続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

従業員不適切動画問題の背景と労働者不足問題

今回のかえるがおは、ちょーっとまじめぶってるタイトルではありますが、自分で経験したことをもとに、続々と発生している従業員による不適切動画問題の背景を考えていきたいと思います。

 

数え上げたらきりがないほどの有名企業が、アルバイト従業員による不適切動画投稿により損害を被っています。でも問題が起こったとしても、自分のまわりのお店じゃないし、遠いどこかで発生したんだなーなんて、のんきに考えていたのですが…

 

 

 

突然の閉店

大学生の頃によく通ったおそば屋さんがありました。サンリオピューロランドの近くにあるおそば屋さんでした。ちょっと遠かったのですが、そのおそば屋さんは、500円でおなかいっぱいおそばを食べさせてくれたので、貧乏なわたしは頻繁に通っていました。

 

現在でいう味奈登庵の富士山盛りくらいの量をたった500円で食べれるのです。頻繁に通っていると店主の方も覚えてくれて、ますますたくさんおそばを器に入れてくれるようになりました。時には頼んでいないのに、メニューにあるお寿司も出してくれることもありました。

 

出典:富士山を盛りそばで表現した横浜・味奈登庵の「富士山盛り」に登頂チャレンジしてきました - GIGAZINE


大学を卒業してからも、おそばの味が懐かしくて何度か通っていました。

ある日、おそばの味が懐かしくなって、お店の前まで来てみるとシャッターが閉まっていて、1枚の貼り紙がありました。そこには突然の閉店のお知らせが書いてあったのです。

 

量がすごいのでお客さんも多かったし、天ぷらもおいしい店で食べログの評価も高く、近くに競合店もなかったのに、閉店した理由はわたしにとって衝撃的でした。

 

お店の食洗機に入ったアルバイト従業員の動画が、ちまたに拡散されたため、あれだけ人気だったお店の信用を失ってしまったという理由でした。

わたしの思い出のお店は、アルバイト従業員の問題動画で、なくなってしまったのです。決して他人事の話ではなかったんですねぇ。

 

最低賃金と労働者不足

2019年現在、東京都の最低賃金は985円です。

コンビニや牛丼チェーン店の店頭には、アルバイト募集が1年中掲載されています。

時給は1000円から夜間だと1400円も見かけるようになりました。

 

地方に比べると夢のような金額なのですが、1年中募集しているところを見ると、高い賃金でも働き手が見つかっていないことでしょう。

 

わたしがアルバイトでファーストフードの採用面接をしていた頃には、どうしてもアルバイトをしたいと、5回も面接を受けに来た人もいました。

現在は、派遣会社さんに依頼しても、あらかじめ決められた1人しか面接にやってきません。しかもその1人を採用しないという選択肢はなく、どんな人であっても契約期間満了まで雇用しなければいけないというのが一般的なルールです。

 

確かに採用コストはかかりませんが、正社員よりも多くのコストをかけて雇用するわりには確実性がなく、労働力不足を痛感しました。

 

労働者不足とホスピタリティ 

先日こんなことがありました。コンビニでコーヒーのLサイズを購入しました。コーヒーメーカーのSサイズを2回押すと、Lサイズの量になるのですが、Sサイズを2回押したところ、カップのひたひたまでコーヒーが溢れてしまいました。


それを見ていた店長さんがあわてて駆け寄ってきて、
「それMサイズですからLサイズの量を入れないでください」と言われました。

 

へ、わたしが買ったのはLサイズじゃなかったけ?と思って、購入したレジのアルバイト店員さんを見て、はっとしました。「あっやってしまった」と。

 

この店員さんは日頃からコミュニケーションをとるのが難しい店員さんだったのです。


レジ打ちをしているときに、肉まんを頼んでも通らないことが多かったり、びっくりするくらいの大きな声で「ありがとうございました~」と無表情で叫ぶアルバイトさんで、こちらも気を遣って接していたのでした。

 

カップを渡された時点で、LサイズとMサイズの違いに気づかなかった自分が悪かったことをお詫びしましたが、店長さんは意図的にLサイズを押したのかと思われていたので、レシートを見せてLサイズを買いましたよと説明することになってしまいました。

「取り替えましょうか」とバツがわるそうに、言ってくれました。ひたひたに入ってるだけなので飲めないこともなく、いいですよーと答えました。お詫びがほしいとは思いませんが、あのアルバイト店員さんには、今後何かしらのサポートは必要なんじゃないかと思いました。

 

 

やはりコンビニのように、あれもこれも仕事が多いだけでなく、機転を利かす必要がある仕事には、時給が高くてもアルバイトが集まりにくく、人手不足はかなり深刻なようです。

 

牛丼チェーンにもよく行くのですが、注文をまちがえられることは頻繁にあります。ひとこと「すみませんでした」と言ってもらえさえすれば、気持ちよくお店を後にできるのですが、注文をまちがえた店員さんは、あまりリアクションがありません。

 

お客さんが「ごちそうさま~」なんて言っても、店内はしーんとしたままです。


逆の立場だったら、この沈黙は耐えられないんですけどねー。せっかく仕事をするのであれば、できるだけ楽しんで仕事をしたいので、コミュニケーションは大切にしたいところです。

 

このことからわかるのは、どれだけ条件がよい賃金で募集しても、アルバイトがなかなか集まらず、その結オペレーションを教えるのに精一杯で、お客様を思う心や思いやり、ホスピタリティまでは現場では教育できない実情が見えてきます。

 
コンビニや牛丼チェーンにそもそもホスピタリティは求めてないですけどねー。どれだけ上から目線なんだって言う話ですよ。そんな特別待遇を求めるようなえらいひとではございません。

 

不適切動画の背景 

 

今度は、問題動画の内容に目を向けてみると、やっている内容がとても幼稚です。そして全員が全員ふざけて笑っています。

 

アルバイトに限らず、働くということ自体、時間を拘束され労働が伴うことから、少なからずストレスが存在します。そのため気分転換したり、できるだけ楽しくしながら仕事をしたいと思うのは当然の心理です。

 


ただその気分転換や楽しく働くための適切な方法が、わからないからこそ一番原始的な幼稚な言動に走ってしっているように、わたしには見えてしまいました。

 

動画を見る限り、とても動きがスムーズではじめてやったとはどうしても思えず、普段から問題行動は起こっていて、たまたま動画で拡散されただけで、いいかえればどこのお店で同じような幼稚なおふざけ行動が起こっていても不思議ではないと思うのです。
 

自己顕示欲

 では、普段の内輪だけのおふざけであれば、社会的制裁をうけることはないのに、なぜ動画として公開しようとするのでしょうか。

 

そこには自己顕示欲があると思います。

 

東証一部上場企業で、CMでもよく見る企業のアルバイト従業員になると、制服が貸与され、企業の一員としての自覚が生まれます。自覚と同時に企業の社会的地位を同じ組織である自分に投影しがちです。

 

普段の自分だったらやらないことでも、有名企業の制服に身を包むと、気が大きくなってついやってしまうこともあります。逆に、有名企業であっても自分は自分であるということの表現方法をまちがえて、大企業にも負けない自分をアピールすることもあります。

 

動物のオスが自己アピールをするのと同様に、小学生くらいの子がふざけることで注目を集めようとするのと同じように、何らかの実績もなき状態で自己アピールをするには、大企業の虎の威を借りた方がてっとり早いのかもしれません。

 

損害を受けた企業の対応

では、損害を受けた企業の対応はどうでしょうか。企業側は顧客離れを防ぐために、全顧客向けにお詫びの文を発表します。その文章にはこんな言葉が決まって存在します。

 

再発防止のために従業員教育を徹底いたします。

 


先ほどのホスピタティの項でも書いたように、どれだけ労働条件がよくても労働力不足は深刻で、従業員教育を行うといっても、オペレーションの教育で精一杯な現状です。

 

ホスピタリティや道徳心の教育というのは即効性があるわけではなく、学校の道徳教育のように長年にわたって教育することで、一般的には背が伸びるのと同じように少しずつ変容が見られるものです。

 

このことから再発防止教育の中身によっては、再度同じような問題が発生し、さらなる信用低下の危険性をはらんでいるように思えるのです。

 

企業イメージ

 企業にとって、一般の人が自分の企業に持つイメージ、企業イメージの向上に非常に注力しています。そのため芸能人の清廉なイメージを利用して、年間数億から多いところでは数百億規模の、企業広告を制作して、世間に自分の企業イメージを構築しようと日々努力を続けています。

 


経営陣とはほど遠いアルバイトで従業員であっても、この膨大なコストをかけて、企業イメージの構築に努力しているという事実は知っておくべきなのかもしれません。

一度問題動画投稿が行われると、この企業広告の効果が激減し、企業イメージは悪化します。最悪の場合何百億分の信用が失墜するリスクをはらんでいます。

 

問題動画を投稿するアルバイトの心理は、自己顕示欲から来るものだと仮定すると、アルバイトの自己顕示欲だけで一流企業の信頼が失墜し、少なくても億単位以上の損害が発生すること、この事実だけであれば、教育で理解することができるのではないかと考えます。

 

ホスピタリティ、道徳心は言い換えれば人間力、人格につながっており、そう簡単に育つものではありません。即効性を求めるのであれば、自分の行動で膨大な額の損害が発生することをわかっているだけでも、アルバイトの問題行動の抑止力になるような気がします。

 

以上わらいどころが一切なかった、かえるがおでした。
うーん、こんなの書くつもりなかったのになぁ。

かえるがおを読んでもらっている方のニーズがない文章を書いてしまいました。

スルー推奨です。

がっくし