続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

雪道でも滑らないすごい威力のブーツレビューの記事だったつもりが

♪雪やこんこ、あられやこんこ
ということで、今回もはじまりましたかえるがおでございます。


『雪やこんこん、あられやこんこん』だとばっかり思っていたのですが、正確には「こんこ」だったんですね。

ちなみに「こんこ」という言葉は実際には存在していませんので、何かに由来する造語なんですが、その造語の歌が文部省唱歌になってしまうところもまた不思議です。


今回のかえるがおは雪にまつわる、数少ないまぬけな話がお好きな読者の方にお送りする、まぬけな出来事のお話です。

では、お話のはじまりはじまりー。

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出典:THE NORTH FACE

 

 

 

雪道を歩くのが苦手

みなさんは雪道を歩くのは得意ですか?
わたしはとっても苦手です。

もともと三半規管が弱いらしく(メニエール病のまぬけなお話を参照ください)、
寒い地方で育ったのですが、霜や霧の寒い地方で、雪が降る地方ではありませんでした。そのため雪道を歩くのがとっても苦手です。

都心の雪が積もった朝は、通りに一本の人が歩ける線ができます。きっと勇気ある先人たちが歩いて作った道なのでしょう。



その線に沿って電車ごっこのようにみんなで一列に並んで歩いていく風景によく出会います。その安全地帯の道は1本しかないため、向こうから人が来た場合には、どちらかが安全地帯から離れて、新雪の中に踏み込まなければなりません。

もちろん向こうから歩いてくる知らないおじさんに、優先権を主張するだけの精神力がないわたしは、いつも道をあけて譲ることになってしまいます。

その結果いつも、新雪の中に足がとられて、すべって豪快にこけることになってしまうのです。雪で転ぶって、普通に転ぶよりも滑った分だけの加速度がついているんでしょうねぇ。転ぶまでのスピードがものすごく速いのです。


雪が積もっていても、もともとアスファルト道路にしこたま身体を打ちつけた身体には、もれなく青あざができてすごく痛いです。

転んだ痛みよりもっと折れそうに痛いのは心の方です。

大勢の知らない人が見ている前で豪快にこけたた瞬間に、まわり行きかう人の注目の的となります。

豪快に転んで道行く人々の注目を集めた後は、どんな顔をすると正解なんでしょうか。

すぐに立ち上がって何事もなかったような顔をすることで、転んだ瞬間を見た人でないと、こけたことに気づかれないという裏技ができるのですが、


わたしはやっぱり、「えへへ」と照れ笑いを浮かべるのが精いっぱいなので、
「あー、あのかえるがおの人こけて、にやにやしてる」なんて周りのひとのさげすんだ視線を集めることになってしまうのでした。

おかしーなー、運動神経には自信があったはずなんですが、平衡感覚にはとっても弱いのです。

 

雪の日に転ばないための無駄な施策


さすがにこんなまぬけな出来事を毎年続けてきますと、毎年、今年こそ転ばないようにしようと、目標を立てて雪の日に挑みます。


何年か前には、一見かっこいい革靴に見える、雨の日用の靴を買いましたが、雪道でつるつるすべることについては、まーっく効果がありませんでした。

昨年はもう見た目のよさは捨てまして、ダサくてもよいので長靴を購入して、雪の日に挑んだんですが、これまた長靴って表面がつるっつるのゴムでできていまして、雨の日などの水分には強くても、雪が固まったアイスバーンとの相性が悪く、氷のつるつるにゴムのつるつるで、余計にすべってしまうことになってしまいました。

その結果、去年は会社の人の前で転んでしまって、会社の人も「さっき、転んだでしょー笑」なんていじってくれれば、「えへへ」と言えるのに、何事もなかったように転んだことに触れないので、気まずーい雰囲気が流れてしまうのでした。

雪道を歩く時の秘密兵器


今年は勝負の年です。今年こそ雪で滑らないための画期的な方法を見つけなければいけません。

今年のわたしはいつものわたしとは一味違います。今年こそ必死にWebでとことん調べてみました。

普通の雪対策グッズくらいでは、効果がないくらいに三半規管が弱いことがわかっていますので、通常の対策くらいではきっと効果がないことでしょう。


では、雪の中を歩かなきゃいけない人を想像してみたところ、
あ、冬山に登る人だったら、雪の中でも普通に歩くことができる靴があるんじゃないかと、気がつきました。


雪山用のブーツを探してみたところ早速THE NORTH FACEのブーツがありました。
少し前にNORTH FACEブームがあったくらいなので、スーツに履いていてもダサい感は漂わないでしょう。

しかもこのブーツ、ありがたいことに雪山用なので滑らないだけでなく、ダウンが入っていてとってもあったかいブーツだというのです。

ちなみにダウンは、鳥さんの胸の羽毛でできているそうです。鳥さんのおかげで、冬でもあったかに過ごすことができます。胸の羽毛を提供してくれた鳥さんに、感謝しないとです。


さらにこのブーツには表面が防水加工されていて、雨の日でも履くことができるそうです。

数年前の長靴と比べた雲泥の差です。早速一目見て、その愛らしいもこもこ感のフォルムに衝動買いをしてしまいました。ちなみにわたしの靴のサイズは24.5㎝しかありませんので、バレーボールシューズは姉と兼用です。がっくしっと。

 

  

秘密兵器の威力


購入してからというもの、毎年憂鬱なはずの雪がいつ降るかいつ降るかと、まるでおこちゃまのように楽しみに待ちわびていました。

今年は残念ながらなかなか積もるような雪が降らず、一瞬降ったと思ってもすぐにやんでしまう日が多くありました。待っているときに限って、なかなか雪が降らないものです。

しかしながらとうとうその日が訪れます。天気予報によると関東では4年ぶりの大雪が降るというのです。

大雪当日は、朝の段階ではくもりだったんですが、待ち遠しくて仕方ありませんので
早速新しいブーツをおろして、職場に履いていきました。お昼すぎにランチ食べに出かけたところ、すでにもううっすら積もりかけていました。

やっぱり雪山用のNORTH FACEさんはぜんぜん違いますねー。
まったく雪道で滑ることがありません。わざと雪を踏んで、ぐりっと足を回転させてみても、ピタッと止まります。

このブーツはどんな仕組みでピタっと止まるのかはわかりませんが、きっとスタッドレスタイヤのような、不思議な仕組みなんでしょうねぇ。

街の人たちは、雪の中おそるおそる歩いているにもかかわらず、毎年雪道で悩まされてた分だけ、これみよがしに雪道を走ったりして、短い昼休みを楽しませていただきました。

 

ブーツの威力に調子に乗る


時間がたつにつれて雪はどんどん強さを増します。

交通機関が止まるかもしれないので、念のため勤務先の人たちに先に帰ってもらって
ひろーいフロアに3人だけ残って仕事を片付けていました。

わたしの部署ではいくつかの運送会社さんを使って発送業務をやっているのですが、
大雪のあの日だけ、なぜか1社のドライバーさんだけが集荷にこられませんでした。

心配になってドライバーさんの直通電話に電話してみると、大雪できっと忙しかったんでしょうねぇ。うちのフロアだけ集荷を忘れてしまったと言うのです。

ぶっちゃけ運送のドライバーさんのおかげで業務が成り立っている部分も大きいんですよね。

荷物の数が多いからって、しょっちゅうイレギュラー運送が発生して迷惑をかけているし、できる限り仲良くさせてもらっていて、いつも融通つけてもらっている分だけ、日ごろから自分ができることは協力させてもらおうと思っています。


母の日や父の日、イベントごとで運送会社さんのサービスを使うくらいしかできてませんけどねー。



大雪の日できっとすごく忙しいだろうから、わざわざうちのフロアだけのために、もう一度来てもらうのが申し訳なくて、じゃあこっちから持っていきますよ、と提案しました。

せっかく雪も積もっているので、ブーツの効果を確かめるには絶好の機会ですしね。

ドライバーさんの話では、隣接の別の地域に所属してるので、そこまで来てもらうとかなり遠いので、近くの別の営業所まで持ってきてもらえば助かります、営業所にも話しておくからという話でした。

ぜんぜんいいですよー。と、近くの営業所まで手持ちで持っていくことになりました。

 

揺るぎなき自信をおすそ分け

すでにあたりは暗くなっていて、雪の日のせいかほとんど歩く人はいませんでした。
雪が一番強く降っていた頃で、横殴りの風も吹いていて、なかなか前に進まず、いつもは5分くらいの道のりのところを、風雪をかき分けながら進んで10分もかかってしまいました。

さすが、雪山用ブーツの威力はすさまじく、まったく滑らないだけでなく、あったかくてしかも濡れないという素晴らしいブーツでした。

営業所につくと、仕分けをしているドライバーさんと、事務員さんの女性2人の方がいらっしゃいました。

「あのー雪で集荷に来られなかったようなので、持ってきました」というと、

事務員さんから、「どこの会社さん?」と聞かれたので、「○○株式会社です」と答えると、「うちはその会社さんの荷物を扱っていません」との回答でした。

いやいやいや、ドライバーさんと話し合って持ってきてくださいってことになったから、持ち込んでいるのです。荷物を扱っていないはずがーありません。

「集荷するのを忘れられたようなので、ドライバーさんと話をして持ってきたんですよ。」というと、

繰り返し「うちはその会社さんの荷物は扱っていません。」となぜか自信満々のご様子です。


あ、またまた出会ってしまいました。この手の方の揺るぎない自信はどこから来るんでしょうか。その根拠のない自信を少し分けてほしいくらいです。

そりゃね、ITの製品なのでそんな荷物は専用の別の会社さんを使ってますよ。でも事務的なものとか、修正のディスク1枚とかは、この運送業者さんにお願いしてるんですよね。

わたしも雪の中を無理してきていますので、めずらしく食い下がります。
「ドライバーの○○さんから連絡受けていませんか?」というと
「うちに○○はいません」と即答されます。

そりゃね、となりの営業所だから確かにいないでしょうけど、ドライバーさんの名前も言っているので、ドライバーさんに確かめてくれてもばちは当たらないと思うのですが…


全く話にならないし、この荷物を送らないと待っているお客様がいますので、ちょっと卑怯だったんですが満を持して言ってみました。


「エリア長の○○さんご存知ですか?いつもお世話になってるので。」


我ながらとっても卑怯な手段です。
エリア長さんとは日ごろから仲良くさせてもらっているので、受付の方の上司であろうエリア長さんの名前を出すという、反則技すれすれのクリティカル技を繰り出しました。この時まではそう思っていました。

すると、意外な答えが返ってきました。

「○○(エリア長さん)はいません」

と想像の斜め上をいく回答でまーったく相手にしてもらえません。

相当卑怯な技を出したにも関わらず、さすが相手もまったく動じる様子もありません。誰もエリア長さんがいるかどうかを聞いているわけではなく、エリア長さんと仲良くさせてもらってるんですよ、と自慢をしただけなんですよね。

その辺のわたしの心理は完全に読まれているようでして、やっぱり上司の名前を出して特別扱いしてもらおうというわたしの、あさましい考えがとってもよくないことに、自分でも気がついてしまいました。

卑怯な手段を使ってしまって、すみませんでした。 


このときふと、視線を感じてまわりを見てみると、そうそう女性のドライバーさんが1人荷物を積み込んでいました。
よーく知ってる方です。その方を見ると、すごーくばつが悪そうな顔をされていました。

そう考えてみると、この営業所には何度も手持ちで持ってきたことがありまして、
今回の女性の事務員さんは、はじめて見る人です。会社同士のつきあいもきっと知らない新人さんなんでしょうねぇ。

女性ドライバーさんのおかげでとても勇気が持てました。
仕事である以上、責任をもってこの荷物を、待っているお客様に届ける必要があります。

この事務員さんさえ突破すれば、職責をまっとうすることができます。
いつものプライベートな弱気を発揮している場合じゃありません。

まず、事実を伝えました。

ドライバーさんがうちのフロアだけ荷物の集荷を忘れられて、ドライバーさんの依頼で手持ちで持ってきています。
ドライバーさんに事実の確認をしてもらえませんか?


最初からこう言えばよかったんですよねー。
最初から弱気になっているということは、自分から負けに行っているようなものです。


するとこれまで強気だった初めて会った事務の方は、無言で電話を始めました。
しかもドライバーさんではなく、ドライバーさんの所属する隣の営業所に電話を始めたのです。

○○株式会社は何番ですか?というなり
番号を聞くと、無言で荷物の受付処理をしてくれました。


きっとこの方、伝票払いのために必要な自分の会社の番号をわたしが知らないから、
受付をしたくなかっただろうことに、初めて気が付きました。


事務の方には悪いことをしてしまいました。
次からはちゃんと伝票払いに必要な、会社の登録番号を覚えてこないとなーなんて思っていると、営業所にいた知り合いのドライバーさんが、笑顔でめくばせしてくれていました。

 


ピンチの時にはひとのやさしさが身に染みるものです。
このドライバーさんのおかげで、職責を全うすることができました。
本当にありがたい限りと思いました。

 

ただ、口べたたけど、ちゃんと思ってることを説明できるようになんないとなー、と反省してしまいました。

エピローグ

やっと荷物を受け取ってもらったら、どーっと疲れて営業所を出ると、吹雪のような空模様で、いつもはたくさんの人が行きかう街中なのに、まったく人影もなくだーれも歩いていませんでいた。

さっきまであんなにルンルン気分で、新しいブーツを履いてきたというのに、だーれもいない街中で、なぜひとり吹雪に吹かれていなければならないのか、突然現実が押し寄せてきてました。

 

すぐにメルトンのコートには雪が積もります。

本当に強気の年配の女性に弱いなぁとつぶやきながら、誰もいない吹雪の街並みを、ひとり歩いて帰るしかありませんでした。
雪道でもすべらないブーツを履いて…

 

こんなはずじゃあなかったのになぁ。

ということでおしまいです。

ちゃんちゃんと。