くの街に行った方がいい
とのことなので
町田はぴったりです。

新宿から
おだきゅうせんとかいう
初めて乗る電車に乗って
その町田とかいう街に
出かけるのでした。

電車に乗っているときに
隣のおじさん達が
「昨日仕事にちゃんと行ったの?」
「うん、行った」なんて言葉を
話していました。

僕はこわくなって
できるだけおじさん達から
離れて座りました。

僕の生まれた九州では
「~~したの?」
なんて言葉を使ったり
語尾を上げて話をするのは女の人だけだからです。

男がもしそんな言葉を使っているとすると
おかまちゃんだけで
女言葉をつかうおっちゃんが
僕にはおかまに見えてしまったのでした。

そういわれてみると
大学入試で五反田に止まったときには
黒いドレスのおかまの人に
スカートの裾をひっくり返して
すごい勢いで追いかけられました。
とってもこわかったです。

東京ってこわいまちだなあ。
おかまのまちだぁ。
これが僕が東京に対して抱いた
はじめての感想でした。