続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

MTVUnplugged生田絵梨花のターニングポイント-感動型ボーカリストへ- 

 2017年12月25日、世界初の生放送であるMTVUnpluggedのステージに、見慣れたボーカリストが立っていました。

その人の名は乃木坂46生田絵梨花

乃木坂46のアイドル活動だけでなく、日本ミュージカル界を背負っていくべき有望なボーカリストとして活躍する彼女にとって、初めてのソロコンサートの舞台が、国内外の有名アーティストが数々の伝説を作ってきた、伝統あるMTVUnpluggedの舞台というのも、運命のいたずらだったのかもしれません。

年末の歌番組への出演がひっきりなしに続いている最中のアンプラグドの準備は、時間との闘い、そして伝統への重圧との闘いで、困難を極めたことでしょう。

アンプラグドの舞台に立つ彼女は、めずらしく少し緊張しているようにも見えましたが、その様子とは裏腹に、圧巻のパフォーマンスを繰り広げることになるのです。

LIVEの余韻と興奮で脚が震えてしまって、その日の夜は全く眠れなくなってしまった、ERIKA IKUTA MTVUnpluggedの伝説の記録を、残しておきたいと思います。

 

MTVUnplugged 生田絵梨花

出典:MTV Unplugged ERIKA IKUTA

 

 

セットリスト

 

Overture
~オープニング~
私、起きる。
僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
MC
~卒業~
君は僕と会わない方がよかったのかな
ないものねだり
MC
~Cover~
右肩
二人セゾン
MC
~Disney~
輝く未来
生まれて初めて
~乃木坂46に感謝を込めて~
きっかけ
何度目の青空か?
MC
~LastSong~
君の名は希望

 

MTVUnplugged Overture

 

私、起きる。

Overtuneでは、ストリングスとピアノにギターにドラムという、ビッグバンドに似た構成で、今回のアンプラグドが表現する方向性を見つけることができました。

10thシングル『何度目の青空か?』生田絵梨花センターのカップリング曲

私、起きる。生田絵梨花



生ちゃんの澄んだ歌声がとにかく印象的な楽曲でした。歌声の抜けがよいSHURE(BETA58A-X)のマイクと澄んだ歌声の相性がとてもよく、またストリングス主体のアンプラグドにはぴったりでした。

マイクのエフェクトに頼ることなく、大舞台で自分の歌声だけで勝負しようという生田絵梨花さんの姿勢が表れているかのようです。

結果的に大人っぽい格調高い仕上がりの楽曲になりました。

 

僕が行かなきゃ誰が行くんだ?

9thシングル『夏のFree&Easy』西野七瀬センターのカップリング曲

僕が行かなきゃ誰が行くんだ? 生田絵梨花


これこそアンプラグドの醍醐味と言える曲が早くも登場しました。1番はギターをリズム楽器として利用し、間奏のピアノアレンジから後半に向けてのリズミカルな流れが最高な楽曲でした。

これぞまさにアンプラグド。伝説のアーティストたちに並ぶ名曲の誕生です。アンプラグドなアレンジの魅力に取りつかれてしまいました。音を楽しむ音楽のとしての、至福の時を過ごすことができました。

生ちゃんがとっても光ってた楽曲で、ヒロインのような笑顔が印象的なパフォーマンスでした。

 

君は僕と会わない方がよかったのかな

11thシングル『命は美しい』センター中元日芽香のアンダー楽曲

君は僕と会わない方がよかったのかな 生田絵梨花


説明不要の名曲そして、中元日芽香さん初センター楽曲です。

乃木坂加入当時から共に努力を続けてきた、生ちゃんの最大の理解者であり、そしてこの曲のセンターでいつもキラキラ輝いて存在していた、中元日芽香さんはもうそこにはいません。

澄んだ歌声とは対照的に、ひめたんとの思い出を絞り出すように一言一言丁寧に歌う生田絵梨花さん。その歌声には誰よりも感情が溢れていました。


格調高いストリングスに、涙で潤んだ瞳で遠くを見つめる生田絵梨花さん。その見つめる瞳の先には、きっと中元日芽香さんの面影が映っていたことでしょう。

"縁とかつながりは永遠に続く"というMCの言葉が、つよがりでもなんでもない等身大の生ちゃんの、本当の想いを語っているように感じて胸が打たれました。

 

ないものねだり

16thシングル『サヨナラの意味』橋本奈々未ソロのカップリング曲

ないものねだり 生田絵梨花


歌い方も演奏のアレンジも全く違うはずなのに、なぜか橋本奈々未という、乃木坂を大樹のように支えた元メンバーの雰囲気が伝わってくるかのような楽曲でした。

以前は楽譜に忠実に歌う音楽型ボーカリストと評した生ちゃん。ミュージカルにキラキラのお姫様のような笑顔で存在する生ちゃんと違って、思い入れが深い生ちゃんの感極まった感情が、溢れ出してくるかのような歌声がとても新鮮でした。

 


惜しげもなく感情をあらわにする、生田絵梨花というボーカリストを見ることができるすばらしい作品になりました。
 

 

右肩 

前田敦子2ndシングルカップリング曲

右肩 生田絵梨花


ピアノとストリングスがお互いにとってもよく響き合う、これぞアンプラグドという楽曲です。歌っているときの生ちゃんの遠くを見つめる素敵な笑顔が、とっても印象的でした。

歌っている生ちゃんの姿を見ると、つい最近までおもしろいことばっかり言う天真爛漫な女の子だと思っていたのに、恋愛の歌詞を綴るちょっぴり大人びた雰囲気の生ちゃん。

いつのまにか生ちゃんは恋愛の歌を歌いあげることができる、立派な女性に成長されていたんですね。もう生ちゃんなんて気軽に呼べないくらいです。


ただ…

いくちゃんがもたれ掛かってるのって、それ、相手の左肩です(´・ω・`)


乃木坂加入時のオーディションで、前田敦子さんに似ていると騒がれた生ちゃんが、前田敦子さんの楽曲を披露するという巡りあわせも、感慨深い思い出の曲となりました。


二人セゾン


欅坂46の3rdシングル表題曲

二人セゾン 生田絵梨花


MCでも話されてましたが、この楽曲は音域は広いし半音下がりもある、ボーカリストとしてはとっても難しい楽曲でしたが、見事に大人っぽく表現して歌い上げられていました。見事です。

とても難しい楽曲なのに、感情を込めて歌い上げる生田絵梨花さん。時には顔をゆがめてまで、熱心に表現しようとしている様子を見ているだけで、胸が打たれました。この楽曲もとってもいい楽曲ですね。

 


生田絵梨花の今の思いを伝える曲。そんな思いが伝わってくるかのようでした。

輝く未来 

Disney映画「塔の上のラプンツェル」より

輝く未来 生田絵梨花


フジの歌番組でよく見る、日本のミュージカル界を背負って立つ、ミュージカル女優としての生ちゃんを楽しむことができる楽曲の登場です。

澄んだ声と王女様のような笑顔。クラシック型ボーカリストと評した、ミュージカル女優として認められた生田絵梨花という女優の真骨頂です。


FNS歌謡祭でもそうなのですが、キラキラ光る笑顔で、どこかおとぎの国のお姫様のように見えてしまうところが不思議です。

 

生まれて初めて 

Disney映画「アナと雪の女王」より

 

生まれて初めて 生田絵梨花



この楽曲を歌う生ちゃんを見るのは初めてではなかったのですが、どうしてなのかいつもと雰囲気が違うような気がしました。

この楽曲を歌う生ちゃんは、いたずらっこでおてんばな王女様のような印象だったんですが、今回は違います。おしとやかでたくさんの隣国の王子様からプロポーズされるような、憧れられる大人の王女様の雰囲気が漂います。

ストリングスとピアノのリズムが印象的なアレンジだった分だけ、しっとりとした適齢期の大人の王女様に思えてしまいました。


ただし、生ちゃんはやっぱり生ちゃんですね。この楽曲の後のMCでは、用意されたお水を落とすことになります。

とても遠い存在でもある、高尚なミュージカルのお姫様のように見えても、とっても親しみやすい昭和の子ども感も持っている、それが生ちゃんの魅力のように改めて思いました。

きっかけ

2ndアルバム『それぞれの椅子』収録曲

きっかけ 生田絵梨花


圧巻のパフォーマンスです。

東京ドームで隠すことなく泣きじゃくる生ちゃん。そしていつものように生ちゃんを支えるひめたん。生ちゃんの涙はとっても衝撃的でした。

ただし、きっとアンプラドの舞台では、音楽の申し子というべき天才ぶりを発揮して、王女様のようにすてきなミュージカルの時のボーカリストとして存在しているのかと思っていました。この時までは。

『きっかけ』のさびでの溢れる感情。あれはきっと音程が少しぐらい外れてもいいから、自分の感情を爆発させて、すべての人へ届けたいという思いがストレートに伝わるかのようでした。


これまで楽譜に忠実に歌ってきた分だけ衝撃的で、更にボーカリストとして成長している生田絵梨花という存在に、驚いてしまう作品となりました。マイクに伝わる息遣い。すごい、臨場感がものすごいとしか、表す言葉がありません。

血の通った感情を感じることができたクラシック型ボーカリストから、感動型ボーカリストへの変貌といってもよいと思います。

 

 

何度目の青空か?

10thシングル『何度目の青空か?』生田絵梨花センター曲

何度目の青空か? 生田絵梨花


生ちゃんがこの曲をどれだけ大切にしているのかが、よく伝わってくるような歌声でした。歌い方や声の出し方が大人っぽくて、以前シングルを聴いた時の歌声のイメージ全然違う雰囲気です。

きっと気持ちが入っているんでしょうねぇ。胸に手を当てて歌う生ちゃんが、とっても印象的でした。

この楽曲のストリングスのアレンジも全く違和感がなく、もともとこの曲は名曲だったんですね。あの頃から、少し大人になった生ちゃんVerのセンター曲『何度目の青空か?』でした。

 

君の名は希望

5thシングル『君の名は希望』紅白歌合戦初出場披露曲

 

君の名は希望


『君の名は希望』

生田絵梨花さんの曲紹介の響きから、この楽曲がどれだけ愛おしくてどれだけ大切なのかが伝わってくるかのようでした。

あの佐久間正英さんが褒めてくれて、最初で最後のセッションができた曲。そして紅白初出場の時に披露した曲。

乃木坂をホームだという生ちゃんの、たくさんの乃木坂メンバーとの思い出が染みついた楽曲が『君の名は希望』という曲だと思います。


まさしく涙の熱唱でした。生ちゃんの心の中に溢れる熱い思いは十分伝わったよ、と自然と声をかけたくなりました。


最後の挨拶をかむほど必死な表現。今回のアンプラグドを象徴する楽曲になりました。


生ちゃんの歌っている顔に、ふとひめたんの面影を見つけてしまうわたしがいました。ひめたんの面影が…

きっと自分のことのように一番喜んでくれたことでしょう。

 

MTVUnplugged生田絵梨花の意味すること

今回のMTVUnpluggedが生田絵梨花というボーカリストにとって、1つのターニングポイントになったことは確かだと思います。

楽譜に忠実なボーカル
ミュージカルに代表されるような明るく澄み渡るような歌声
おとぎ話の王女様かと見まごうようなキラキラした美しさ


これまでは、これが生田絵梨花というボーカリストだと思っていました。

 


MTVUnpluggedは国内外の有名アーティストが、数々の伝説を作り出してきた舞台でした。

その舞台に乃木坂46の生田絵梨花としてステージ上に立つことは、プレッシャーで押しつぶされそうになるくらい、本当につらかっただろうし、いくら負けず嫌いで頑張り屋の生ちゃんであったとしても、逃げ出しくなったこともきっとあったことでしょう。

心を奮い立たせて正々堂々と、アンプラグドの大舞台に正面から立ち向かった生田絵梨花というボーカリストは、これまでの澄んだ綺麗な歌声に加えて、泥臭いまでの一生懸命に顔をゆがめてまで歌う、観衆の心を震わす感情表現までをも手に入れていました。


エリカの花言葉は
「孤独」「寂しさ」「博愛」だといいます。
出典:エリカの花言葉(英語,画像,誕生花)ヒース,ハイデ | e恋愛名言集


乃木坂46メンバーへの思い、
よき理解者として支えてくれた中元日芽香さんがいなくなってしまった深い悲しみ、
卒業したメンバーへの感謝、
孤独と寂しさと博愛を胸に


MTVUnpluggedの舞台に立つ生田絵梨花というボーカリストは、東京ドームのきっかけの時と同じように、隠すことなく泥臭い感情表現まで、生田絵梨花のいまをすべて出し切ってくれた、すばらしいステージだったと思います。

MTVUnpluggedの長い歴史を彩ってきた多くの有名ミュージシャンと同様に、MTVUnpluggedという舞台で大輪の花を咲かせた生田絵梨花というボーカリスト。

「そして、クリスマスの日生田絵梨花は伝説となった。」


と痛感させられた素晴らしいステージでした。