続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

3万円恐喝未遂の罪と連日のマスコミ報道の闇

こん○○は、かえるがおです。


今回は現在よく報道されている、あるセクシー女優さんが、ホストの職業の男性より、3万円恐喝未遂で常人逮捕されたという話題を取り上げたいと思います。


現在テレビのワイドショーやWebニュースでも話題の3万円恐喝未遂事件ですが、常人逮捕やホストを職業とする人への女性からの3万円の恐喝未遂、そしてホストとご本人との関係性など、正直何が事実なのか、またどういう法律上の仕組みなのか、報道が過熱している割には、わからないことが多いです。


巷のニュースを読んでみても、なぜか興味本位の報道も多く、自分も貸してほしいといわれたと、事件とは関係ない人物についての報道もあります。


今回はこの3万円恐喝未遂の罪と、なぜ3万円を借りなければいけなかったのか、女優さんの内面に焦点を当てて、考えていきたいと思います。正直今回の記事は書いていてつらい記事です。興味本位な内容は出てきませんので、あらかじめご了承ください。

 

報道の過熱

 



3万円恐喝未遂の罪


そもそも恐喝罪とはどんな罪でしょうか。
似たような罪名に脅迫罪、強要罪というのがあり、どう違うのか調べてみました。


ある弁護士事務所のWebには以下のように記載がありました。

害悪の告知のみ 脅迫罪
害悪の告知+財物の交付 恐喝罪
害悪の告知+義務のないことを行わせた 強要罪

 

 

今回は、悪いことするよと告げて、お金を要求したため恐喝罪に当たるようです。

では、20代の女性がホストの男性にどうやって悪いことをすると告知したのでしょうか。相手は男性なので女性より力が強いでのにも関わらず、どう無理やり恐喝したのでしょうか。

同じ弁護士事務所のWebにはこのような記載がありました。

次の『ア・イ』のいずれかに該当する行為
ア 『脅迫or暴行』によって財物を交付させること
イ 『脅迫or暴行』によって財産上不法の利益を得ること
※刑法249条1項,2項


脅迫または暴行するということが、恐喝罪の犯罪の要件のようです。
たとえばわたしの場合は今回の女優さんのような細い女性の人が
暴行するぞーって言っても、男性なので怖く思うことはありません。


今回の被害に遭われたホストの方も男性です。加害者より体力的に上だろうから、きっと暴行はされていないでしょうから、脅迫されたはずです。では具体的にはどうやって、脅迫されたのでしょうか。

脅迫の要件については、また同じページにこのように書かれていました。

害悪の告知の程度について
→一般人が畏怖する(恐れる)程度

 『殺す』
 『しばく』『どつく』(関西弁)
 『殴る』

 

一般の人が恐れる程度だそうです。ただし今回は「殺す」「しばく」「どつく」など
暴力的な言葉ではなく、プライベートの写真をばらまくといわれて、
ホストが恐れたのでしょう。

また刑法250条より未遂の場合でも同罪が適用されるため、
今回の3万円恐喝未遂事件は、刑法では10年以下の懲役刑であることがわかりました。

 

 

予想される意外な処分


3万円のためにプライベートな写真をばらまくと脅迫された今回の事件ですが、

容疑者である女優さんが釈放された現在、在宅でどのような処分が下されることになるのでしょうか。

弁護士ドットコムによると同様の恐喝罪の案件の刑期について記載がありました

刑期が1年から3年未満の判決が、全体のおよそ85%を締めています。また、懲役刑全体のおよそ56%に対して、執行猶予が付与されています。

 


刑法では10年未満と記載されていますが、およそ85%が3年未満の量刑
そのうち56%に執行猶予がつき、刑務所に収監されることはないようです。


興味深いのはそのあとの記載です。

逮捕後送検されるケースが99%以上、その後勾留されるケースが97%以上
(中略)
恐喝罪の起訴率は、およそ29%


ん?ちょっと待ってください。今回は送検されましたが、そのあと留置所に
拘留はされませんでした。

弁護士ドットコムの記事が事実だとすると、恐喝罪では送検された後に、さらに10日間勾留されるケースが97%以上だそうです。今回の恐喝罪は勾留されませんでしたので、恐喝罪の中でも、残りの3%未満のレアケースのようです。


もし97%の人が拘勾留されても、起訴率が29%勾留が起訴につながっていない点も
興味深いです。

勾留されても起訴率が低いのに、今回は勾留されていないので、起訴される可能性は限りなく低く、不起訴や嫌疑不十分とされる可能性が高いです。


20代の女性の30代ホスト男性に対する3万円恐喝未遂事件ですが、
たくさんのメディアで連日報道されている割には、
新たな事実が判明しない限り、起訴されない可能性が高い事件であることがわかりました。

 

不起訴

 

起訴されない可能性が高いのになぜ連日報道されるのか


今後起訴される可能性が限りなく0に近い容疑者について、なぜ連日メディアが報道するのでしょうか。

 
確かにすべての生活は、近代的な法治国家である以上、コンプライアンス法令遵守の上に成り立っています。今回は微罪であっても刑法上恐喝罪に該当し、この点について女優さんを擁護するつもりはありません。

ただ起訴されない犯罪を、連日報道する必要が本当にあるのかという点については、疑問を感じています。

同様の起訴猶予事件の場合には、新聞報道はあるかもしれませんが、ワイドショーで時間を取ってその人の私生活を周りの人が証言したり、みんなで議論したりすることはないかと思います。

今回の容疑者が女優さんで、しかもお母さんが往年の名女優さんだったということもあり、視聴者の興味をひく番組作りができるとか、興味をひいて読んでもらえる記事になると、各マスメディアが判断したからでしょう。

たまたま名女優の娘として生まれて、たまたま女優という職業を選択しただけで、普通の職業の人と異なり、連日特集を組んで起訴される可能性が低い犯罪の報道をされるのは気の毒に感じてしまいます。
 

 

依存(アディクション)の恐怖


報道によれば、26歳の女優さんは若くしてお母さんを亡くし、義理の父親とも疎遠になっていたそうです。お兄さんがいるらしいですが、お兄さんも事件についてコメントをしていることから、あまり仲がよいとは思えません。

若くにお母さんを亡くして、身内とも疎遠な状態で26歳の女優さんは暮らされていたんですね。


1000万円以上の収入をホストに費やしていたと聞きます。家族とも疎遠な中、心のよりどころを表面的にはやさしくしてくれるホストクラブに求めたのでしょう。

アルコールや薬物、ショッピングやギャンブル、恋愛と一緒のある種、ホストクラブに依存してしまった一面が見えてきます。

依存症、アディクションはなかなか完治することはできません。正直一人で完治するのは不可能と言ってもいいでしょう。

依存症をよく知らない方からすれば、意志が弱いからやめられないんだとか、最初から手を出すからよくないという、発想になりがちですがそんなに簡単なものではありません。

原因は家族との人間関係を含めた成育歴からきている思い癖です。心の病といっても過言ではありません。

自ら対象物への依存をやめたいけど、やめられない自分を嘆いて攻めている状態です。そのまま放置していると自責の念が非常に強い分、破滅型といって自分を傷つける方向に走り、最悪自ら命を絶ってしまうことに発展しかねない、怖い状態です。

生育歴の初期に拒絶体験や過保護、早すぎる自立、緊張状態などを体験し、過度の依存欲求、過度の愛着欲求が育っていく。そのため人生の中で何度も拒絶感、拒絶体験を味わい、自分の存在に対する不安が目覚めていく。その反動として誇大的思考に陥り、さらに人間関係において失敗を重ねていく。そして自責の念、罪悪感、寂しさ、怒りなどの満ちた人生となり、それから逃れるために酔いを求めていき嗜癖行動が発展していく。


 

依存の原因


この女優さんの場合は、とってもお母さんと仲が良かったと聞きます。お父さんがいなかった分お母さんとの絆がとても強く、愛情を一心に受けて育ってこられたのでしょう。

そういう成育環境に加えて、依存症になりやすい人は、とてもやさしく気が小さい人がなりやすいと言われています。

とってもやさしい人が、自分に原因がなく、破滅型に向かっていく依存症になりやすいという、とっても気の毒な面があります。

人間関係や恋愛の依存症の、共依存と回避依存の悲劇については、もしご希望が多いようであれば、別の機会にでも記事にしたいと思います。

依存症は人格障害である可能性も高く、精神科医と自助グループと言われる、同じ悩みを持つ人たちのグループの中で、長期間かけてゆっくり改善させていくことが必要で、自分の意志だけで改善することは、残念ながらできません。

今回の女優さんを例にとると、本当に自分のことを思ってくれているわけではない、ホストクラブに1000万円以上費やし、お金が無くなっても借金してでも通っていたことから、依存していたの可能性が高いです。

心に埋められない何かがあり、それを一時的にでも埋めるためにホストクラブに通ったことでしょう。

 

依存

 

依存した相手に突きつけられた現実


1000万円以上使って通ったホストから、3万円の恐喝罪で常人逮捕されるとは思ってもみなかったことでしょう。自分は1000万円以上ホストのために払っただけでなく、恋愛関係にもあった人に、たったの3万円で逮捕されたことは、ご本人にとっては衝撃的だったことでしょう。

まだまだ若く以前は高級マンションに住んでいた容疑者。ホストクラブで1000万円以上お金を使える余裕があった人です。3万円の恐喝で逮捕されたことから、かつてお金があった人が3万円もない、現在の生活状況が見えてきます。

3万円といえば都内でひとりの女性が1か月暮らすことはできない金額です。高級マンションに住んでいたのに、3万円がない状況になってしまったら、普通の人であれば絶望してしまうのではないかと思いました。

危険な状態


最後にアディクションの特徴として、強い自己否定という特徴があります。ホストクラブに依存していたとしたら、なぜ大金を使ってしまったのか今頃自己否定しながら、非常に後悔していて押しつぶされそうになっている時期です。

精神的に追い込まれると、自傷に走る傾向があり、なおかつひとりで依存をやめることはできません。

こんな状態の人に、起訴されない事件のことを連日報道する必要があるのでしょうか。世間の人は毎日毎日、この人のつらい生活の話を聞きたいのでしょうか。

報道を続けることは、この女優さんを追い込むことを意味しています。一人で立っていることも困難なくらいに打ちのめされた人を、精神的に追い込む報道は、女優さんにとっては耐え難い状態だと思います。

あってはいけないことですが、万が一この女優さんが自ら命を絶つことを選択した場合、精神的に追い込んでしまったマスメディアの方々はどう責任を取るのでしょうか。現在の女優さんについてのプライバシーに触れる報道内容は、女優さんの起訴されないことが確定した段階で、人権侵害とみなされる可能性もあります。

野次馬根性でもっと知りたいと思う一部の人がいるのはわかりますが、もうそのへんでいいのではないかと思って、今回記事を書きました。

まだまだ若く未来がある人です。決して自ら傷つける道を選ぶのではなく、問題を先送りしてもいいので、また別の誰かに依存する選択肢を選んでほしいと願っています。
 

 

最後に


最後に、容疑者の方と付き合っていて、多額をお店に使ってくれたにもかかわらずに、3万円の恐喝で常人逮捕したホストの男性の方が、コンプライアンス上問題がなくても、わたしは社会通念上罪はとても重いと思います。

今回の報道は一方的で、客観的な報道がまったくされないのが、とても残念な今回のかえるがおでした。
気分が悪い話ですみませんでした。

誰かが客観的な意見を表明する必要があると思い、思い切って記事にさせていただきました。