こん○○は、かえるがおです。
今回はNHKの朝ドラ「ひよっこ」の話題です。
「ひよっこ」は茨城の山奥の奥茨城村から出てきた主人公谷田部みね子を、「あまちゃん」で若い頃の小泉今日子さん役を演じてブレイクした、有村架純さんが演じるNHKの朝ドラです。
当初は視聴率が振るわないといわれていた「ひよっこ」ですが、放送の回数を経る度に視聴率が上昇傾向にあり、現在では20%を超える日も珍しくありません。
今回は、朝ドラ「ひよっこ」の魅力について考えてみようという企画です。
どんどん視聴率が上がってきた「ひよっこ」ですが、物語が進むにつれて、注目度が増して、視聴する人がどんどん増えているようです。実はわたしも途中から見るようになった1人です。 昭和の中頃の戦後の話ということで、映画の「ALWAYS 三丁目の夕日」のようなノスタルジックな雰囲気の作品なのかなと、放送当初から気になっている作品ではありました。 ただ、おかげさまで最近毎日忙しくさせてもらっているので、その結果テレビの視聴時間が大幅に減ってしまい、現在はリアルタイムで見るテレビ番組はなく、録画視聴をするのも「モヤモヤさまぁ~ず」「水曜日のダウンタウン」「乃木坂工事中」と乃木坂メンバー出演番組くらいに減ってしまっていました。 毎日放送される連ドラ視聴には、どうしても時間がかかってしまうため、なかなか見ようとは思わなかったのですが、ひょんなことから1回目を見たとたんに、すっかり「ひよっこ」にはまってしまいました。 では、なぜ「ひよっこ」という朝ドラにひかれてしまったのか、冷静に考えてみると、まず主人公「みね子」役の有村架純さんの存在があげられます。 有村さんのドラマの中での存在は、とっても素朴で笑顔がよく似合うみね子像に本当にぴったりです。 有村さん主演の映画「ビリギャル」も見ましたが、やっぱり有村さん表現が一番うまいのは、現代的な女性より昔ながらの素朴な存在感をリアルに表現するのが得意な役者さんのように思えます。 有村さんの素朴さを見ているとやっぱり、「あまちゃん」での主人公天野アキの母親春子(小泉今日子)の若い頃を演じた時と、どうしても面影が重なってしまいます。 時代背景は今回の作品のほうが「あまちゃん」と比べると10年くらい前の世界を描いているのですが、高度成長期に奥茨城、北三陸からやってきた当時の女の子像が、両作品ともに有村さんの素朴な存在感にぴったりです。 「あまちゃん」で親子の確執を演じた夏ばっぱこと、宮本信子さんも主人公「みね子」が務める「すずふり亭」の店主を演じていることもあり、2人の掛け合いはまるで「あまちゃん」を見ているかのようで息がぴったりです。 昭和30年代後半の時代背景に合わせたセットに、この2人が佇むだけで、当時の高度経済成長期の普通の庶民の生活が、ありのまま再現されているかのような、ドラマの世界観に引き付けられる魅力を感じてしまいます。 また「ひよっこ」の登場人物の一人である南海キャンディーズのしずちゃんこと、山崎静代さんにも同じノスタルジックな雰囲気を感じます。 また、語弊はあるかもしれませんが、しずちゃんの笑顔と有村架純さんの笑顔はよく似ているような気がします。容姿が似ているというよりは、素朴なノスタルジックな雰囲気がとっても似ているような気がします。 朝ドラ「ひよっこ」の魅力は、この郷愁漂うノスタルジックな味わいにあるのではないかと思います。 たしかに、「ALWAYS 三丁目の夕日」とか「新横浜ラーメン博物館」のような昭和の街並みに、日本が元気だったころの懐かしい雰囲気を感じるのかもしれません。 それは 2013年に同じようにノスタルジックな雰囲気の郷愁に誘われる民放のドラマがあったことを。 ギターの弦は6本であること、 連続テレビ小説 ひよっこ 完全版 ブルーレイ BOX1 [Blu-ray]
出典:NHK総合、BSプレミアム「ひよっこ」
ひよっこの視聴率が上昇中
「ひよっこ」を見るようになったのは、つい3週間ほど前からです。
前回の朝ドラの作品で88作目の「あまちゃん」以来続けてきた、朝ドラ視聴をついにやめてしまいました。※理由はももクロのカテゴリの記事に書いてあります。
これまでの録画視聴の習慣を、ハードディスクレコーダーが覚えていたようで、自動的に1回目から保存をしてくれていたことに気が付いたのが、ほんの1か月くらい前のことでした。
それからというもの、寝る時間を削ってまで1話から最新話まで一気にまとめて見てしまい、今では毎日見るのが日課になってしまいました。有村架純さんの素朴さ
ドラマの中でみね子は茨城弁で話すのですが、セリフで話すという感情表現以外に、すねたり、笑ったり、心配したり、悲しんだりという感情が、佇まいや表情、そして存在そのもので、雰囲気から感情が伝わってくるかのようです。
特に「ひよっこ」では、ナレーターが、マラソン解説でおなじみの増田明美さんで、とっても素朴で素直な語り口と合わさり、みね子がそこにいるだけで、素朴な感情が伝わってくるのが、この作品の大きな魅力ではないでしょうか。夏ばっぱとヤング春子の面影
また、当時のファッション、髪型、ビートルズ人気に代表される当時の文化の中に息づく、当時の人のリアルさが伝わってくるかのようです。しずちゃんの笑顔とみね子の笑顔
映画「フラガール」でも、高度経済成長期の女の子を等身大の自然な姿で演じたしずちゃん。
正直セリフの言い回しが特別うまいわけではないと思うのですが、不器用に無骨にそして素朴に笑顔を見せるだけで、あっという間に当時にタイムスリップしてしまうかのような錯覚を覚えます。
映画「フラガール」は昭和40年を描いていますので、今作昭和41年の「ひよっこ」とは1年しか違わないんですね。しずちゃんは笑顔だけで当時の時代背景に違和感なく存在できる珍しい役者さんであることに改めて気づきました。
人懐っこくてやさしそうで、そして素朴で素直で、笑顔だけでノスタルジックな味わいが感じられるという共通点を感じてしまいます。郷愁漂うノスタルジックな雰囲気がひよっこの魅力
舞台に描かれる当時のことを、リアルタイムで知ってるわけではないけど、日本人の魂に刻み込まれた、経験したことがあるかのようななんだか懐かしい、古き良き日本の郷愁を感じてしまいます。
ただ、懐かしい街並みだけであれば、ほかのドラマや映画もありますので、胸を揺さぶるような郷愁を感じる理由にはならないような気がしてしまいます。
しかも個人的には、本当にとーっても懐かしくてほほえましい、心の底から漂う匂いのような雰囲気を感じてしまうのです。
劇中のオルゴールのようなやさしい響きのBGMから
有村さんや出演者の方のやさしい笑顔から
そして増田さんの素朴なナレーションから
目に見える視覚に訴えるものだけでなく、感情に訴えかけるノスタルジックをこの「ひよっこ」という作品から感じたことが、わたしの場合は「ひよっこ」という作品に魅力を感じるきっかけになりました。
懐かしくて、心が温まるようなノスタルジーな記憶。
リアルタイムではなくても、きっとどこかで経験しているかのような哀愁が漂っているんですよ。きっとどこかで経験しているはずです。似たようなノスタルジーな記憶
「ひよっこ」の懐かしさはどこからくるものなのか、どんな似たような経験を以前に体験したのかと考えて1週間ほどたったある日、ドラマの中に出てくるみね子が住むアパートの大家さん役の白石加代子さん、主人公が務めるすずふり亭の近所の中華料理屋さんを演じる光石研さんを見て、急に思い出したことがありました。
そのドラマは、かまぼこ工場に勤めるヒロインが描く漫画の世界の住人が、ひょんなことからこの世界に出てきてしまい、漫画の主人公は自分たちを作り出すヒロインを好きになってしまうというストーリーのドラマでした。
そのドラマは「泣くな!はらちゃん」という作品でした。泣くな、はらちゃん
ヒロインのかまぼこ工場に勤める越前さんを演じたのが麻生久美子さん、ヒロインを好きになる漫画の世界に住む主人公はらちゃんを、TOKIOの長瀬智也さんが演じた作品でした。
漫画に描かれる人物が、本当の世界に出てきてしまうというストーリーだけを聞いてしまうと、なんだかSFチックな現代的な雰囲気に思えるかもしれませんが、漫画の中の住人は昭和感あふれる古い居酒屋に住んでいて、漫画から出てくる長瀬さん演じるはらちゃんの、純真無垢なところといい、赤いスタジャンにフォークギターという風貌といい、とっても懐かしい雰囲気で心温まるドラマでした。
漫画の世界から出たはらちゃんは、この世界でいろんなことを純粋に素朴に学んでいきます。
音楽にはメロディがあるということ
恋をするということ
人を愛するということ
家族の絆ということ
そしてこの世界には争いが絶えないということ
怖い戦争があるということ…
それは幼い子どものような純粋さで、この世界に興味を持って、恋する越前さんのために涙を流しながら訴える様子が、とっても感動に包まれるドラマでした。
ドラマのロケ地は神奈川県の三崎港。都会と違った港のとってもきれいな風景の中で、そして郷愁を誘う素朴なメロディラインのBGMで綴られた物語は、多くの感動を呼ぶ名作となりました。
確かに視聴率が極端によかったドラマではありませんでしたが、放送された当時は数々のドラマ賞を受賞した、名作ドラマでした。
今でもドラマBlu-ray BOXのAmazonのレビューを見る限り、24評価中21が星5つ評価、残りが星4評価とかつて見たことがないくらいの高評価です。
これまで見たドラマの中で、最も記憶に残るドラマが「泣くな、はらちゃん」という郷愁溢れる名作の作品でした。「ひよっこ」と、「泣くな、はらちゃん」の共通点
では、今期の朝ドラ「ひよっこ」を見て、なぜ「泣くな、はらちゃん」を思い出したのかというと、描かれる登場人物の「人のよさ」からくる、素朴でノスタルジックなドラマの雰囲気がとても似ていたからです。
「ひよっこ」ですずふり亭の近所の中華料理屋さんを演じる光石研さんは、はらちゃんでは、ヒロイン越前さんが勤めるかまぼこ工場の工場長でした。
ドラマの中では残念ながら不慮の死を遂げてしまうのですが、心優しいヒロイン越前さんにて、工場長は漫画の世界に描かれ、漫画の世界の住人となり、仲間たちと一緒に仲良く生き続けることができました。
ひよっこでみね子が住むアパートの大家さん役の白石加代子さんは、はらちゃんではヒロイン越前さんのお母さん役でした。
漫画ばかり描いていて、引っ込み思案の女の子を見守る自然体のお母さん役がぴったりで、現実の世界が嫌になって、自ら漫画の世界に逃げ込んだ越前さんを理解する、よき母親像を演じられていました。
主人公みね子の笑顔はとっても素朴なノスタルジー溢れる笑顔で、その笑顔は長瀬さん演じるはらちゃんの無邪気な笑顔に通じるところがあります。
ひよっこのあかね荘に住むアパートの住人と、ちょっと変わってるけど心があったかい宗男おじさんは、はらちゃんで言うところの漫画の世界の住人達です。
クールな女性で、漫画のセリフだから仕方なく「殺すしかないね」と言いながらも、心の中では本当は前向きなことを話したいと思っている奥貫薫さん演じるユキ姉。
ヒロイン越前さんがセリフとしてはらちゃんにしゃべらせる愚痴に「その通り」と相槌を打ってばかりいる役回りの賀来賢人さん演じるマキヒロ。
そんなはらちゃんに、「まぁ、飲んで飲んで」とお酒をすすめる役割の清水優さん演じるあっくん。
はらちゃんの隣のテーブルで笑ってばかりいてセリフもないけど、本当は何に笑っているのか自分でも虚しさを感じている甲本雅裕さん演じる、笑いおじさん。
漫画の世界の住人が醸し出す雰囲気は、まさにひよっこのあかね荘の住人と宗男おじさんが醸し出す雰囲気ととてもよく似ていました。
視聴率は振るわなかった「泣くな、はらちゃん」が名作として、見た人の記憶に残り続けるように、今期の朝ドラ「ひよっこ」もきっと、後世まで見た人の心に残り続ける作品になるのかもしれません。
出典:日本テレビ「泣くな、はらちゃん」
2作品ともに脚本家岡田惠和さん
「ひよっこ」と「泣くな、はらちゃん」の共通点を調べていて気づいたのですが、2作品とも脚本家が同じで、岡田惠和さんの作品だったということがわかりました。
岡田惠和さんといえば、過去の朝ドラ「ちゅらさん」や「おひさま」のイメージが強かったのですが、「泣くな、はらちゃん」も書かれていたんですね。
ハートフルでノスタルジックな雰囲気溢れる、「ひよっこ」はいよいよ終盤に差し掛かります。最後に向けて今後どのように展開していくのか、とても楽しみにしています。
しばらくは「ひよっこ」から目が離せなそうです。
「泣くな、はらちゃん」のような記憶に残る名作になることを願って、今回のかえるがおはおしまいです。