続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

「ばすの正しい待ち方」の巻

みなさんはバスはどうやって待ちますか?

うちの前には幹線道路が走っています。
上り方面は近くの駅行きだけですが
下り方面は7~8系統に枝分かれします。
だから目的のバスかどうかを
近づいてくる時に確認しなければなりません。

よくバス停で会うおばちゃんは
どのバスが来ても停留所の横に張りついています。

その結果どの系統のバスも
おばちゃんが乗るものだと思って
停留所でとまり、入り口のドアが開きます。

入り口のドアが開いてもおばちゃんは
乗る気配なしです。
もちろん他の人もだーれも乗りません。

そうなるとおばちゃんたら
「だれがこのバス止めたの?」
みたいな目で後ろの人たちを
横目でじろじろ見てきます。
そうするとみんなうつむくばかり。

あのね、おばちゃん。
バス止めたのは、あなたですよ。
なんて言えないですよね。

その結果おばちゃんは
何度も何度もバスを止めて
やっと目的のバスに乗っていきました。

そのおばちゃんはいつ会っても
同じ行動で、たくさんのバスを止めています。
まったく学習しないようです。

そしてそういうおばちゃんは1人ではありません。
たくさんいます。
そんなおばちゃんがたくさんいて、乗りもしないのに
バスを止められたんじゃ
運転手さんの怒る気持ちもわかります。

よくよく観察していると
おばちゃん達の動きにはある共通点があります。
目的のバスが来た時だけ手を挙げるのです。
おばちゃん達にしてみれば、
それが「バスに乗りますよ。」の意思表示のようです。

でも運転手さんにしてみれば
道ぎりぎりに立ち
停留所の前にに出てくれば
バスに乗るんじゃないかと考えるのが普通です。

そこで僕は考えました。
目的のバスでないバスが来た時には
後ろに下がることにしようと。

道から一番離れた位置に動いて
後ろを見たり、わざとらしく背伸びをしたりしていると
乗らないって運転手さんに
気づいてもらえるんじゃないだろうかと思いました。

道から遠ざかり作戦を実行してみると
効果の方はてきめんです。
後ろへ下がり別の方向を見てると
だいたいが止まらずに通過してくれます。
なかなかいい感じです。

そして今日小雨が降る中
バスを待っていました。
目的のバスではないバスは
いつもの道から遠ざかり作戦で
通り過ぎていきました。

少し待ったところで
ようやく僕の待っていたバスが来ました。
ここのバス停で一番本数が少ないので
なかなかこないんですが
待っていたかいがあって、
やっと目的のバスがやってきました。

僕は歩を前に進め
道に近づき、それでだけでなく
バスカードも定期入れから出して
「乗りまーす。」の意思表示をしました。

ここまではよかったのですが
僕の目的のバスはなかなかスピードを
ゆるめませんでした。

どんどん待ってる僕に近づいてきます。
まあスピードが速いバスもあるんでしょう。
そんなに気にしないで
バスに乗ろうと目の前を見ました。

するとそこにはバスの姿はありませんでした。
そうです。バスは僕の目の前を
スピードも落とさず
通り過ぎたのです。

「えっ。」
僕はあっけにとられました。
乗ろうと思ったバスはもうはるか向こうに
後ろ姿だけが見えてます。
しばし呆然です。
もぬけのからで、まんがだったら頭の上を
なにかくるくる回っている状態です。

ふっと自分が帰ってきました。
我に返ると、
「長い時間待っていたので、あのバスに乗るぞ!」
という決意が、バスの後ろ姿を見ているうちに
わき上がってきました。

傘をたたんでもうぜんとダッシュです。
運動神経には自信があります。
全力で雨の中走りました。

そして走っているバスに追いつきました。
「すみませーん、すみませーん。」
大声を張り上げながら
雨の中バスに併走する僕に
運転手さんはすぐに気がついてくれました。

そしてスピードを落として止まってくれると思いきや
運転手さんは意外な行動をとりました。
雨の中バスに併走する僕を見て・・・
笑ったのです。
確かに僕を見て笑ったのです。

スピードをおとすどころか
逆に上げ、交差点を右折して消えていってしまいました。

さすがに車と併走して
交差点を右折をすることはできず
バスの白と赤の車体の後ろ姿を
黙って見送るしかありませんでした。

そしてバス停までまた歩いて戻る時が恥ずかしいです。
周りの人はバス停でバスに無視され、
雨の中走ってバスに追いつき、そして振り切られたことを
通行人の方々もみーんな知ってます。

次のバスが来るまでの15分間は
とっても恥ずかしい思いで
立ちつくすしかありませんでした。

おじさんの胸に抱いて散歩中の
みにちゅあだっくすくんも
一部始終を見ていました。
すれ違う時にじーーーーっと
僕のことを見つめていました。

みにちゅあだっくすほしーな。
僕は雨の降る中
関係ないことを思っていました。