続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

柳沢翔×齋藤飛鳥が送るFOD『鳥,貴族』空想と現実の狭間の刹那

現在、動画配信サービス、フジテレビオンデマンド(FOD)では、乃木坂シネマズ~STORY of 46~企画として、乃木坂46のメンバー10人を主演に、10人の映像クリエーターの作品が、毎週公開されています。

信頼できる人から今回の企画の情報を聞き、是非視聴したくなって視聴してみたところ、非常にクオリティが高く芸術的で、驚くほどとても素晴らしい作品でした。乃木坂46の個人PV好きとしては、決して見逃してはいけないと言える作品でした。

今回は特に乃木坂シネマズ~STORY of 46~の中でも、第1話齋藤飛鳥が主演する柳沢翔監督作品、『鳥,貴族』について、個人的な感想をまとめてみたいと思います。

 

齋藤飛鳥『鳥,貴族』
出典:https://twitter.com/fujitvplus(FOD公式Twitter)

 

 

 

乃木坂シネマズ~STORY of 46~各話

第1話『鳥,貴族』主演齋藤飛鳥×柳沢翔監督
第2話『Perfect I/パーフェクトアイ』主演秋元真夏×松本優作監督
第3話『超魔空騎士アルカディアス』主演松村沙友理×藤井亮監督
第4話『民主主義定食屋』主演山下美月×宮部一通監督
第5話『結道』主演北野日奈子×小山巧監督
第6話『納品ウォーズ』主演堀未央奈×曽根隼人監督
第7話『嗚呼!素晴らしきチビ色の人生』主演与田祐希×アベラヒデノブ監督
第8話『ツダモモエ』主演生田絵梨花×山岸聖太監督
第9話『脆弱性』主演久保史緒里×谷川英司監督
第10話『街の子ら』主演白石麻衣×山田智和監督

 

出典:https://www.fujitv.co.jp/nogizakacinemas/

 

乃木坂46×柳沢翔監督作品

齋藤飛鳥さんと柳沢翔監督の組み合わせの作品は、MV『私、起きる。』をはじめ、個人的にはかつて何度か、拝見したことがありました。その時の作品の、様々な原色を組み合わせた色使いの映像美が、今でも強烈に脳裏に焼き付いています。

また柳沢監督はこれまで、乃木坂46とも縁が深く、ファンの人気投票において1位を獲得した16thシングル表題曲『サヨナラの意味』や、白石麻衣初センター楽曲の6thシングル表題曲『ガールズルール』、西野七瀬初センター楽曲の8thシングル表題曲『気づいたら片思い』などの楽曲のMVや個人PV、乃木坂のCMなどを手がけられました。

橋本奈々未センターの初ミリオンの楽曲、エース白石麻衣、西野七瀬初のセンター曲という、乃木坂の歴史上極めて重要な作品で、MVが柳沢翔監督によって手がけられたことは、乃木坂46と柳沢監督の不思議なそして運命的な縁を、どうしても感じてしまいます。

伊藤万理華というアーティスト

個人的に、どうしても忘れることはできないのは、柳沢監督と乃木坂LLC所属の伊藤万理華さんとの組み合わせによる映像作品です。

ふたりのアーティストの融合は、2017年にPlayStationのゲーム『GRAVITY DAZE 2』の『重力猫』のCMで、"ONE SHOW Gold Pencil"、"カンヌライオンズ Gold Lion"という世界3大広告賞を受賞するという、かつて例のない快挙を達成しました。

 

www.facefrog.net

 
受賞した作品は、柳沢監督の映像で特徴的な原色使いのおしゃれな世界観と、ご両親がデザイナーという遺伝子を持つ、伊藤万理華さんの類い希なファッションセンスと融合し、洗練されたセンスの映像美が印象的な作品でした。

おふたりの共演の作品の中でもおすすめしたいのは、ショートフィルム『トイ』という作品です。この作品はなんといっても、洗練されたセンス溢れる映像がとってもおしゃれで、背後から強烈に殴られたかのような、衝撃的な作品でもあります。


月並みな表現ですが、この作品の中で映像に映る、主演の伊藤万理華さんがむちゃむちゃかっこいいです。

女性アーティストに”かっこいい”という表現は、あまり適切ではないのかもしれませんが、そうとしか表現できない映像美と哀愁と刹那感が漂っていて、このひとって本当にアイドルだったのか、と驚いた記憶が鮮明に蘇えります。

アーティスト伊藤万理華さんは、今も変わらず乃木坂LLCに所属されているため、このすばらしい作品はありがたいことに、現在もなお公式YouTubeにて視聴することができます。

もしこれまで『トイ』という作品に触れる機会がなかった方は、非常に衝撃的な映像の世界観に、よかったら触れてみてください。

伊藤万理華『トイ』

出典:乃木坂 46 OFFICIAL YouTube CHANNEL - YouTube

柳沢翔×齋藤飛鳥『鳥,貴族』

今回のFOD『鳥,貴族』という作品もまた、非常に衝撃的な作品です。個人的に『トイ』に匹敵する、いやそれ以上の衝撃が襲いかかってくる作品でした。

柳沢監督の色彩の鮮やかさと、紗がかかった映像のハーモニーだけでなく、映像の構図や映っている人やものの配置、そしてその世界観を彩るほんのわずかな髪の毛1本1本に渡るまで、すべて計算尽くされている映像のように思えました。

映っている情景と、映像から伝わる空気感も含めて、洗練されたセンスの本当に素晴らしい作品でした。


目に映る映像、耳から感じ取る音、見ている者の気持ちに切なく訴えかける世界観、その何もかもが洗練されていてかっこいいです。

また、ファッションモデルでもある共演の栗原類さんの存在感もおしゃれで、同じくトップモデルという一面も持つ、主演齋藤飛鳥という女優との共演が、見た目の映像だけではなく、気持ちのやりとりまで含めて、手に取るかのように伝わる存在感でした。


2人のはなやかな容姿も、言葉がなくても心が通い合えるところも、想像で思い描くような理想のカップルってこんななんだろうな、と思わず見とれてしまいました。

主演齋藤飛鳥との融合

『鳥,貴族』という作品は、齋藤飛鳥という女優さんを描く作品としても、とても優れた作品です。

ファッション誌の印画紙を彩る齋藤飛鳥というトップモデルが、まるでファッション誌から抜け出てして、映像として動いているかにように、とても美しい映像美で描かれています。

映像の一瞬一瞬を切り取ってみると、その瞬間は、まるでファッション誌でよく見る飛鳥ちゃんの類い希な美しさと、ファッションモデルとして評価されている表現力、そのものを表しているかのように思えます。

 

www.facefrog.net


もともと齋藤飛鳥さんという女優さんは、空想と現実の狭間を表現する能力に卓越している女優さんです。

主演作の映画『あの頃、君を追いかけた』では誰もが青春時代に経験したであろう、記憶の中の淡い思い出の中に、いつまでもいつまでも生き続ける女の子像を演じ、見ている者を惹きつけて放しませんでした。

10thシングル『何度目の青空か?』収録の個人PV『水色の花』では、父親が亡くなった虚無感の中に漂う女の子の表現が、どこか実在していないかのような、空想と現実の狭間の存在感を醸しだしていました。

ちなみにこの作品は2015年に作られた作品ですので、飛鳥ちゃんは当時まだ16歳です。16歳であっても、すべての瞬間が美しく芸術的で、まるでアーティスティックな写真集を見つめているかのようでした。

 

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出典:乃木坂 46 OFFICIAL YouTube CHANNEL - YouTube


今回の作品は、柳沢監督独特の彩り鮮やで洗練されたセンスの世界観と、紗がかかった幻想的な空気感が、物語が現実のものではないこと雄弁に物語っていて

空想と現実の狭間を表現することに長けている齋藤飛鳥という女優さんの表現力と相まり、本当にすばらしい作品となりました。

個人的には飛鳥ちゃんの存在感に、なぜかいつも心を揺り動かされてばかりです。

『トイ』という作品との共通点

今回の『鳥,貴族』という作品の感動は、かつて柳沢監督が伊藤万理華とのコンビで制作された名作『トイ』という作品の面影を色濃く感じます。

そういえば、かつて飛鳥ちゃん自ら『トイ』の主演である伊藤万理華さんの私服の趣味が好き、と乃木坂工事中の中で語られていたことがありました。

最近の飛鳥ちゃんの私服も、大きめのシルエットにモノトーンや原色を見事に使った、よく似合うファッションセンスで、服の系統が万理華さんともよく似ているように思います。

あんな洗練されたファッションセンスは、とうていわたしレベルにはまったく思いつきませんので、2人の共通の話題として私服の話で、かつてはきっと互いのファッションセンスを磨かれていたことでしょう。

 

万理華さん主演作品と、飛鳥ちゃん主演作品の根底に流れる世界観に共通項を見出してしまうのも、このような背景があるからなのかもしれません。

齋藤飛鳥 万理華の私服の趣味が好き
出典:テレビ愛知『乃木坂工事中』#051


2つの作品は、作品の芸術的な洗練されたセンス、そしてもれなく見終わった後に襲いかってくる、飛鳥ちゃんが好きな貫井徳郎さんや安部公房さんの作品のような重厚感で、気持ちが押しつぶされ沈んでいく感覚もまた、よく似ているように思います。

伝えようとしていることは、決して直接的なメッセージではなく、見る側のそれぞれに解釈を委ね、そのすべての解釈を集めてみても、決して正解は見つからないかのような感覚、

そして映像とは思えないかのような、アーティスティックなクオリティの高さについても、2つの作品の共通点としてあげておきたいと思います。

まとめ

今回『鳥,貴族』という作品に魅了されて、つい記事にまとめてしまいましたが、まとめとしてとても重要な点について、触れておく必要があります。


それは今回の記事で書いたことは、あくまで1ファンとしてのわたしの作品についての個人的な見解でしかないということです。

わたしレベルでは、柳沢監督の芸術性や齋藤飛鳥という女優さんの表現力の、ごくごく一部しか、気がつくことができないでしょう。

正直わたしでは、本当は映像で表現された表面的な事象しか理解できず、本来の物語が表しているものまでは、決してたどり着くことはできません。

FODでは現在初回登録時1か月無料で視聴することができますので、FODの契約をされていない方も、もしよかったらこの機会に加入されて、この作品の世界観に浸ってみてもらえるとうれしいです。

そしてみなさんはこの作品をどのように感じて、その世界観をどう受け止められるのか、是非聞いてみたいです。


最後になりましたが、すばらしい作品を提供いただいた柳沢監督、飛鳥ちゃん、共演者のみなさん、スタッフのみなさん、本作品に関わられたすべての方に感謝して、今回のかえるがおはおしまいです。

個人的には、なぜかかつての乃木坂メンバーだった、懐かしいメンバーの風を、不思議なことに感じてしまいました。


次の作品も、楽しみにしています。素晴らしい作品をありがとうございました。