続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

ライブ中にアーティストと一緒に大きな声で歌ってはいけない問題を考える

こん○○は、かえるがおです。

ライブに行くと隣の人が大声で歌っていて困ったことってありませんか?
ネットニュースの記事によると、有名アーティストの山下達郎さんが、ご自身のラジオ番組「山下達郎のサンデー・ソングブック」で
「ダメです。一番迷惑なアレです。あなたの歌を聞きに来ているのではないのです」
と答えていた件について、考えてみたいと思います。

 

 

ライブで一緒に歌ってはいけないのか


この記事によると山下達郎さんは、リスナーさんの質問を受けて答えています。
質問の内容は

大盛り上がりの場面でついつい大声で達郎さんと合唱してしまいます
となりの妻からは『あなたの声しか聞こえない』と大ヒンシュクです
周りの方にもご迷惑かも。これってダメでしょうか?

という質問に対しての答えでした。

確かにせっかくお気に入りのアーティストのパフォーマンスを見に行ったのに、歌声が聞こえず、となりの人の声だけが聞こえてくると、あんたの歌声聞きに来たんじゃないよ、と言いたい、観客側の気持ちもよくわかります。

Mr.ChildrenのLIVE

では、ほかのアーティストはこの問題について、どのように考えているのでしょうか。Mr.ChildrenのVo.桜井和寿さんが、Mr.Children TOUR 2015 REFLECTIONのMCの中で
このような内容を話していました。

カラオケでも車の中でもMr.Childrenばっかり歌っている、Mr.Children好きな彼氏に言われて、仕方なくLIVEにつれてこられているいる人もいるでしょ?
そんな人でも楽しめるこの歌をお届けします。

※記憶しているセリフなので、同じ言葉ではありませんが、ほぼ同じ内容だと思います。

「REFLECTION{ Live&Film}」DVD

「REFLECTION{ Live&Film}」DVD

 

 
この言葉を聞いて、自分のことを言われているように思ってしまい、思わず笑ってしまいました。

車の中ではスピーカーとウーハーにこだわって、わざわざLIVE会場のような雰囲気になるようにディレイを効かせてMr.Childrenを聞いていますし、カラオケでも確かにMr.Childrenばかりしか歌いません。

Mr.Childrenをよく知らない、そういうわたしみたいな彼氏を持つ人でも、楽しめる曲を届けると、桜井さんは語っています。

知らない歌ばかりではなく知っている歌を届けて、どんなお客さんにも楽しんでもらいたいという、気遣いに心を打たれました。

ライブで観客が歌うということ

もう少し、REFLECTONツアーの話を続けます。

Mr.ChildrenのLIVEでは、よくみんなで合唱することがあります。
HOMEツアーで「口笛」をみんなで合唱したのはMr.Childrenファンであれば、有名なことだと思います。
 

口笛

口笛

  • Mr.Children
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes


REFLECTIONツアーではこの「口笛」という曲に対して、観客の挙手制で桜井さんが歌うか、観客が歌うかを決めるというおもしろい試みがありました。

わたしが行った横浜アリーナでも、スカパーの生放送があったさいたまスーパーアリーナでも、観客側が歌うことに決まりました。


Mr.Childrenの演奏に合わせて、観客全員で声を合わせて口笛を歌うのです。プロの本物の演奏という最高の環境で、まるでカラオケ大ホールで歌っているような感覚です。泣かせる歌詞なだけでなく、観客の歌声にも感動してしまい、思わず涙ぐんでしまいました。

その少し前のツアーでは「彩り」という曲にたいして、桜井さんはハモりパートを歌って、お客さんにメインのパートを歌わせていました。


このような気遣いは、まるでMr.Childrenのパフォーマンスと一体化したような錯覚を覚え、感動で全身が震えました。


また、HOMEツアーでの観客の「口笛」の歌の後、桜井さんはみんなのなんらかの思いは十分伝わったから、次はこちらからその思いを届けると言って「Sign」という歌を届ける感動的も場面もありました。

 

ライブの楽しみ方

山下達郎さんのおっしゃるとおり、ライブ会場の大きなスピーカーに負けない大きな声を出すのは、歌だけに限らず声援も含めて、となりの人に迷惑がかかるためやってはいけないことです。

その大前提だけ守っていれば、わたしは十分に参加したライブを楽しむことができます。わたしにとって、ライブは歌を聴きに行っているのではなく、パフォーマンスを見て、雰囲気を共有するためにライブに行っているからです。

歌声はあくまでパフォーマンスの1つに過ぎず、楽曲中の動きや演奏やMCもすべて合わせて、その楽曲の雰囲気に包まれるためにライブに行きます。

だから遠くで誰かが大きな声で声援する雰囲気、近くで大声で誰かが歌っている雰囲気も含めて、そのアーティストのライブの雰囲気に包まれるために、ライブに出かけています。

その点は乃木坂などのアイドルファンの方には共感してもらいやすい部分だと思います。



現在の楽曲のセールス方法

現在の楽曲のセールスは、以前と違いカラオケで歌われるランキングとリンクしている面があります。

発表された楽曲は、カラオケで歌われると売り上げが上がることになるため、以前と比べ歌いやすい構成の曲、Aメロ、Bメロ、サビで2番も繰り返すという楽曲が多いような気がします。

何回かこのブログでも書きましたが、わたしがプロを目指していた頃は構成が複雑でメロディラインにあふれ、どこが1番だかどこが2番だか区切りがわからないようなアーティスティックな楽曲が多かったような印象です。


そのため、楽曲の愛され方も徐々に変わってきていて、その曲ばかりをヘビーローテして雰囲気に包まれて聞いて楽しむことと比べ、その楽曲をカラオケで歌って自分で表現して楽しむ層がだんだん増えてきたように思います。

楽曲制作側にとっては、楽曲を発表してしまったら、その愛され方は受け手側次第なので、自分の曲なのに自分の曲ではなくなる感覚を感じてしまうのかもしれません。

 

自分の曲なのに自分の曲でなくなる瞬間

素人バンドのたわごとですが、わたしみたいな素人バンドでも自分の曲なのに自分の曲でなくなる瞬間を経験したことがあります。

大学の文化祭のステージで、たくさんのバンドが出た後、最後にラストで全バンドメンバーが出てきて、みんなでひとつの曲を歌うというシーンを見られた方も多いと思います。

大学の文化祭で、最後にみんなで歌う楽曲に、わたしの曲が選ばれたことがありました。ちなみにご存知の方もいるかと思いますが、わたしの曲はバラードとまぬけなコミックソングしかありません。

 

 

バンドにはビジュアル系もいれば、ヘビメタもフォーク系歌詞のバンドもいます。イベントの最後ですので、まぬけなお笑いの歌で感動を盛り上げて、フィナーレへつなげるのは到底無理ですので、消去法でバラード調の楽曲を選ぶことになりました。

でも、バラードの曲って静かだから、一切会場で一緒に盛り上がることができないんですよね。選ばれた楽曲は星空を見ながらギター1本で、横にいる彼女に歌い上げるみたいな雰囲気で、ライブ会場に響けばいいなと思って作った、バリバリくさくておもいっきり暗い歌でした。

「この夜空 暗いけれど 僕は空が好き 星たちがまたたいて光ってる
 僕は多くの人の中から たった一人の君を選んだ…」

なんて、しょーもない歌でした。

ヘビメタバンドがアンプラグドの、このくらーい歌を歌っているところを想像してみてください。その格好と演奏にまーったく合っていません。

なんでこの曲が選ばれたのかわかりませんが、みんなで楽しくちゃんと歌えるために楽曲を大幅にアレンジする必要がありました。


それで最初にサビを持ってきて、エレアコ1本でサビを歌い上げた後、ドラムが入ってきてアップテンポに変えて、みんなで元気よく叫ぶことができるような楽曲に変えて歌ってみました。

めずらしくこのアレンジが好評を得たので、調子に乗って一番最初の注目されるスポットライトを1人で浴びてサビを歌う部分も、ほかのバンドのボーカリストに任せて、楽曲を通してわたしはギターを弾きながら上にハモるだけという、裏方に徹しました。

その楽曲ではそれぞれのバンドが、わたしのくらーい曲を自分のものにして、自分らしい表現方法にアレンジして表現していました。

確かにそんな元気よく歌うことをイメージして作ってませんので、元気よく歌うほかのバンドの人たちを見て、違った雰囲気にちょっぴりさびしかったのも事実です。

ただそれよりなにより、みんながわたしの歌を、自分らしく表現して歌っていることがとてもうれしいと感じました。その瞬間にまぎれもなく、わたしの楽曲がみんなの楽曲に変わった瞬間だったと思うのです。

現在も愛されて歌い継がれる楽曲

先日知り合いから聞いた話なんですが、今でもあるバンドが、私の楽曲を持ち歌として披露しているバンドがあるらしいです。

もう2世代ほど前の歌にも関わらず、アレンジは変わっているそうですが、バンドからバンドに歌い継がれて、今もわたしが作った楽曲が愛されていることは、本当にうれしい限りです。

ちゃんと歌詞カードには楽曲を作った人物として、わたしのペンネームが書かれているそうですよ。そんなのどこのだれだか会ったこともないひとのことなんか書かないで、自分たちの楽曲として、自分たちが作ったことにしてもいいのに、本当に律儀ですね。

大学のときに音楽に精一杯取り組んできたことが、今でもどこかで確実に息づいていることがとてもうれしく思いました。

いつかこのバンドのライブを見に行ければいいと思っています。ライブ見に行っても、絶対に自分が作ったとは名乗りませんけどね。

 

楽曲が愛されるということ

山下達郎さんが言うように、ライブでまわりの人に迷惑がかかる行動はやってはいけないことだと思います。

ただすごくくさいことを言うと、音楽はその人を気持ちを、そして考え方を変えてくれる力があると思っています。大げさにいうと生き方に影響を与える力があります。


苦労して生み出した楽曲が、どんな愛され方でもいいので、今まであったことのない誰かの、たった1人でもいいから誰かに愛してもらえることが、楽曲制作側にとっては一番うれしいことだと私は思います。個人的には楽曲の愛し方は受け手の自由なので、できればたくさん歌ってたくさん愛してほしいと思います。


楽曲を制作してわたしのもとからその楽曲が飛び立った瞬間から、その楽曲はわたしのものではなく、受け手のみなさんの楽曲になるんだと思っています。


たくさん歌って、たくさん歌を愛してほしいと思った、素人バンドのたわごと記事でした。

おしまい。