年末の風物詩と言えば、日本レコード大賞と紅白歌合戦です。
いまや乃木坂46の出演は当たり前のように思ってしまいがちですが、年末の最後まで乃木坂46のパフォーマンスを見れることに、どうしても感謝の気持ちを抱いてしまいます。
今回は惜しくも3連覇を逃しはしたものの、日本レコード大賞の場にふさわしく、他の有名アーティストに決して負けない、圧巻のパフォーマンスを見せつけた乃木坂46のパフォーマンスを、新しい時代の幕開けというキーワードとともに振り返ってみたいと思います。
出典:TBS『第61回 輝く!日本レコード大賞』
新しいパフォーマンスのかたち
23rdシングル「Sing Out!」は齋藤飛鳥センターの楽曲で、乃木坂9作目のミリオン楽曲として、ファンの人気を集める楽曲です。
本来この楽曲はストリングスの音色の中に、センター齋藤飛鳥をはじめ乃木坂46のメンバーが優雅にかつしなやかに舞い踊るパフォーマンスの楽曲でした。
振り付けは、前々回の『インフルエンサー』前回の『シンクロニシティ』と同じくSeishiroさんです。
出典:TBS『第59回 輝く!日本レコード大賞』
てっきり日本レコード大賞でのパフォーマンスは、前回の『シンクロニシティ』を踏襲してしなやかで、魅せる演技でのパフォーマンスだと思っていました。
しかしレコード大賞での『Sing Out!』はオリジナルのストリングスの奏でるハーモニーではなく、ギターベースドラムを前面に出した、新しいアレンジの楽曲として披露されました。
この楽曲をご存じないという方も、今日はよかったら手拍子をしていただけたらすごくうれしいです。齋藤飛鳥
パフォーマンスを味わった後、センター齋藤飛鳥が曲紹介で話した言葉の意味がようやくわかってきたような気がしました。
ギターは音色を奏でる弦楽器であると同時に、リズムを奏でることが得意な打楽器の側面もあります。ストリングスと比べて、ギターとドラムが全面に出ることで、楽曲にリズム感が生まれます。
クラップのリズムも相まって、乃木坂46のパフォーマンスは、これまでの優雅さとしなやかさにプラスしてそこには明るい笑顔でのパフォーマンスがありました。
パフォーマンスの時間を慈しんで本当に楽しんでいるようなパフォーマンスは、言い換えれば嫌なことや、つらいことも、長年の努力も包み込んで、わたしには幸せを表現しているようなパフォーマンスに見えました。
『インフルエンサー』でダンススキルを、『シンクロニシティ』で優雅さとしなやかさをそして『Sing Out!』で内面の美しさをファンに向けて届けるパフォーマンスを、
乃木坂46のパフォーマンスが、またひとつ新しいステージに達したことを意味しているかのようでとてもまばゆいパフォーマンスでした。
新しいメンバーのかたち
結成8年を迎え、乃木坂46にとって2019年は正念場の年であったことはまちがいないでしょう。原因はメンバーの大量離脱。
メンバーごとにそれぞれの理由はあったとしても、新しい乃木坂を早急に構築すべき1年だったと思います。
そんな中で確実に、新しい芽が新しい乃木坂を彩りはじめていることが、今回のパフォーマンスでもよくわかりました。
楽曲の紹介でフロントに1期生、2期生堀未央奈と並んでいるのは、3期生Wセンターだった大園桃子そして与田祐希というメンバーです。
18thシングル『逃げ水』のWセンターの時と比べ、多くの経験を経てとてもたくましくなって乃木坂のフロントに並んでいることに、今や異論の声はまったくありません。
そしてキャンディーズの伊藤蘭さんとのコラボパフォーマンスで中央に立っていたのは
齋藤飛鳥、白石麻衣、堀未央奈、そして山下美月という3期生のメンバーでした。
コラボ楽曲のため、楽曲でのポジションとは関係なく、フォーメーションが作られることを考えると、現時点で関係者の評価がかなり高いメンバーであることがわかります。
公式モバメでは"3期生のエース"という形容詞で表現されるこのメンバーについて、以前本ブログでは、準備して仕上げてくる努力型メンバーという表現を使っていました。
まじめで努力家というところは惜しくも卒業してしまった若月佑美を彷彿とさせ
小悪魔な露出多めの釣り対応は、キャプテン秋元真夏を彷彿とさせるメンバーとして、努力が実り、乃木坂を支えていくメンバーへと時代が変わっていったことを感じました。
デビュー当時から人気があったにもかかわらず、3期生Wセンターの『逃げ水』では選抜に選ばれることはありませんでした。
やっぱり乃木坂のエースと呼ばれる存在は、プロデュース側の意図ではなく、実力を蓄え、ファンに選ばれるメンバーだったんだとの気持ちを新たにしました。
新しいセンターのかたち
前回、前々回のレコード大賞と、もうひとつ大きく異なる点があります。
それは、センターが齋藤飛鳥というメンバーだったということです。
白石麻衣、西野七瀬の2人のエースから渡されたバトン
齋藤飛鳥というメンバーももはやエースと呼ぶにふさわしいメンバーです。
齋藤飛鳥というメンバーもまた、乃木坂きっての苦労人です。
デビューシングルで選抜入りを果たすも、その後は期待されながらもアンダーで過ごすことが多くなり、初めてフロントメンバーになったのは、ご自身初のセンターでもある15thシングル『裸足でSummer』までの長い月日が必要でした。
いくつものファッション誌の表紙を飾る、トップモデルとして評価されている表現力。メンバーの細かな変化に気づく感受性。そしてどんな人にでも合わせることができるやさしさに加え、負けず嫌いで乃木坂をいちばん愛する熱い思いをもったメンバーです。
デビューからここまでの努力は本当に長い道のりでしたが、日本レコード大賞の楽曲で単独でセンターを務めることになるなんて、数年前では本当に夢のような話でした。
レコード大賞の出番の数分前に、久しぶりに熱い思いのモバメが飛鳥ちゃんよりファン宛に届きました。自分の胸の内を率直に表したそのモバメは文学少女らしく、何度も何度も推敲を重ね、しっかり考えられた文脈だったことでしょう。
気持ちをしっかり綴られた文章はきっと、出番の直前に送るためにきっと準備されていたと思います。タイムラグまで計算して、見事なタイミングで手元に届きました。
わたしレベルでは1度読んでみても、すべてを理解することができず、何度も何度も反芻するように読ませていただきました。
本当はここで紹介して、1人でも多くのみなさんに読んでもらいたいのですが、モバメの利用規約の中に公開できないことが明記されていますので、公開できず本当にすみません。
わたしは『Sing Out!』パフォーマンスを見終わった後に、飛鳥ちゃんの文章をもう一度読み返し、その意味が少しだけわかったような気がしました。また、折に触れて何度か読み返し、大役に挑む飛鳥ちゃんの気持ちを、一緒に共感できたらと思います。
新しいセンターとして、大役を見事に果たした乃木坂46のセンター齋藤飛鳥。
個人的には、齋藤飛鳥という存在を表す呼び方として、
以前から"あすかりん"さんという呼び方がぴったりだと思っていたのですが、すてきな女性として成長された現在、"あすかりん"さんという呼び方は失礼だと思うようになりました。
あしゅから、あすかりんへ、そして飛鳥ちゃん、唯一無二の齋藤飛鳥へ
これからもまた、成長され続けていくことでしょう。
その過程を見守ることができるのが、またこれからのわたしの幸せでもあります。
まとめ
惜しくもレコード大賞を逃してしまった乃木坂46。
しかし、まったく気にすることはありません。
あくまでレコード大賞ですから、受賞曲と『Sing Out!』を比べると、の現時点でのCDの売り上げ枚数で約10倍の差をつけていることがわかります。
15歳以下の児童を夜間に電話で出演させることができたことから、2020年のオリンピックを盛り上げる意味での、今年のレコード大賞受賞曲だったことでしょう。時が満ちていなかった、ただそれだけです。
大切なのは結果ではなく、まぎれもなくその過程です。
忙しい年末の時期に、新しいアレンジと新しいパフォーマンスのかたちを
完成度高くパフォーマンスされた『Sing Out!』
きっとファンの脳裏に刻み込まれたことでしょう。
すばらしいパフォーマンスを努力で作り上げた経験は、乃木坂46のメンバーにとって財産であり、今後の大切な場面で貴重な経験として必ず生きてきます。今は気がつかなくても、未来の乃木坂にとって必要な経験だと気づく日がやってくるのではないでしょうか。
日本レコード大賞での『Sing Out!』のパフォーマンスと同じように、未来へ向かって上を向いて進んでいきましょう。
来年の同じ舞台で、乃木坂46のパフォーマンスを見てみたいと思った2019年の年末の出来事でした。
2019年もかえるがおをお読みいただきありがうございました。ぜんぜん更新しないのに、本当に感謝しています。
2020年はみなさまにとって、自分らしさを発揮できるよい年になりますように願っています。
追伸 すっかり書くのをわすれてましたが、個人的にはブレスの前に目を閉じて歌詞を愛おしく表現する様子に震えました。
第61回輝く!日本レコード大賞優秀作品賞 乃木坂46『Sing Out!』