続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

坂道グループとAKBグループのファン層の違いから見えてきた未来

あの2018年の坂道合同オーディションからわずか1年。2019年9月、坂道グループに新たに15名が研修生として加入することが発表されました。

前回の合同オーディションでは、乃木坂に4期生として11人、欅坂に2期生として9人、日向坂に3期生として1人が加入したのが記憶に新しいところです。

未来の坂道グループを担う新しいメンバーはどんなメンバーなのでしょうか。

研修生のメンバーの話題は、アイドルに造詣が深い、ほかのファンブログさんにお任せするとして、今回のかえるがおはちょっと趣旨が異なります。

前回のメンバーの加入からわずか1年で、メンバーを増やしていく坂道グループの戦略について、同じプロデューサーが手掛けるAKBと比較しながら考えていくという話題です。

もちろんいつものように、ただの乃木坂ファンが思っただけのことを、残しておくだけの記事です。そのため、本文は乃木坂46中心になってしまうことをお許しください。できれば、ハードルは低めであたたかい目でお読みいただけるとうれしいです。


出典:テレビ愛知『乃木坂工事中』#113

 

 

1期生メンバーの大量離脱

なぜ、短期間でメンバーを増やすのか、乃木坂46のプロデューサー側の意図から考えていきたいと思います。

短期間でメンバーを増やしていく戦略には、2つの意図が考えられると思います。

1つは特に乃木坂46に当てはまるのですが、これまで国民的アイドルグループになるためにグループをけん引してきた1期生の大量離脱が原因だと思います。

これまで努力を重ねて国民的アイドルグループまで駆け上がってきた、乃木坂46の1期生が結成から8年がたった今、メンバーのグループからの卒業が相次いでいます。本当にさびしい限りです。

メンバーが卒業を決断するには、必ずなにかしらの理由があるはずです。

1期生が大量離脱するには意味があり、新しいメンバーが次々と加入し、グループ内での存在意義に危機感を抱いているメンバーが多いからではないかと、以前の記事に書かせていただきました。
 

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過去最高の36人が在籍した1期生も、現在はわずか11名に減ってしまいました。直近1年間で見てみると、若月佑美、能條愛未、川後陽菜、西野七瀬、衛藤美彩、2期生の伊藤かりん、斉藤優里、桜井玲香(敬称略)と1期生7人、2期生1人の計8人が、乃木坂46を卒業されていきました。

乃木坂結成からの長い歴史の中で、これまで少なかったグループからの卒業が、昨年から急に増えたのは、メンバー共通のなんらかの理由があると思った方が自然です。

 

今後もメンバーの離脱傾向を踏まえて、至急メンバーを追加する必要があり、短期間で研修生の加入に踏み切ったと考えられます。

ただしこのことは、プロデュース側は、メンバーの卒業を補うために新しいメンバーを増やし、新しいメンバーが増えることで、結果的にグループ内での従来の居場所が奪われ、既存のメンバーが次々と卒業していくという、負のスパイラルに陥るリスクがあることも、大切なことなので付け加えておきます。

未来のグループを支えるメンバーの育成

2点目の理由として、乃木坂46をAKB48のように、グループという受け皿は変えないまま、メンバーを入れ替え新陳代謝しながら、長くアイドルグループとして存続させたいという、プロデュース側の強い意図を、とても強く感じます。

大勢のメンバーがいる分だけ、大勢のアイドルファンを囲い込みすることができますので、ある程度の数のメンバーがいることが、あんまりよくない表現で申し訳ありませんが、このアイドルグループのビジネス戦略だと考えられます。

長期的な視点に立った場合に、今後のことを考えて年齢の低い世代のメンバーを加えて育てていくことで、未来も国民的アイドルグループとして、アイドル業界に君臨し続けようとするプロデュース側の意図を感じます。

サプライズで実績がないメンバーをセンターに抜擢する戦略も、センターに起用された加入直後のメンバーの知名度が上がり、人気メンバーへの階段を駆け上がるチャンスにもなります。

加入直後のメンバーは今後のアイドル活動の期間も長く、人気が出ることで長期的に安定して、グループの価値を高めることが可能です。

プロデューサー側は坂道グループに対して、このような戦略で挑んでいるように、わたしには思えます。


もちろん、実績がない加入直後のメンバーの抜擢は、これまでの既存のメンバーの努力に報いる人事ではないため、メンバーのモチベーションが下がるリスクや、ファンの気持ちが離れてしまうリスクがあることもまた、非常に大切なことなので付け加えておきます。

日本の企業は、企業がかかわるコンプライアンスには敏感ですが、個人に対するコンプライアンスは重視しないという記事を、NGTの問題と極楽とんぼさんの例から、以前2つの記事を書かせてもらいました。

どうもプロデューサー側は、アイドルグループに所属するメンバーの気持ちやファンひとりひとりの気持ちにとても鈍感で、そしてメンバーの人権に対する意識が低いようにどうしても感じてしまいます。

メンバーは決して、使い捨てではありません。ひとりひとりのメンバーそれぞれの人生について、どう考えているのか、聞ける機会があればできれば聞いてみたいと常々思っています。

 

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もちろんこれはアイドルグループの運営側ではなく、プロデュース側に感じてしまう疑念です。

特に乃木坂の運営側はプロデュース側とは異なり、メンバーとの距離が近くアットホームで、メンバーのアイドル活動を後押しする存在のように思えます。1ファンとして、わたしも過酷なアイドル活動を後押しできるような存在になりたいと思っています。

 

AKBグループのフランチャイズ展開

このようなアイドルグループに対する考え方は、同じプロデューサーが手がけるAKBグループとまったく同じ手法です。だた、そもそも坂道グループと、AKBグループでは、アイドルとしての立ち位置が根本的に違うように思うのです。

現在、AKBグループは姉妹グループもあわせて、国内に6グループ(SKE48、NMB48、HKT48、NGT48、STU48)海外に6グループ(JKT48、BNK48、MNL48、AKB48 Team SH、AKB48 Team TP、SGO48)存在し、さらに拡大を続けているそうです。

AKB発足当時は、秋葉原を拠点とするアイドルグループでした。この点は都内の坂道の名前を由来とする坂道グループと同じようなコンセプトだったと思います。

 

ただしAKBグループは、2008年SKEの拠点を名古屋に置いてから、全国に展開していくことになります。

当初は秋葉原に由来するアイドルグループだったAKBが、プロ野球チームやサッカーチーム、プロバスケットチームのように地方にフランチャイズ展開するという、アイドルグループの役割を変えたことになります。

全国にフランチャイズ展開により、AKBの姉妹グループはそれぞれの地域にとって欠かせないアイドルグループとなりました。

より地域と密着してNGTの話題でも有名なように、公的な地方自治体自体がアイドルグループと契約をするなど、その地方にとってなくてはならない存在となりました。

地元密着で地方展開することで、アイドルファンだけでなく、自治体のように地元を愛する層にまでファンを拡大し、そしてファンの総数を拡大してきたという経緯があります。

秋葉原に由来するAKBは、確かに東京秋葉原を地元とするアイドルグループなのかもしれませんが、それよりも地方にフランチャイズ展開した姉妹グループにとって、それぞれのグループの人気メンバーを集めた、いわばプロ野球のオールスター戦的な意味合いがプラスされたように思います。

AKBグループと坂道グループのファン層の違い

現在CM業界でもよく見かける乃木坂46ですが、楽曲の売り上げ枚数でAKBと比較して見ると意外な事実が見えてきます。

AKBが発売した55thシングル『ジワるDAYS』の売り上げ枚数が1,306,971枚、乃木坂23rdシングル『Sing Out!』の売り上げ枚数1,214,093枚と、AKBの方が売り上げ枚数が多いことがわかります。

これは、乃木坂結成当初から比較しても、終始一貫してAKBのシングルの方が売り上げ枚数の方が多い傾向にあります。

現在の乃木坂46は、AKBと比較してシングルの売り上げ枚数で負けてしまうような、人気がないグループなのでしょうか。 

乃木坂メンバーの写真集が売り上げ上位を独占し、多くの企業のCM起用され、ファッション誌の専属モデルを多数輩出している乃木坂よりも、現在もなおAKBの方が売り上げ枚数が多い理由は、売り上げ枚数の内訳から理由が見えてきます。

 

AKB 1,306,971枚 (通常版178,992枚  劇場盤1,127,979枚)

乃木坂1,214,093枚    (通常版577,978枚  forTUNE盤636,115枚)

出典:http://muranokuma.cocolog-nifty.com/blog/cd_1/index.html

 

muranokuma.cocolog-nifty.com


劇場盤とforTUNE盤というのは、それぞれアイドルメンバー握手できる、個別握手会の予約時に一緒に購入するシングル盤のことを指します。

この数字からわかることは、AKBはシングルの売り上げのほぼ大半を、メンバーとの握手券の予約購入盤がしめている一方、乃木坂は握手券の予約購入盤と一般発売の割合が同じくらいだということがわかります。

21stシングル『ジコチューで行こう!』、22ndシングル『帰り道は遠回りしたくなる』では、通常版の方が売り上げ枚数が多いほどです。

このことは楽曲そのもの、もしくはグループ自体が世間に認められ、握手会めあてではないファンが楽曲を購入しているということを意味します。

確かに乃木坂の場合には、通常版でも全国握手会に参加できますが、個別握手会と比べ開催日数が半分しかなく、かつ個別握手会と比べると握手の時間は極端に少ないので、メンバーとの握手会に参加したい場合には、forTUNE盤を購入することでしょう。
 

それだけアイドルグループといえば一般的にイメージされる握手会に参加するアイドルファンではない、握手会に参加を求めていないごく一般的なライトなファンが多数存在するのが乃木坂46の特徴と言えます。

従来のアイドルファンと地元密着型で、ファンの総数を増やしてきたAKBに対して、アイドルファンだけでなく、世間一般にまでファン層を広げた乃木坂の構図が見えてきます。

かつての国民的アイドル

現在の乃木坂46と同じように、アイドルファンだけでなく世間一般に認められた国民的アイドルグループを考えてみると、神7がいた頃のかつてのAKBのほか、男性グループではありますが、嵐やSMAPがあげられます。

ただしその後AKBと、ジャニーズの男性アイドルグループは、対照的な未来を描くことになります。

あれだけ世間を席巻して、テレビや雑誌で見ない日がなかったAKBは、神7と呼ばれたメンバーの卒業で、残念ながら当時の勢いがなくなってしまいました。

一方嵐やSMAPは結成当初から現在まで、世間一般に幅広く認められ、今もなお好感度調査で上位を占めています。

この両者、AKBとジャニーズグループの一番の違いは、メンバーの入れ替わりがあるかないかだと思うのです。

一般的な感情移入の仕方

確かに生粋のアイドルファンであれば、新しいメンバーが加入すると、すぐにお気に入りのメンバーを見つけ、既存のメンバーと一緒に複数のメンバーを推しメンとしながら、応援していくことができるでしょう。

ただ、新しく加入したメンバーが、アイドルファンではない一般的なファン層の支持を得ることは、とても大変な作業です。

乃木坂が国民的アイドルの坂を駆け上ることができたのもつい最近のことで、一般的なファン層の心をつかむにはとても時間を費やし、結成から長い期間をかけてようやくやっと、国民的アイドルという地位にたどり着きました。

アイドルグループをプロデュースする側と、根本的に考えが異なるのはこの点です。

わたしをはじめ、もともとアイドルファンでなかった乃木坂支持層は、大勢のメンバーのファンにはなれません。

ましてや加入直後のメンバーの努力に感情移入するためには、どんなにサプライズでセンターに抜擢するようなファン層を拡大する演出をしようと、乃木坂1期生が努力してきた期間と同じような期間が必要です。

タレント好感度調査の過去の結果を見るとよくわかるとおり、好感度上位のタレントさんの入れ替わりはとても少ないことがわかります。

一般的なイメージでは、乃木坂イコールあの努力を続けてきたメンバーのことをさします。

あえてはっきり言わせてもらうと、
そう簡単に誰でも好きにはなれないのです。

神7が卒業してかつての勢いを失ったAKBのように、乃木坂もプロデューサー側の思惑通りに、メンバーの入れ替わりで新陳代謝を進めていった結果、世間一般的なファン層を減らしてしまい、かつてのAKBと同じ道をたどらないことを切に願う限りです。

 

まとめ

今回はAKBグループと坂道グループのファン層の違いをまとめてみました。

この記事でかんちがいされたくないのは、新しく加入されたメンバーについての批判ではないことです。それどころか、まったく正反対です。

新しく加入されたメンバーには責任は全くありません。プロデュース側の意図の通りに、現実の荒波に翻弄されているだけだと思います。

すでに国民的アイドルグループに加入することへの葛藤もあるでしょうし、加入直後に抜擢されたら抜擢されたプレッシャーははかりきれないことでしょう。

初代センター生駒里奈、2期生センター堀未央奈、そして3期生大園桃子、与田祐希(敬称略)というメンバーは、抜擢されたからこそ、その後つらい風当たりを乗り越えてきたすばらしいメンバーです。

加入直後にサプライズで抜擢された側にとっても、その後厳しい道のりを歩むことになり、既存のメンバーにとっても、長年の努力を否定されたような気がしてしまう、サプライズの選抜人事は、すべてのメンバーを苦しめているように思えます。
 

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その点において、個々のメンバーにやさしくないなぁと嘆くだけです。

アイドルグループの一番の財産はまちがいなく、過酷な環境を気持ちを切らさず努力で乗り越えているメンバーであるはずです。

せめて身内のプロデューサー側は、個々のメンバーにやさしい存在であってほしいと願うばかりです。

以上一方的な意見をまとめただけの記事でした。こんなに長い文章を最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。自己嫌悪に陥りそうです。がっくし。