本当に存在したんだ…
すぐ目の前の手が届きそうな距離に佇む
長い間憧れてきた人を見て感じた、率直な感想でした。
今回のかえるがおは、長い間ファンだった齋藤飛鳥さんが招聘された、ファッションショーを見に行った感想を残しておくだけのおはなしです。
検索エンジンでお名前を検索されたときに、わたしなんぞの記事が検索でヒットしないように、そして数多くの仕事のほんの1つを見た感想でしかない記事が、ずーっとWeb上に残ったりしないように、お名前はできれば伏せたいのですが、お名前を書かないと、成立しないお話なので、今回は思い切ってお名前を書かせていただきました。
タイミング
タイミング、「時期」「機会」と訳しても同じ意味合いになります。
なんかおちゃらけたいつもの文章で書く予定だったんですが、指が勝手にこんなまじめ系な文章を書いちゃってますが、続けますね。
何事もタイミングというものがあるらしく、何度努力してもうまくいかなかったことが、別の機会に挑戦するとあっさりうまくいったり、
自分にはこんなスキルがたりないなー、なんて思っているとすぐにチャレンジする機会が与えられたりと、不思議なもので最近よくタイミングを意識することが多いのです。
今回の齋藤飛鳥さんが出演されるファッションショーを見に行くことができたのも、すべての準備が整って、そして多くの幸運が重なった、すべてのタイミングが一致したかのように思えます。
これまで、何度も何度もイベントに応募しても1度も当たることなく、たとえ全員参加のイベントだったとしても、なぜかうまくいかず同じ場所に行って雰囲気を共有するのが精一杯でした。
ライブに行くのははずかしいし、どうやってアイドルのライブは応援するのかわからないという、へんちくりんなこだわりがありますし、握手会システムも、どうしてアイドルだけに精神的な負担を強いるんだろうと、あんまり積極的に参加しようと思えませんでした。
そのうち背に腹はかえられず、握手はいいので実際にこの目で姿を見て、お礼を伝えたいと、一大決心してでかけた握手会で、飛鳥ちゃんの差し出した手を離してしまいまして「こつん」、と机に落としてしまいまして、けがさせたんじゃないかと心配で、逃げるように帰ってきました。
あのときのことも実は謝れていません。
唯一参加した握手会で雰囲気は確認できたのですが、視界が完全にシャットアウトしてしまい、どんな服装だったのか、どんなおかおだったのかも、いっさい、さっぱり、完全に、まったく覚えておりません…。ほんとなんですよ、これが。
そんな中、モバメでファッションショーへの招聘を伝えてもらったのが、開催の8日前でした。
開催予定の日は、直近3年の中で2年も自宅警備員の職業をやって、やーっっとのことで奇跡的にある会社に潜りこんで、ちょうど1ヶ月の日でした。
会場は職場から近い、六本木。
そして、個人的には、なくなったあにの誕生日…
なにか運命めいたものを勘違いして感じてしまい、すぐにチケットを購入しました。よほど、招聘の発表のタイミングがよかったようで、チケットが買えてしまい、
え、こんなにうまくいくはずがないと
きっと機械トラブルかなにかでやっぱり買えてませんでした~、とか
いつものように抽選にはずれました~的な連絡がくるんでしょ、
みたいに思って、がっかりした結果の保険として、期待をしていませんでした。
時は満ちた
やっぱチケットも送ってこないし、今回もまぼろしだったんだろうと思ってた開催2日前のことでした。
公開しているWebのメールに、急にぴろんとメールが届きました。ひらいてみたら、ファッションショー入場のためのQRコードでした。
どうやら、本当にファッションショーにいけるらしのです。
これまでずっと努力しても実現しなかったことが、今回だけはなぜかすんなりと決まってしまいました。このすんなり加減に、何か意味があるんだろうなぁと、感じるのでした。
でも、ひとめ見てみたいと言っても、横浜アリーナのようにずーっと離れたステージの上を、客席の一番後ろで、ごはんつぶみたいな大きさの飛鳥ちゃんを見れるんじゃないかと当然思っていたんですよ。
それで、チケットをよーく見たところ、こう書いてありました。
「自由席(B3F)」
なーんだ、自由席なんだぁ。
じゃあ一番後ろで壁に寄りかかって遠くから見ることができるなぁ、とそう感じていました。この時までは。
でもおかしいのです。会場の「EX THEATER ROPPONGI」は定員が1746人の小さなホールで、会場全体が吹き抜け構造になっているため、B3F席はステージに最も近いと言うのです。
いやいやいやいや、わたしゃだまされませんよー
これまでどんなことでも期待したことが、どんだけ期待を裏切られ
どーんと傷ついてきたことでしょう。
わたしはなれっこですので、こんなことにはさすがにだまされませんよーと、半ば現実とは信じ切れないまま、当日を迎えることになるのです。
完全アウェイ
いよいよ当日がやってきました。仕事をそうそうに終わらせ、会場へ急ぎます。
六本木に着いた途端に、道を歩いている人種の方たちがぜんぜんかわってしまい、高そうな服を着て、インポートのブランドものを持った人が、寒いのに薄着で歩いてるんですよ。
六本木って、すげぇところだなーなんて、思いながらファッションショーの会場に着いたところ、入場のための行列に並んでいる方々の人種に、さらに驚くことになるのです。
まず目立ったのは、実業家とかファッションデザイナーとかプロデューサー的なステータスがありそーな皆様。
さりげなく身につけてるものが高そうだし、それに立ち振る舞いと話言葉がいかにも、おれはえらいんだぞー感を表現しているのです。
スタッフの方を「おい、きみ、これはどうなんてるんだね」的に話しかけて、スタッフの方がQRコードを確認するとすぐに、「申し訳ございません」とぺこぺこ謝りだして、ディズニーのファストチケットみたいな別の通路に連れて行く、みたいな光景が目の前に広がっています。
次に多かったのは、髪をみどりとかあかとか一色の派手がみに染めたり、露出多めのドレス的な服を着ている方々。あれってファッション業界の方なんですかね。すげーなー、と思ってよく見てたら、テレビに出てる○○さんとか、雑誌で見たことある○○さんじゃないですか。
わたしゃ、やべーとこにきちゃったなー、とようやく自分が置かれた現状を受け止めることになりました。
でも、飛鳥ちゃんにとっても、外部から招聘されたファッションショーへの出演ですからアウェイという点では、同じなんですよね。アウェイでがんばってる飛鳥ちゃんの、背中を推したい!と当初の目的をようやく思い出し、スタッフさんの誘導に愛想を振りまきながら、会場へ入っていくのでした。
手を伸ばせば届きそうな距離
会場に入ると、スタッフさんにこっちに座ってくださいねーと誘導していただき、お礼を言いながら進んでいって、「あーここかぁ」と座ったところが、ステージからの距離がわずか1mの真横席。前から2番目の席でした。
ファッションショーってランウェイってあるじゃないですか。だからステージはわたしの右横ですけど、ランウェイから距離があるんだろと思ってたら、ランウェイから一番遠い6列目なんすけど、椅子は学校の卒業式みたいな椅子を並べてるだけですがら、ランウェイまで距離的には3mくらいしかないんですよ。
こっちはてっきりごはんつぶの大きさの飛鳥ちゃんを見に来てますから、よく見えるようにばっちりめがねをかけてきたんですけど、急にごはんつぶから、手が届きそうな距離と言われても…と心の準備ができていないのでした。
ちなみに一番ステージ側のとなりの席のおじさんは、まだ誘導されてないのに最初からその席を陣取って、自分の着てたダウンを置いて、席を離れてずーっとどこかと電話してるんすよ。
戻ってきたと思ったら、スマホをいぢりながら脚をお組みにになられまして、女性とちがい男性は脚を組むよに骨格ができていませんし、おじさんはちょいぽちゃということもあり、もれなくわたしのスーツすれすれ約3cmに靴の裏がずーっとあることになります。
きっと関係者かどっかのえらいプロデューサーさんなんでしょうねぇ。完全アウェイの客席の中でわたしの脳裏にあったのは、がんばれがんばれと、背中を推すことだけでした。
ちなみにこの席、スピーカーの真横だということがショーが始まるとわかりまして、どっかの市民会館の大ホールより小さそうな空間に大音量の音楽が流れてくることになりまする。
袖
いよいよショーが始まるとですね、大音量のおしゃれなクラブのような雰囲気の中、これまたおしゃれなモデルさんが、わんさか登場されました。
わたしはステージ横の席なので、次に出てくるモデルさんが袖で待機してるのがよく見えるんですよ。やっぱモデルさんはプロですね。袖のところから、もう世界観に入って、すごいおどりくるいながら出てくるんですよ。
きっと飛鳥ちゃんも袖からでてくるだろうから、いつ出てくるのかいつ出てくるのか楽しみにしながら、袖を見つめていました。
そういえば、袖からこっちに向かってくるんだから、うまくいけば目が合うかもしんない。
あの瞳の中に一瞬だけでも、かえるっぽいわたしが映るかもしんないと、自分でもきもちわるーいことを考えて、ほくそえんでおりました。
そしていよいよ、そのときがやってきました。飛鳥ちゃんの登場です。
音楽の雰囲気が一気に変わって、なんという曲か知らないのですが
ふーわふわの、わーたばたけー的に、生駒ちゃんと星野の方のみなみちゃんが出てきそうなオルゴールのBGMが流れて、これは間違いなく登場するんだろうな、と察することができました。
その登場方法は、回転ステージでした。回転方法が逆時計回りだったのでちょうど逆でして、袖から出てくる瞬間に目が合うかもという気持ち悪い妄想作戦は、あっけなく夢破れてしまったのです。
登場してランウェイを歩く飛鳥ちゃん。
第一印象はスタイルいいなぁー、おっきいなー、モデルさんみたい、という単純な感想でした。そーいやー、モデルさんでした。しかも現在のトップモデルさんですよ。
とっても華奢なんですが、とっても存在感は大きいのです。あれはなんなんでしょ。気持ちの大きさなんでしょうかねぇ。独特の人を惹きつけるプリンセスオーラ。
飛鳥ちゃんの登場と合わせて、みんなスマホをあかおにの角のように、頭のうえにつきだして、一斉に写真を取り出すんですよ。
えー、なんじゃーい。おしゃれなモデルさんも、そして実業家かプロデューサーさんみたいなステイタスのみなさんも、飛鳥ちゃんファンだったんかいな、とつっこみたくなりました。
でも、写真を撮る気持ちはよくわかります。あのきらめき。今この瞬間にきらめいていて、そのきらめきには限りがあるから儚く美しい、魔法がとけてしまうシンデレラのようなキラキラ感。飛鳥ちゃんファンでなくても、思わずカメラを向けてしまうのも頷けました。
本当にいたんだ
またまた、前回の握手会の時のように、身じろぎもせず存在感に圧倒されているうちに
飛鳥ちゃんの出演シーンは終了。そしてまた、次々とモデルさんがでてきて、のりのりなステージがはじまりました。
この間あっという間の出来事でしたが、満足感が高く、あ、CSが高く笑
幸せな気分に浸っておりました。
もう出演されることはないだろうからと、ショーの一番最後に、ブログの記事用に写真を1枚撮っておこうと、おどりまくるモデルさんにスマホを向けて、あーでもない、こーでもないと構図を考えながら、ぱちっと写真を撮ってたところ、せっかく写真撮ってんのに、どなたか目の前を横切られたんですよ。
だれだよー横切ったの?、なんて思って撮った写真をみてみたところ、横切った人の歩いていて、後ろに引いた手が1ぽん映っていました。
あの、独特の手です…そうです。飛鳥ちゃんでした。
そこからは、もうあわてふためいて、もう出演はないと思い込んでめがねもどっかにしまっちゃいましたから、あわててめがねをみつけたのかみつけなかったのかも覚えてなくて、必死で目で追いかけることになるのです。
ほんとに失敗したなー。今回すかちゃんは袖から出てきたから、ちゃんと見てれば目が合ったかもしんないのにと、後悔してると、ランウェイを歩いて帰ってきたあすかちゃんが、すぐそこステージに立って、赤いドレスの女性が歌う音楽のリズムにのりはじめたのです。
その距離3mくらいでしょうか。すぐそこ。本当に手が届きそうな距離。立ち位置だったみたいで、ずーっとそこにいるんですよ。
ランウェイの方を見ながら…
本当にいたんだ…わたしは思いました。
これまで長い間応援してきた齋藤飛鳥さん。
自分にとっては、理想の人間像を集めたような人です。
不遇な時も努力で乗り越えてきたところ、自分をとても厳しく律するところ、やさしさと深い深い愛情、熱い気持ち、いぢっぱりなところもかわいいし、おもしろいワードセンスとその発想、かっこいいファッションセンス、歌やダンス、モデルとしての表現力の高さなどなど、数え上げたら切りがないほど、自分の理想像だったんですよ。
これまで会ったことありませんから、ひょっとしたら自分の理想を妄想した存在であって、わたしが考えて遊んでいるその妄想の中で活躍されてる存在じゃないかと、本気で思ったこともりました。だから、こうやって自分の目ではっきりと見て、本当に存在していたことを奇跡的なことのように感じていました。
わたしもまた、長い長い不遇の時代を送ってきましたが、
この人に憧れて、いつかこんな人に成長したいと考え、日々の活動に勝手に背中を押された気がして、勘違いし続けていつのまにか、現在の幸運な状況までたどり着いてしまいました。まちがいなくこの人の存在のおかげです。
感謝の気持ちで、その人の背中に手を合わせそうになりました。これまでがんばってもらえたことに、本当にありがとうございました、と。
等身大の背中
飛鳥ちゃん、本当にありがとう!あなたはわたしの幸運の女神でした…
ん、なんかへんだぞ。
感謝をしてると、あることに気づいたのです。
ええと、あすかちゃんったら、すぐ近くにいいるわたしの方を、まーったく向いてくれないのです。基本はステージの中央に身体を向けているので、わたしが見てるのは華奢なあすかちゃんの背中。
ずーっと見ているのは、おかおでも横顔でもなく背中。ときどき会場を見まわしてくれるので、そのときに横顔をちらっとみせてもらえるんですよ。そういえば、おかおを今日はまったく見ていないのです。
横顔から察するに、メイクはCUTEの専属モデルに抜擢された時のことを、思い出されるピンク系のキュートなメイクでした。ピンクとブルーメイクは、ほんとによく似合いますよね。ひとみもブルーですよ。ぶるー。だからにあうんでしょうか。
うわぁー、すごいなーと思って横顔ちらっとみてると、とたんにまたまた、背中を見せていただく、という繰り返しでございました。
いやいや、贅沢はいいません。背中でいいんですよ。いや、こんな至近距離の背中が、存在感の確認には最適なんですよ。目が合うといいなというのは、ただの気持ち悪いわたしの妄想の世界の出来事でしかありません。こんなに近い華奢な背中を見れるわたしは幸せ者ですよ。
それに飛鳥ちゃんにしてみてもわたしという存在は、握手会で会ったこともなく、ライブに参戦してタオル持ってるわけでもなく、たまーに、ブログにコメントを1つ残す程度のファンでしかありません。
何千ものコメントの中のたった1つの文章なんて、目に触れるわけもないですし、目に触れたとしても覚えてるはずもありません。
へんちくりんなかおしてるそこに座ってるおぢさんが、そのコメントだけで応援しているファンかどうかなんて、わかるすべがありませんよ。ほんとに。イケメンなら見よっって気持ちになるかもしんないですけど、おぢさんですしね。わたしがこのよに存在していることすら、知らないはずです。
そう思うと笑ってしまいました。あはは。声を出して。
わたしらしいなーと。
万が一飛鳥ちゃんが意図的に360度の中でこの角度だけわざと見ないなら見ないで、それもまたおもしろいですし…
ということで、長年背中を推してもらった齋藤飛鳥さんが招聘された、ファッションショーを見にいったの巻、これにておしまいです。
ちなみにわたしに靴の裏をあててこられたプロデューサーさん。
あの方はショーの間ずーっと、ギャンブルの競輪かオートレースのチケットを購入され続けてたのですが、飛鳥ちゃんが登場したら、中腰でばしばし写真撮りだされていました。
スマホの待ち受けは、アー写の飛鳥ちゃん。
いやいやいやいや、わかってないなー、もっと飛鳥ちゃんらしい写真にすればいいのにと思いつつ、プロデューサーでもなんでもない、わたしと同じ飛鳥ちゃんさんファンだったということに気づいたのでした。
ところでわたしのめがねはどこいったんでしょうか?
あれ、レンズつくってもらうのに1週間もかかったんすよ。ださいめがねなんですけど、よくつかってたのにどこいっちゃったんだろ?
長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ここで飛鳥ちゃんファンのみなさまとはお別れです。あんまりお名前出した記事は書かないですが、今後とも気が向いたら読んでくださいね。
これから先は、数少ないかえるがおのフィルターを通した、へんちくりんな感性の話を聞きたいって方用の記事です。
これから書く内容は、飛鳥ちゃんファンは、誤解されるリスクが高い内容に触れてしまいますので、できれば読まれないことをおすすめします。
記憶
幸せって簡単に表現してしまうけど、想像できないレベルの幸せが、なぜかやってくることがあって、あすかちゃんの華奢な背中を間近にみつめて、そんな幸せな思いに満たされていた時でした。
ん、この華奢な背中の感じ…どっか見たことあるなぁ。
華奢なちーっちゃな背中。
確かにどっかで見たんですよ。確か追いかけられたような記憶があります。
どこで追いかけられらんでしょう?
ストーカーではありませんので、仕事やプライベートに現れて詮索しようとは思ったことがありませんが、必ず追いかけられた経験があるのです。
その日の飛鳥ちゃんの最後の衣装は、宇宙服のようなキラキラに、ジャストサイズの短い広がってるスカート。
ロビンちゃんみたいな服(こんなたとえ誰がわかるんでしょうか笑)で、ぴったりしているので、余計にそのスタイルのよさと華奢さかげんがめだっていました。
華奢でそして短いスカート。そして追いかける…
あ、そういえば、確かにそんな経験がありました。
あれは今から何年前のことでしょうか。
1stシングルの個人PV『Catch me if ASUKA can』ですよ。あれですよあれ。確かに最初の個人PVで無邪気で華奢な飛鳥ちゃんが追いかけてくるという演出でした。
あれから、長い長い年月が流れたにも関わらず、目の前に存在する飛鳥ちゃんから、1stシングルの時の飛鳥ちゃんの面影をまぎれもなく感じてしまったのです。
そう思うと、一種のパラレルワールドに紛れ込んでしまったような感覚になっていってしまいました。わたしの妄想の中の現実の世界が頭をもたげてやってきたのです。
りふれいん
負けない努力で勝ち取ったトップアイドルの座、トップモデルのポジション。現段階でトップと言っても否定する人はいないでしょう。
パフォーマンスの表現力も、わたしが他のアーティストのファンの方に自慢したくなるようなはなやかさとしなやかさ、激しさの中にもアーティスティックなダンススキル。
その飛鳥ちゃんが、存じてなくて申し訳ないのですが、懐メロチックな打ち込み音楽に、リフレインでノリを繰り返す懐かしい匂いがする音楽に、招聘されているスペシャルゲストの扱いとしめ、他のモデルさんから離れて横ノリをされているのです。
正直言って、もったいないなと思いました。すくなくともあるパートだけまかせちゃえば、その場をものすごい感動空間に変えられるはずです。
そして、ランウェイを歩くように呼ばれた飛鳥ちゃんは、えらいデザイナーの先生に呼ばれて、ランウェイを歩いた後、腰に手を回されてからだを引き寄せられていました。もちろん好意でえらい和装のデザイナーさんはされていました。
そして飛鳥ちゃんはいつもの大笑いの笑顔で、対応されていました。えらいなーと思いました。
一旦、そんな考えが浮かぶと、今回のファッションショーは不思議な点があったんですよね。まずあすかちゃんの登場のときの、ふーわふわのーわーたばたけー、的なBGM。秋をイメージするシーンで、しかも飛鳥ちゃんの登場シーンであれ、いります?
10年前ならわかりますけど、すげーおとなっぽい顔や楽曲によってはこわいくらいのせくしーな表情で、業界を牽引する人に対して、オルゴールで登場って違和感があったんですよねー。正直。
最後のロビンちゃんみたいな服装も、そして懐かしいCUTEみたいなメイクも、みんながバブル期のような歌で盛り上がっている時の飛鳥ちゃんらしさの生かし方も、そして急に抱き寄せるやり方も、あの先生とわたしでは飛鳥ちゃんに対するイメージが違うのではないかと思うようになりました。
他のモデルさんは芸能人の方も含めてチームなんでしょねぇ。盛り上がり方というか踊りまくる表現の仕方がすごいし、ランウェイに1番近い3列は招待客の方なんですが、あか一色やみどり一色の髪の人が、パリピみたいにもりあがってるんですよ。
いうなれば、夜中に道を歩いてたら、前からでーっい声で乱れている集団が歩いてきた的な、わたしにはいままでお話しする機会がなかったような人たちが、クラブばりに盛り上がっていました。
こんなところで飛鳥ちゃんは活躍してるんだ…
芸能界ってすごいなー。ぜんぜん違う世界なんだなーと感じていたところにイメージとして現れてきたのが、1stの個人PVの飛鳥ちゃんです。あの頃とまったく変わらない飛鳥ちゃんです。
このショーのノリ。さすがの飛鳥ちゃんにとっても、かなりのアウェー感を感じていることでしょう。でもショー独特のノリにも笑顔で合わせて、求められる役割を察してこなしていく。えらい先生でしょうけど、ちょいぽちゃのおじさんに距離を詰められるなんて、うれしいはずがないですよね。
アウェーであっても、努力と精神力、そして我慢を繰り返しながら、10年もの年月をあの華奢な背中でやってきたんだなー。
やるってきめたからには努力をしてどんなことでも、自分が傷ついてもいいから、がんばってやってきた覚悟を感じました。
そう思うと、背中を推すために、がんばれ、がんばれって応援してきたわたしが、ちっぽけな存在に見えてきました。これだけ頑張っているひとに、がんばれとはわたしは言えないというか、言えるはずがないことに気づきました。
あの華奢な追いかけてきた女の子は、かつて確かに存在しました。
そして今日みたいなアウェイの現場を、あの華奢な女の子は、来る日も来る日も繰り返しほとんど休みもなく、がんばって挑戦し続けて、やっとようやく今のポジションを掴んだんだ、と思うと、わたしはもう背中を推したりしたくありません。
今の地位を確立されても、そして大人っぽい美しさを手に入れられても、やっぱり中身はあの、10年前の華奢な追いかけてきた女の子そのものなんですね。普通のひとりの女性だということを、その背中はわたしに訴えかけていました。
これ以上無理させたくないのです。
貴重な青春時代や、他の人が経験してきた普通の幸せやプライベートまで、犠牲にして芸能界で掴んだトップアイドルの座。
でも、ずーっとアイドルでいることはできないし、いつかは普通の人に戻らなければいけません。これからの一生の時間を考えると、アイドル時代よりも普通の人時代が長くなるんですよね。
たとえ息が長く芸能活動を続けたとしても、今のようにプライベートの生活まで犠牲にしないといけなくなるわけではなく、どんどんプライベートに比重を置いて充実させて、仕事を続けるという職業としての仕事にシフトしていくはずです。
だから、これまで制約をうけてできなかった分だけ、プライベートの普通の人としての経験値もあげていかないといけないですし、これから一緒に協力して成長しながら幸せを作り上げていくパートナー探しの勉強も必要だし、それからそれから…
失った時間を取り戻すという経験という課題も待っている。
でも、まけずぎらいでがんばりや、そしてまじめで努力家ですから、わたしが応援しようがしまいが、めちゃめちゃ努力して、これまで通りに成長しながら、乗り越えられるんですよ。それが齋藤飛鳥という人です。わたしが保証します!
だから、わたしが推そうが推すまいが、めちゃめちゃがんばられることにはかわりないので、わたしの役割は推すことではなく、やっぱりがんばられたことに対して、「よくがんばったなー。すごいなー、えらいなー」と率直に感じたよいところを評価することではないでしょうか。
イメージ的には推すというより引く。
がんばってきたことに対して、正当に評価を伝えて、なにかあったら自分が前面に出て、自分のテリトリーで守るイメージです。
幸いにもわたしは、芸能界の知識はないけど、世間のことはよく知っています。権力者のよくないところや間違っていることがまかり通る社会に翻弄され続けて、感覚が麻痺するくらいに長い間どん底を経験してきました。
だからちょっとやそっとのことでは動じません。正直こわいものもありません。暴力を生業とする方や包丁を向けてくる方、ライフルをもってくる方たちのクレームに対峙したこともありました。社会経験だけは長い長い波瀾万丈な半生が結果的に育ててくれました。
きっと飛鳥ちゃんもあれだけ努力家であたまがいいんだから、これからは社会経験だけでなく、学業についても興味があることを探しながら学ばれていくんだと思います。わたしがこれまで通ってきた道のりですので、乗り越えて行かれる様子を、ちょっぴりですが守ることができるのかなと思います。
あくまで気持ちの問題ですけどね。
これからはひとつひとつのがんばりに対して、ちゃんと労をねぎらい正当に評価をすることと、これからずーっと経験から学び困難を乗り越えられる様子を、見守らせてもらいたいなと感じた、今回の再会でした。
推しから、一歩引いてそのすべてを認めて見守るファンになりたいかえるがおなのでした。
そういえば、最後にあとひとつだけ。話させてください。
ファッションショーが終わった後、ここに飛鳥ちゃんがいたんだなぁーと思って、ステージを見ながら感傷に浸ってて、会場をあとにするのが遅れたんですよ。
まわりの人が少なくなってきたので、あわてて会場を出ようとすると、関係者に挨拶に来たデザイナーの先生と出口ではちあわせしてしまいました。
わたしはスーツでしたから、スタッフだと思われたんですかねぇ、けげんそうな目で見られまして、頭を下げながら先生をよけて通ろうとしたところ…
今度は先生を追いかけてきた、出演のモデルさん軍団とはちあわせ。
わたしは先生をよけてますから、追いかけてきたモデルさん軍団と先生の間にいることになりまして、モデルさん軍団にはもちろん著名人の方がちらほらといる状況でして…
で、モデルさん軍団は、半円の体系で近づいてこられるから逃げ場がないんすよ。まるでとうせんぼ。
先生はますますけげんそうな目でわたしを見られますし、もうどうすることもできなくなって、「すみません、すみません」と言いながら壁沿いを強行突破し、3mくらい先にいいかんじにトイレがあったので、駆け込んで逃げました。
きっとおなかこわしたおぢさんに見えたんだろうなぁ。あはは。
すみませんが、出演者のみなさまがた、いちおうおきゃくだったんすよ。まっすぐかえりますので、素直にかえしてもらえると助かります。
あ、えらいデザイナーの先生。じゃましちゃってすみませんでした、でもあたしゃスタッフさんじゃありませんぜ、の巻、これにておしまいです。
いい経験をさせてもらって、ちょっぴりまた成長できたかなぁ。
成長させてもらえる関係って信頼度高いですよ。ほんとに。
また、いつかどこかで会えるのを楽しみにしている、かえるがおなのでした。
おしまい。