続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

乃木坂46アンダー楽曲の集大成『三角の空き地』

これまで乃木坂46のアンダー楽曲と言えば、80年代の音楽のような、どこかで聞いたことがあるフレーズで、放課後にたたずむ女の子像、恋愛に葛藤する等身大の女の子など、ノスタルジックな哀愁漂う楽曲が特徴だったように思います。

 

哀愁漂う楽曲をパフォーマンスする姿が、アンダーという環境でひたむきに懸命に努力を続けているメンバーとリンクして、乃木坂アンダー楽曲にしかない独特の世界観を醸し出してきた、という歴史がありました。


出典:乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL乃木坂46 『三角の空き地』Short Ver.

 

 

 

乃木坂アンダー楽曲の歴史

ただ、乃木坂のデビュー当初は明るい楽曲も多かったように思えます。


1stシングル『左胸の勇気』、4thシングル『春のメロディ』、5thシングル『13日の金曜日』というような、当初のアンダー楽曲は、明るく笑顔でパフォーマンスする乃木坂アンダーメンバーの様子を見ることもできました。

 

それがいつからか、ノスタルジックな哀愁溢れる曲調の楽曲が多くなり、乃木坂アンダー楽曲の代名詞といえば、切ない等身大の女の子像をイメージするファンも多かったことでしょう。

9thシングル『ここにいる理由』センター伊藤万理華、10thシングルの『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』センター井上小百合、11thシングルの『君は僕と会わない方がよかったのかな』センター中元日芽香、12thシングル『別れ際、もっと好きになる』センター堀未央奈、13thシングル『嫉妬の権利』センター中元日芽香、堀未央奈、14thシングル『不等号』センター中元日芽香と、ノスタルジックな哀愁溢れる乃木坂アンダー楽曲は、最高の時期を迎えます。

 


齋藤飛鳥、中元日芽香、伊藤万理華、斎藤ちはる、能條愛未、斉藤優里…などなど、これまでのアンダー楽曲を、ひたむきな努力で支えてきた、メンバーたちの一挙手一投足が、目を閉じると今なおはっきりと鮮明に思い出されます。

それからしばらく、新しい曲調の楽曲に挑戦してきた乃木坂アンダーメンバーは、新しい曲調の楽曲のパフォーマンスを通して、さらに一回り大きく表現者として成長されたことでしょう。

そしてついに21stシングル『ジコチューで行こう!』のアンダー楽曲、『三角の空き地』で、これまで積み重ねて築いてきた、切ない乃木坂46アンダー楽曲の集大成を迎えることになったと思うのです。

Hiroki Sagawa

作曲にクレジットされているのはHiroki Sagawa・Yasutaka.Ishioのおふたりです。Hiroki Sagawaさんは「三代目J Soul Brothers」や「Flower」などのLDHの楽曲を手掛けられ、板野友美さんにも楽曲を提供されてこられた作曲家です。

乃木坂ファンであれば、11枚目シングルで乃木坂表題曲唯一のダンスナンバー『命は美しい』という楽曲を思い出されるファンが多いことでしょう。

 

またかつて、7枚目シングルのアンダー楽曲『初恋の人を今でも』センター星野みなみ、でも乃木坂に楽曲を提供されていましたので、『三角の空き地』でアンダーへの2度目の楽曲提供となりました。

楽曲から漂うノスタルジー

『三角の空き地』は、まず曲の入り、前奏でピアノとエレアコのコード演奏で始まります。

エレキと違いエレアコのコード演奏は、切ないエレアコの音色を、コードというリズムで表現して伝えることができ、哀愁だけではなく、これから始まる楽曲のリズムを奏でるのにぴったりです。

そのあと、楽曲の全体を通して、象徴的に響く電子ドラムのリズムに合わせて、哀愁溢れるエレキの旋律が追いかけてきます。

 

このエレキの旋律は、かつて体験していなくても、聴く者の心になぜか懐かしく響きます。

70年代頃から使われてきた、エレキのおつりと表現されることもある、進行コードを自由にばらした自由演奏に似たものなのでしょう。

バンドであれば、具体的な演奏内容を決めないでギターに任せると、楽曲に合わせてかっこよく、別の旋律を響かせてくれるのが本当に不思議です。例えば、メジャーコードをばらすとかっこよさを、マイナーコードをばらすと哀愁が漂います。

起源は即興からくるものだと思われ、その即興演奏に憧れ、コピーして演奏してみても、どうしても何かが違うように思えます。言葉で表現できない何か、が足りないのです。

 

きっと生の演奏の計算されていないギタリストの感情を表現しただけで、音符にして譜面を見ながら正確に演奏するという類いの音楽ではない、生きている音楽であるからこそ、音符や弾き方をコピーできても、その感情をコピーできないから、違うのではないかと個人的には思います。

打ち込みであっても同様です。そんな即興に似ている直接心情に訴えかける感覚的な、エレキの哀愁溢れる旋律が響きます。これが『三角の空き地』から、なぜか懐かしい哀愁漂うノスタルジーを感じる理由ではないでしょうか。

 

間奏でギターソロはますますヒートアップし、ソロでアレンジを響かせた後、対照的に2番の最初ではエレアコのコードと電子ドラムのリズムだけの表情で、ボーカルを引き立てる幕開けです。

 

常に切ないボーカルの後ろにはギターソロが流れ続け、その世界観を演出します。

 

センター中田花奈

乃木坂アンダー楽曲の集大成として記念すべき楽曲で、センターを任されたのは、今や貴重な1期生、中田花奈というメンバーでした。

過去の乃木坂メンバーを、フェロモン型、クラシック型、音楽型、ポテンシャル型、感銘型、感動型と各ボーカリストに分類した項目に当てはめると、中田花奈というボーカリストは、フェロモン型に分類できるとボーカリストです。 

 

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高い音を響かせる若い時だからこそ表現できる歌声フェロモンではなく、中田さんの場合には高い音で詰まり、低い音で少しフラットさせるという特徴的な歌声です。

高い音を喉を絞めて独自の発声で歌うというのは、現在のバンドのボーカリストでも流行の歌い方で、その作り込んだ声に独特の哀愁が漂う、その人しか出せない独自の音楽性が高い歌い方でもあります。

 

三角の空き地の主旋律は、マイナーコードで半音上げたり、下げたりしながらその哀愁を表現していますが、そこにセンター中田花奈というボーカリストの特徴とのさらなる相乗効果を狙っているかのように思います。

 

また、中田花奈というメンバーの特色はボーカルだけでなく、かつては長い髪をなびかせることも計算に入れたパフォーマンスも合わせて、フェロモン型パフォーマンスが特徴の、貴重なメンバーでもあります。『三角の空き地』では、古いダンスホールと哀愁漂う演奏が、中田花奈というダンサーがソロで舞う舞台です。

舞姫中田花奈が、思う存分舞い踊る舞台として、これほどの環境はないと思うのです。

 

アンダーメンバー

乃木坂アンダー楽曲には一貫して流れてきたテーマがあったように思います。それは哀愁漂う音楽と、アンダーメンバーの努力との融合ではないかと思います。

そんなアンダー楽曲の集大成とでもいうべき楽曲『三角の空き地』には、個人的に欠かせないメンバーがいました。

それが、1期生能條愛未、川後陽菜、2期生伊藤かりんというメンバーです。


それぞれ、乃木坂のアンダーという舞台で、長年にわたって努力を続けて輝き続けてきたメンバーです。

ひたむきな努力と哀愁が融合しているアンダー楽曲を、高いレベルめ表現するには欠かせないメンバーで、能條さんにとっては最後のシングルでもあり、よく集大成であるこの楽曲に間に合った、と感謝したくなりました。

その後、能條さんは本作を最後に乃木坂を卒業され、川後さんやかりんさんも次のシングルで乃木坂を卒業されることとなりました。現実はとても残酷で、そして儚いものです。

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ファンそれぞれに受け取り方は違う

楽曲は提供された以上は、感じ方は受け手に委ねられるものでしょうから、『三角の空き地』については、ファンの数だけ様々な感じ方や楽曲に対する評価があると思います。

今回まとめた楽曲に対する見解は、音楽にはまったく詳しくない、かえるがおという1人の乃木坂ファンが感じた1つの見解に過ぎません。

楽曲を音楽的に表現するスキルがなく、感覚的な文章になってしまったことがはずかしく、そして申し訳なく思います。もし同じように感じられた音楽に詳しい方がいらっしゃれば、わたしが言いたかったことを、きちんと音楽の用語を用いてまとめてもらえるとうれしいです。

楽曲の歌詞については、わたしには残念ながら、三角の空き地でも、戻れないあの時代(とき)でも、放課後の校庭でも、不勉強でよくわかりませんので、すでに多くの見解が出ている他のファンブログさんでご確認ください。申し訳ありません。


この楽曲で集大成を迎え、ひとつの区切りを迎えた乃木坂アンダー楽曲。次は新しい時代を迎え、新しいメンバーと一緒にどんなパフォーマンスを見せてもらえるのでしょうか。

まさにノスタルジー。この楽曲を聴くたびに、かつて乃木坂アンダーという舞台で、ひたむきに努力していたメンバーが確かに存在していた、二度と戻ることができない日々を、いつまでも懐かしく思っている、わたしが存在することでしょう。

 

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三角の空き地

 出典:乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL乃木坂46 『三角の空き地』Short Ver.