こん○○は、かえるがおです。
今回は前回に引き続き、ストーカーの心理についての第2回目をお送ります。
前回はどうやって普通の人がストーカーに変わるのか、そしてストーカーはなぜ一人の人に執着するのか、ストーカーの心理まとめてみました。
ストーカーには認知の歪みがあり、自分の中で認識している現実と、本当の現実の認識が違っていること、
また、ストーカーになるには、必ず何らかのきっかけが存在すること、
ストーカーが執着する理由として、ストーカーの心は満たされておらず、承認欲求とさらなる成功体験を求めていること、についてまとめてみました。
第2回目の今回は、ストーカーの心理を利用した、具体的なストーカーの対策方法を考えていきたいと思います。
ストーカー対策の注意事項
ストーカー対策は成功すれば平穏な日々を取り戻すことができますが、残念ながらリスクと危険を伴います。まず最初にストーカー対策時の注意事項から触れていきたいと思います。
絶対にひとりで対処しない
絶対にストーカーに対してひとりで対処しないでください。ストーカーの目的はあなたと2人きりになることです。2人きりになることは、ストーカーの成功体験となり、次のストーキングのエネルギー源となります。また最も危険な時間となってしまいます。絶対に1対1の場面は作らないでください。
仲の良い友達に加えてほかの人にも相談する
ストーカーを相談するときに、女性であれば仲の良い友達に相談すると思います。話をしっかり聞いてくれて、あなたを一番理解してくれるでしょう。でも本来の目的はストーカーを撃退することです。もしもの時にストーカーに対して、女性の友達は戦えません。友達に話して少しでも心理的に楽になるのはいいことですが、友達以外に親や学校の先生、先輩や警察など、必ずいざとなった時に頼りになる人にも相談してください。
記録をつける
本当に気が重くなるかもしれませんが、何月何日の何時何分にこんなことをされたという記録を付けてください。内容は1行だけでも構いません。気が進まないとは思いますが、この記録が最悪の時に生きてきます。
そもそも1度くらいの相談では、相手側にも人権があるため、警察は動くことができません。ただし記録があった場合には記録が証拠になる分、一度目から本気になってあなたを守ってくれるかもしれません。
ストーカーは凶悪化する場合もありますので、自分は大丈夫と思わないで、必ず記録を付けてください。録音できる場面であれば、スマホで録音するのが一番いいかもしれません。自分で日付を話した後、録音することでストーキングの証拠となります。
第三者、警察に間に入ってもらう
第三者や警察に間に入ってもらうとストーカーが逆上するケースや、ふたりの間を邪魔する存在として、新たな攻撃対象になるケースもあります。ただし、それ以上にメリットが大きいです。
警察に相談した場合は、ストーカー規制法であなたは守られます。一方ストーカーは処罰をされます。法律があっても効果が少ないという人もいますが、ストーカーも自分から逮捕されたいとは思わないので、ある程度の抑止力があることはわかってもらえるともいます。警察に相談する場合には、記録は必須です。
第三者も同じです。ストーカーにとって第三者に入ってもらいたくはなく、警告する内容で抑止力が期待できます。
成功体験の遮断
前回の記事で書いたように、ストーカーにとって行動のエネルギー源となるのは成功体験です。
その人と連絡を取りたい、会いたい、顔を見たい、会話を交わしたい徐々にエスカレートするストーカーの身勝手な欲求を、どこの時点でもよいので遮断するとストーカーは目的を失います。
いろんなタイプのストーカーがいますが、究極の目的は同じです。
ここに行けば会えると思ったことが、実際に会えないことが続くと動揺がはじまり、会えないことがわかれば、そこへ行っても何十時間待ち伏せしても会えない、どれだけメールを送っても反応がないと、長時間のストーカー行為が無駄になります。ストーカーも長時間のストーカー行為はつらいのです。
そもそもストーカーが思う成功体験は、過去の経験やほんの少しの成功体験を、認知のゆがみにより過大評価しています。それだけ失敗経験を積み重ねるのは普通の人と違って時間がかかります。
ただし、必ず会えないこと、反応がないことがわかればその失敗経験により、目的を失ったその行為をやめ、別の行為に走るストーカーもいます。ストーカーとの我慢比べといってもいいでしょう。
具体的には反応しないことを宣言したうえで、メールやLINEに反応しないとか、会いに来ても決して接触しないし話をしないことが有効です。どうしても出くわした時もまるでストーカーに気が付かないかのように反応しないことが必要です。
アイドルの場合のストーカーであれば、そもそも現実での距離感が遠いことを利用することが重要です。握手会については組織的に接触を排除するとか、所在を知られてしまっていた場合は、コストもかかり管理工数も増えてはしまいますが、所在を変えてみるのは効果が高い対策だと思います。
関係を断ち切るのは危険?!
では、ストーカーの心理を考えた場合、本来は接触を断つことが、一番の対策であることがわかりましたが、なぜか一般的なストーカー対策サイトでは、関係を断つことが一番やってはいけないことと述べられています。
接触を断った方がよいことを、どのサイトでもわかっているにもかかわらず、なぜ関係を断つことを、一番やってはいけないと書かれているのでしょうか。
この矛盾を紐解くためには、ストーカーの憎悪からくる攻撃性のリスクを考えなければいけません。このようなwebサイトでは、ストーカーは被害者との接点を保っているからこそ、平静な状態を維持していると述べています。
そして、平静な状態を保っている以上は、被害者を身の危険にさらすことはないという考え方です。
ストーカーとの接触を断つ行為は、絶対にやってはいけません。
今までは接触できていたことによって、ある程度の平和な関係が保たれていた(略)
死を招くだなんて大げさだ!と思われるかもしれません。でも、死んじゃったり、辛うじて助かったとしても傷だらけで生きるよりは、無傷が一番です。そのためには、ストーカーとの接触を断つ行為をしないと覚えてください。
「死を招く」という、衝撃的な言葉が描かれています。
この考え方はある種当たっていますが、ある種矛盾を抱えています。
まず、何らかの接点を持つということは、被害者の一方的な我慢によって成り立っています。ストーカーのために被害者は自己の自由を抑圧されることになります。
また、平静を保っているように見えても時間がたてばたつほど、ストーカーの認知のゆがみ(妄想)は肥大化し、先送りすればするほど対処が難しくなります。妄想が肥大化する過程で、攻撃されないという保証もなければ、最終的にはストーカーの言う通りにしない限り、どこかで戦わなければいけない場面が必ず発生します。
接点を断つことで一時的なリスクは高くなるかもしれませんが、ストーカーの中にはその失敗体験からあきらめるとか、別の誰かに依存するという選択肢を選ぶ場合もあります。
最悪の場合は、関係を断つことで憎悪へと変わり、攻撃性をむき出しにしてくるパターンです。関係性を断つ選択肢を選んだ場合には、ストーカー対策の注意事項で書いたように、第三者を含めて守られた環境を確保されていることが前提です。
攻撃性をもったストーカー
攻撃性を持ったストーカーは認知がゆがんでいるため、現実を正しく把握することができません。
以前「推しメンが握手会を楽しみにできるようなファンになろう」の記事で書いたように、握手会で泣いているアイドルを見かねて、握手会の参加を拒んだ主催者側を「愛し合う二人を引き裂いた」と事実を曲がってとらえたりします。
警察に通報したことを逆恨みすることもあります。また警察がストーカーを通報したからと言って、即時介入してくれるかどうかも疑問です。
たとえば全然知らない知り合いの第三者が間に入った場合も同じです。ストーカー問題で悩んでいる人の間に入ってくれる正義感を持った人であっても、ストーカーからしてみると、二人の間を引き裂く人物と映ってしまうことがあります。
何を言いたいのかというとすべての行動にリスクがあり、それを甘んじて受けるか、リスクがあっても行動するかの違いです。
事件化したストーカー事例の共通点
ニュースで報道されるように、残念ながらストーカー被害が、事件に発展してしまうケースも多くあります。
事件化したケースから見えてくるのは、3つの条件を満たしたストーカーが事件に発展する場合が多いことです。
1.成功体験が最終段階に入っていること
2.愛情が憎しみに変わっていること
3.破滅タイプのストーカー (自傷ではなく相手への攻撃タイプ)
ストーカーなりのわずかな成功体験が、引き返せないところまでエスカレートする前に、手を打つチャンスは何度もあったことでしょう。愛情が自分勝手な攻撃性へと変化するタイプのストーカーは4タイプのストーカー、拒絶型、憎悪型、親密希求型、無資格型の中の拒絶型ストーカーです。破滅思考を持っている人は自分で自分を傷つけるタイプと相手を攻撃するタイプが存在します。
不幸の歯車が偶然一致し悲劇につながった例から、特有の共通点の条件下で危険性が増すことをご理解ください。逆にこのような条件を避けることで、安全性は増していきます。
クレーマーと同じウィークポイント
ストーカーは認知のゆがみにより、自分の妄想の世界に住んでいます。もちろん病的だっり、パーソナリティ障害だったりする分、クレーマーによく似ています。
クレーマーも執拗に企業に電話を掛けたり、販売店や企業に直接訪れます。そして長時間自分の思いのたけを述べた後は、また翌日もやってきます。
以前の「サプライズで相手の心を動かす方法」の中で具体例を示して、「自己愛性人格障害」と書きましたが、もう少し掘り下げてみると、現実に起こった認知をゆがめるパーソナリティ障害を持っている分、社会に適応できていない孤独なクレーマーの姿が見えてきます。
自己愛性人格障害は、自分は尊い存在であり、ほかの人を思い通りに操りたい意識があります。現実的には、そんなパーソナリティ障害の人に好きなように操られる人は少なく、そのため日常生活は孤独感に溢れています。
その孤独を埋めるため、そして荒唐無稽な自分の主張をおとなしく聞いてくれる人を求めて、そのターゲットを企業や販売店に向けるのです。知っているクレーマーさんは何千件も電話をかけてくる人がいます。日常生活に誰も他者が存在していないため、孤独を埋めようとしているのです。
怒りは二次感情です。怒りのもとは寂しさ、悲しさ、不満などの一次感情が必ず存在します。
これも公表はしていませんが、最終的には粘着質なクレーマーさんを一企業で支えることができませんので、何らかの条件を示して、この企業の商品は二度と買いませんという念書をもらったうえで関係を遮断します。
唯一の外界との関わる機会を失い、困ったクレーマーさんは、競合他社の商品を購入し、そしてクレーム行為を続けるのです。
ここで何を言いたかったのかというと、ストーカーも同じです。現実の世界でうまくいかない分だけ、心の中には承認欲求の塊です。あなたにこだわっていると口では言っていても、承認してくれる人はあなたでなくても本当はいいのです。
別の代替する人ができればそちらへ流れていきますし、私生活が充実もしくは危機的状況に陥ったら、自然とそちらへシフトしていきます。
アイドルの場合に、握手会やLIVEに来れないようにするというのは、企業のクレーマー対策と同じで、既に実証されており別のアイドルに興味が向かう分、効果が高い対策ではないでしょうか。
まとめ
今回は具体的に、ストーカーの心理を踏まえた、ストーカー対策法をまとめてみました。
ストーカー対策には必ずリスクと危険性が伴います。ただしリスクは伴っても、ストーカーが求める成功体験を遮断することが、ストーカー対策には一番有効です。
ストーカーの生活環境やそのタイプによって、凶悪化する場合もありますが、最終的にはどこかで向き合わなければいけない課題だと思います。
少しでも安全に対処するために、第三者や弁護士、警察も利用して組織的に対処することで、安全性は高まります。決して一人で対処しないことが大切です。最悪の事態に備えて、対策グッズも用意してきましょう。
ストーカー行為はストーカーにとって、そのこと自体自分でやめることができないアディクション(依存)です。アディクションは自分で克服することができない心の病です。
アディクションの恐怖については、以前の「3万円恐喝の罪と連日のマスコミ報道の闇」という記事で書かせてもらいました。
機会があればストーカーのアディクションについても、今後記事にまとめてたいと思います。
実際の対処事例
1年ほど前、わたし自身もストーカーの対処に、巻き込まれたことがありました。
知り合いの20代の女性から、元彼のストーキングについての相談を受けていたのですが、待ち伏せされていて危険だから、すぐに来てほしいと急に連絡が入ったのです。
急いで現場に行ってみると、そこにはわたしを呼んだ女性とストーカーが二人で話をしていました。ストーカーの対処に困った女性は即効性を求めて、どうやらわたしが話をしたいと言っていると伝えて、ストーカーを呼び出したようなのです。
ストーカーは中学卒業以降、職業が長続きしない無職のヤンチャ系の男性でした。作業服みたいなのを着ていますが、無職だそうです。まさか、こんなヤンチャ系の男性と対峙するつもりでその場へ行っていませんので、内心はとってもドキドキものです。
わたしが呼び出した、というていになってますが、本当は呼び出してませんから説得する材料も何にもありません。
元カレだから彼女の働いているところも、住んでいる場所も知っています。そこに何時間もずーっと待っているストーカーです。彼女もまわりの目があるのでそのままにしておくことはできず、どうしても会わざるを得ないという状況でした。
そこで、咄嗟にわたしがストーカーに言ったセリフが「おまえをそれ以上キライにさせんなよ」という、くさーいセリフでした。
咄嗟に考えた論理の展開はこうです。元カレだから、もともと彼女は彼のことを好きだったのに、ストーカー行為を続けると、どんどんキライになってしまうじゃないか、という勝手なその場の思い付きの論理です。
まぁストーカーなので論理的な展開よりも、ストーカーの感情に訴えた方がよさそうでした。ストーカーも彼女から好かれていたいらしく、意外にも簡単に乗ってきてくれたので、一緒に彼女から好かれる手段を考えました。
待ち伏せすると、職場や近所の人に怪しまれるから嫌われる。
仕事がないとお金がないので、生活できないので好かれない。
じゃあ好かれるためには、定職についてお金持ちになれば、まずは男性として判断してもらえるレベルになるんじゃないかと、話を進めました。
いやいやいやいや。本当は現実と全く違います。だって、ストーカー化した段階で、彼女から好かれるチャンスはまーったくありません。今だって嫌われてるし、すんごいお金持ちにならない限り、ヤンチャな彼には望みはまーったくありません。
ただしストーカーは認知がゆがんでいる分だけ、そのゆがみから見える現実に乗っかって話をすると、説得されちゃったんですよ。説得の結果、じゃあ俺定職を見つけて頑張るという結論になりました。
ただし、一度だけピンチが訪れました。
ストーカーは彼女と一緒に帰るつもりだったらしく、別々に帰そうとしたところ、暴力的に暴れ始めました。
「やっぱこれかよー、こいつヤンチャそうだと思ったんだよー」なんて、内心は思いつつも、「これ以上嫌われたいのか!」と一喝して、ヤンチャを抑えつけたところ、「やっぱこういうの慣れてらっしゃいますね」と、正しい敬語なのかどうかもわかんない敬語で、おとなしくなってしまいました。
「ヤンチャなおまえと違うんだから、そんな慣れてるわけないよー」と内心ドキドキだったんですが、ありったけの低い声で「まあな」というのが精一杯でした。
このストーカーは、どうも彼女に嫌われたくないと思っているようで、嫌われるという言葉が、今回の場合はストーカーのウィークポイントだったようです。
最後は笑い話になりましたが、今回の記事がストーカーに悩まれている方にとって、少しでもお役に立てるように願っています。
決して一人で戦わないで、まわりを巻き込んでもいいので、幸せな生活を取り戻されることを願っています。
がんばってください。応援しています。