こん○○は、かえるがおです。
乃木坂46 18thシングルアンダー楽曲『アンダー』のMVが公開されました。
今回のアンダー楽曲『アンダー』はとてもすばらしい楽曲なのですが、『アンダー』のMVはまさかのアンダーメンバーのドキュメンタリーで、感動溢れる珠玉の名作となりました。
MVに描かれる1シーン1シーンにアンダーメンバーの必死な思いと、ファンの思い出が詰まっていて、これまで表に出ることのなかったアンダーメンバーの努力の様子が描かれていました。
これこそ選抜に負けない、『アンダー』という一分野を築いた、普通の少女たちの感動の物語がそこにはありました。
出典:乃木坂 46 OFFICIAL YouTube CHANNEL
- 選抜メンバーとアンダーメンバー
- 選抜メンバーの固定化
- 活動期間のほとんどがアンダー
- 当初のアンダーメンバーの仕事
- 『アンダー』MVが描いているもの
- わずかな光明をチャンスに
- 『アンダー』とは
- MV中のコメント
選抜メンバーとアンダーメンバー
乃木坂46はこれまで、シングルを発売するたびに、選抜メンバーとアンダーメンバーに分かれて楽曲をパフォーマンスしてきました。
選抜メンバーは表題曲を各メディアに出演してパフォーマンスでき、メディアへの露出も格段に増えるため、これまで選抜メンバーに入るということは、乃木坂にいる以上、メンバー共通の目標だったことでしょう。
そして、これからもきっと乃木坂メンバー共通の目標であり続けることでしょう。
選抜メンバーの固定化
乃木坂メンバーはみんな平等に選抜メンバーを目指していましたが、結果的に、各メディアで表題曲を披露する選抜メンバーは、ある程度固定化されることになってしまいます。
1期生では、途中参加の秋元真夏さんを含めて8人がアンダー経験がなく、18作品のうちアンダー経験が2作品のみの2人を加えて、18thシングル18名中、実に10人のメンバーが選抜に固定されるという、これまでの歴史がありました。
選抜メンバー固定化については、もちろんいろんなことを意図して決められたことで、弊害だけでなくメリットもあったことも確かです。
もし興味がある方は「乃木坂選抜メンバーの選考基準と、今後の選考方法を考えてみた」という記事に、選抜メンバーの選考については、詳しく書かせていただきました。
活動期間のほとんどがアンダー
選抜メンバーの固定化は、同時にアンダーメンバーは選抜入りできないことを意味しています。選抜メンバーが固定化され入れ替わらないため、結果的に選抜に入ることができません。
もし選抜に入ったとしても1作品のみで、すぐにアンダーメンバーに戻ることも多く、どこが悪くてアンダーメンバーになったのか、また、そもそもなぜ1作品だけ選抜メンバーになったのか、その理由さえわからないままです。
2,3回選抜メンバーに入れればいい方で、現在2期生が加入して4年が過ぎましたが、まだ2期生の約半数がまだ選抜経験がありません。
乃木坂の歴史上、ほとんどの期間をアンダーメンバーとして過ごすメンバーが多かったのは、残念なことですがまぎれもない事実です。
当初のアンダーメンバーの仕事
アンダーメンバーは選抜メンバーがテレビやイベントに出演しているときに、何をやっていたのでしょうか。
中田花奈さんが、かつて番組の中で選抜からアンダーになったところ、2週間まるまるオフになり、パズドラを極めたと語っていました。
出典:テレビ愛知『乃木坂って、どこ?』#166
今でこそアンダーが注目され、メンバー個々に仕事のオファーがたくさんくるようになりましたが、当初はアンダーメンバーには仕事がそれほどなかったことをうかがわせるエピソードです。
当初のアンダーメンバーにはテレビの出演ができたとしても、後ろの方でパフォーマンスしているとか、同じメンバーなのに、選抜メンバー主体のイベントで裏方のような仕事にも取り組んでいる様子を見ることすらありました。
仕事とはいえ、結果は非常に残酷です。
出典:テレビ愛知『乃木坂って、どこ?』#078
『アンダー』MVが描いているもの
そんなとても過酷な環境下でも、乃木坂アンダーメンバーはファンの前では、とっても明るくとっても輝いている存在でした。
ただし、実際の時間はファンの前で明るくパフォーマンスしている時間よりはるかに多くの時間を、歌やダンスのレッスンに費やしていたことでしょう。そのファンには見えないアンダーメンバーの必死な努力を表現したのが、今回の『アンダー』のMVだと思うのです。
いつ、どんなときにでも、チャンスの順番が自分に回ってきてもいいように、ダンスだけでなく歌のレッスンにも、必死に取り組むアンダーメンバーの姿がそこにはありました。
その見えない部分の努力が、ファンの前でのメンバーのきらめきにつながっていたことは、容易に想像できます。
毎日毎日レッスンの日々を、何年も何年も重ねて、人一倍努力をしても、選抜メンバーへの道のりは遠く、どれだけ努力を重ねても、選抜発表で自分の名前が呼ばれることはありません。
懸命に努力をしても、選抜に選ばれないし、
仕事があったとしても、選抜メンバーの裏方のような仕事ばかりであれば、精神的に限界がきてしまってもおかしくないような、過酷な環境です。
努力が報われない折れそうな心をやっとの思いで奮い立たせて、また努力を続ける…
何年も何年も繰り返しても、選抜発表で自分の名前を呼ばれることはないのです。
本当は遊びたいさかりの若い女の子にしてみれば、この残酷な現実とは耐え難く、受け入れるには相当の時間がかかったことでしょう。
いや、受け入れることはやっぱりできなかったのかもしれません。わざと現実を見ないふりをして、また前を向いて努力を続けてきたのかもしれません。
落ちても落ちても這い上がり、ファンから見えることない努力で頑張ってきても、スポットライトが当たるのは別のメンバーで、自分たちはそのスポットライトが当たるメンバーをステージの外からみつめるしかありませんでした。
わずかな光明をチャンスに
そんなアンダーメンバーにとって、わずかな光が差したのは、2014年6月28日アンダーライブファースト・シーズンだったと思います。
握手会終了後に行われたアンダーライブが人気だったことから、企画されたアンダーメンバーだけの初めてのライブ。
会場はわずか901席のブルーシアター六本木、830席のAiiA 2.5 Theater Tokyoで6日間10公演が行われました。
乃木坂史上初めてアンダーメンバーにスポットライトが当たる瞬間です。
きっと長い間この時を待ちわびていたメンバーは、我々ファンには見えないところで、歌やダンスのレッスンに必死に取り組まれたことでしょう。
ファースト・シーズンの成功を受けて、10月にはアンダーライブ・セカンドシーズンの開催が決定。ブルーシアター六本木で15日間18公演が行われ、好評を受けてツアーファイナルはなんと有明コロシアムで8000人のファンを集めて、アンダーライブが開催されることになりました。
最初はわずかな光だったのかもしれません。
小規模なアンダーライブだったはずが、有明コロシアム、そして4thシーズンで、ついには夢の武道館でアンダーライブが行われました。
今では地方公演まで成功させ、アンダーライブが乃木坂の音楽活動になくてはならないものまで進化させることができました。
やっぱり運命の神様は、これまで気持ちを奮い立たせて、その都度一生懸命努力を続けてきたアンダーメンバーを見放すことはありませんでした。
アンダーライブの成功は、ひとえにストイックにアイドルという仕事に向き合ってきた、アンダーメンバー自身の手でチャンスをつかんだ成果でした。
努力を続けていたからこそ、メンバー一人ひとりが大きく成長していて、多くのアーティストが憧れる武道館ライブを、アンダーメンバーにして成功させることができ、乃木坂の名を世に知らしめた瞬間でした。
『アンダー』とは
わたしにとって『アンダー』という言葉を聞くと、必死に頑張ってきたメンバーが報われなかった分だけ、切なく胸を締め付けられるような響きを感じてしまいます。
しかし同時に『アンダー』という言葉には、アンダーメンバーが作ってきた、不遇な状況でも自分を奮い立たせて、努力を重ねて成長してきたという、たくましさを感じることもまた真実です。
アンダーというカテゴリが定着した今、今後は選抜とアンダーで別々のシングルを出す時代が来てもおかしくはありません。そんな時代がもうそこまで来ています。
それだけアンダーの注目度が増し、まさに18thシングルでアンダーの時代の訪れを感じることになりました。
不遇な状況下でも、決して負けることなく『アンダー』を駆け抜けてきた、乃木坂のヒロインたちに最大限の賛辞を送りたいと思います。
感動をありがとう。
そして、ひとりひとりの乃木坂メンバーの将来に、輝かしい未来が広がっていることを願って…
MV中のコメント
中田花奈
やっぱアンダーメンバーでアンダーライブというのをずっと何日間も連続でやって
18公演?でやると
いつもは明るく女の子らしい話をしてくれる中田さんの、溢れる感情が伝わってくるかのようです。
斉藤優里
やっぱり一緒にいる時間も長いし、ほんとメンバーのこと大好きで
いつも笑っている分だけ、斉藤優里さんの涙は説得力があります。
そして、涙を流しながらも、メンバーのことを思って笑っています。
井上小百合
いろんなところから来た人とか、いろんな環境の人たちがひとつの場所に集まって
あんなに心が一つになるっていう
井上さんのコメントは、いつも視野が広いです。やさしい分だけ自分以外のメンバーに目が向いているように感じます。
伊藤万理華
アンダーメンバーのちっちゃいライブから始まって…
感極まっている伊藤万理華さんの様子を見ると、今までレッスンに真剣に取り組んできたファンに見えない部分の努力が、不思議と目に浮かぶかのようでした。
中元日芽香
客席が埋まってないみたいな話を聞いて、すごいショックだったし
あ、やっぱりまだまだダメなんだな、選抜がいないと埋まらないんだなというふうに
みんなで言って悲しかったんですけど
これが本当はしっかり者なのに、末っ子キャラにツインテールでアイドルをストイックに演じている中元日芽香さんの姿です。努力に努力を重ねても報われない姿を直視するのは本当につらいです。しかしその頭が下がる努力に敬意を表して、つらくても目を背けないで、しっかり見つめないといけません。
樋口日奈
全体のライブの時はやっぱり正直自分がお客さんに手を振っても、ちょっとすごい誰?っていう目で、自分の力不足だからしょうがないんですけど、一生懸命手を振っても見てもらえなかったりだとか…
お父さん譲りのおおらかな樋口さんの感性でも、ファンから誰?という目で見られたり、手を振り返してくれなかったり、視線が合わなかったり、たくさん傷ついていたんですね。つらい歴史を乗り越えて今の活躍があるんことに切なくなりました。
北野日奈子
受け入れなきゃ何も始まらないと思って。
乃木坂の名前を背負ってアンダーメンバーでライブ、全国を回っているので頑張ろうと思って頑張りました。
きいちゃんのセリフとってもかっこいいです。
いっぱい考えて、いっぱい悩んだ末に結論を出して、精一杯乃木坂を背負ってパフォーマンスをしようと決めてたんですね。まさに覚悟と呼ぶにぴったりの決意。なかなかできることではないと思いました。