続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

念願のSony Musicからデビューする!?の巻(オーディションの結果は?編)

こん○○は。かえるがおでございます。

 

計3回でお送りしました「念願のSony Musicからデビューする!?の巻」ですが、

本日無事最終回を迎えることができまして

これもひとえにみなさまのご支援のたまものと深く感謝しておりまして…

 

え、早く始めろって?

引っ張るだけ引っ張っといて、前置きはいいから早く始めろとの声が

まるで手に取るかようにひしひしと伝わってきております。

では、早速ですが「念願のSony Musicからデビューする!?の巻」最終回の

はじまりはじまりー。

  

 

学生の時に叶わなかったSONYのオーディションですが、

社会人1年目でひょんなことから、SONYの担当者に歌を聴いて

もらえることになりました。

 

その数日前のお話です。

 

「あのね、せんせー。私のおとうさんね、音楽のお仕事してるんだよー」

「せんせーがギター弾いてるって言ったらね、聞いてみたいて言ってた」

ある女の子がちょいちょいと私を呼ぶので、聞いてみると

耳元でこんなことを教えてくれました。

 

当時教員1年目。学級担任をしていたクラスの女の子が言いました。

 

まぁ、この子がすごーくいい子でねー。妹さん思いでとってもやさしくて

クラスの友達にも、とっても丁寧な言葉を使ってやさしく話しかける子でした。

見ていてとても微笑ましい子どもでした。

 

数年後異動先の学校で、学年の先生たちと遠足の「実踏」という名の

下見に行ってたんですよ。

大きな道を歩くとき危ないな、とか、トイレ休憩やお昼ごはんの場所を決めるのが

「実踏」という名の下見なんですが、

数人の先生と歩いてたら、急に「せんせー」と呼ぶ声が聞こえました。

 

みんな先生なのでこんなときには、みんな振り返っちゃうんですよねー。

わたしも例にもれず振り返ったところ、その女の子が遠くの方から

満面の笑みで私に手を振っていました。

その子は同じ場所に遠足で来ていたようでした。

 

それから、少し歩いたら、「せんせー」と呼ばれ、また少し歩いたら「せんせー」と

呼ばれ、頻繁に呼ばれてほかの先生の手前恥ずかしかったのですが

とてもうれしかったのを覚えています。

 

私はほんとに恵まれていて、自分が担任だった子どもたちはみんないい子だったんですよ。この子も純粋でまっすぐで、とってもいい子でした。

 

時は戻ってオーディションの数日前の話です。

「お父さんもギター弾けるんだーすごいねー」なんてお話してると

「だってSONYだもん」と話してくれました。

 

「へぇー、SONYなんだぁ」

へ、、そそそSONY!急激に意識が学生時代に引き戻されます。

何度も何度もデモテープを送っても、連絡すらなかったあのSONYですよ。

無邪気に笑ってる女の子のお父さんはSONYの音楽部門の担当者だというのです。

 

その頃クラスの音楽の授業は専科といって、専門の先生が担当されていました。

中学校の教科担任のようなものです。

私はといえば、学級全員がそれぞれ一言ずつ考えた歌詞にメロディをつけて

毎日帰りの会でギターに合わせてみんなで歌っていたくらいでした。

 

その子どもたちの歌声が純粋で、聞いているだけでなぜか知りませんが

感動で涙が溢れてくるんですよ。

大人と違って、自分はいい子でありたいと願っている子どもたちの純粋さが

ひしひしと伝わってきて、無限の可能性を感じてしまいます。

それ以降わたしの表現する「無限の可能性」は、わたしの中での

最高の誉め言葉として用いるようになりました。

 

クラスの子どもたちは子どもたちでギターに合わせて歌うのが自慢のようで、

一緒に帰ろうと廊下で待ってるほかのクラスの友達に対して

自慢そうに歌っていました。

廊下に待ってる子どもたちも教えてもいないのに覚えてしまって

みんなで歌いだしたりして、

当時はほかのクラスの先生方はさぞ迷惑だったことでしょう。ごめんなさい。

 

その子どもたちの歌と私のギターを聞いてみたいというのです。

ちょうどいい具合に数日後は授業参観日。

とうとうSONYの音楽担当者様からの依頼で、

授業参観日に歌と演奏を披露することとなったのです。

 

授業参観なので一番大切なのは授業なんですが、わたしの気持ちといえば

それどころではありません。

教室に習字と図工の時間に書いた絵をそうそうに貼り終えて、

授業を考えるよりなにより、歌を聴いてもらうことで頭はいっぱいでした。

 

やっぱりSONYの担当者だから、ただのフォークギターじゃダサいでしょうから

エレアコにした方がいいかなーとか、

素人が高価なエレアコ使ってたら、ひかれるかもしんないので

YAMAHAの使い古した感があるギターがいいかなーとか、

教室だけどアンプ持ち込んだ方がいいかもしんないとか、

別のパートのドラムとピアノをあらかじめ録音しておいて

流した方がいいかもしれないとか、(当時DATって機械がありまして…)

今考えればどーでもいいことを、ただひたすら考えていました。

SONYの担当者に歌を聴いてもらえるなんて、一生に一度のチャンスですからね。

 

あーでもない、こーでもないと、どうでもいいことを延々と考えていると

あっという間に当日がやってきました。

 

当日の授業は理科です。理科室から持ってきた人体模型をとなりの教室に隠しておいて

「今日のゲストのホネホネくんですっ」とみんなに紹介したところ

骨の数を数えだしたり、自分の体を触って比較したり、

あーだこーだ、いやそれ数が合わないんじゃないとか

子どもたちが勝手に学びあいをはじめまして

わたしは交通整理をするだけで、ほとんどその後話すことなく授業が終わりました。

 

さぁ、いよいよ帰りの会の歌です。

ギターを取り出し弾き始めると保護者の方々の「おーっ」という声が聞こえます。

この中にSONYの担当者の方がいるはずなんですが、

じっくり見ることができずに、ひきつった笑顔で子どもたちを見つめながら

ギターを弾くしかありませんでした。

 

最初はですね、伴奏のおつり多めに弾いたりハモったりしてたんですが

次第に子どもたちの純粋な歌を聞いて、涙を流していただける保護者の方が

増えてきました。

 

子どもたちにとっては晴れ姿で、保護者の方に自分が活躍している場面を

見てもらいたいから張り切って大声で歌うんですが、

大声で歌うと音がはずれちゃうんですよね。

そのはずれた音で歌う歌も素晴らしく、なんともいえない味が心に響いて

当初の目的はすっかり忘れて、後半はわたしも涙を流したままギターを

弾いていました。

 

授業参観が終わった後、保護者の方々はお子さんの歌に感動されたらしく

たくさんのお褒めの言葉をいただきました。

でもね、歌ってるのはお子さんですよ。

こんなに純粋に育てられたのはあなた方ですよ、という言葉をぐっと

こらえて飲みこんでいました。

 

をいをい、あれ?おかしいぞ、いい話をしてる場合ではありません、

今日の本来の目的は、SONYのオーディションだったはず。

SONYの担当者の方の評価はどうだったんでしょ?

 

翌日その女の子におそるおそる聞いてみました

「おとうさん、歌についてなんて言ってた?」

「んーー、よくわかんない。それより一緒に20分休みあそぼっ」

 

この日のために緊張してとってもたくさん考えたんですよ。

数日間はほとんど眠れない日々を過ごしました。

ギターの種類もメーカーもアンプのことも、調律のことも弦のことも

アレンジのこともたくさんたくさん考えたんですよ。

 

たくさん考え、悩み、時間を費やして迎えたオーディション。

そしてその結果が「んーー、よくわかんない。」でした。

 

その子にとってはわたしのオーディションのことより

20分休みの方が大切だったようで、

お父さんが歌を聞いてどう思ったかについては、

まーーーーったく興味がないようでした。

がっくし。

 

ただね、歌った歌がみんなで歌詞を作った学級の歌だから、

真の実力はわかんないかー、なんて言い訳しようとしたところ

思い出しましたよ。

オリジナル曲を1曲歌ってました

「さよならの向こう」という歌を。

 ♪最後の別れの言葉、終わりゆくやさしさ

 これから違う道を静かに歩き出す…

 

果たしてオーディションの結果はどうだったんでしょうか。

今となっては知る由もないのでした。

10年越しの合格のご連絡は今でも受け付けております。

 

念願のSony Musicからデビューする!?の巻

これにておしまいです。

 

最後にまじめなおはなしです。

今回の内容は職務上知りえた情報が含まれています。

公務員は公務員をやめても職務上知りえた情報を公開してはいけない

「守秘義務」があります。

 

今回の内容は個人を特定することができないため、特定個人情報の漏えいではないと

判断し、おはなしとして紹介しました。

もし、関係各所の方で問題があると判断された場合には、遠慮なくご連絡ください。

いつでも削除いたします。

ご理解のほどよろしくお願いいたします。