今回のかえるがおは映画版「映像研には手を出すな!」公開記念特別編として、
急遽更新させていただくことになりました。
特別編と言っても、記事の中身はなんにも変化はありませんので、
単なる映画公開おめでとうございます!と思う気持ちの表れの問題でしかございません。
よくあるような、大々的なキャンペーンやプレゼント企画などはございませんので
そのへんの苦情のメールは受け付けておりません。あしからずでございます。
出典:9.25(金)公開 映画『映像研には手を出すな!』本予告第二弾【公式】Youtube
プロローグ
映像研のテレビ版の放映から約4ヶ月。ようやく映像研の3人がスクリーンにやってきました。当初の公開予定は5月でしたので、待ち望んでいたファンも多かったのではないでしょうか。
待ち望んだ映画版映像研は、新型コロナの影響で生活様式も変わりつつあり、
不自由な生活を強いられるようになった現代にとって、爽やかな笑いを提供してもらえる娯楽大作に仕上がっていました。
アイドルが出演している一般的なアイドル映画と大きく異なる点が、
文句なくどんな年代にとっても、笑って楽しめる娯楽大作である点だと思います。
ボケの浅草みどり
映像研という作品は、マンガを原作にアニメーション版、そして映画版の出演者が出演していたドラマ版の作品がありましたが、笑いを取り入れた娯楽要素が1番強いのが、映画版であるといえるでしょう。
まず、娯楽要素の1つを担っているのが、齋藤飛鳥さん演じる浅草みどりの存在だと思います。
奇才であり思い込みのエネルギーはすごいが人見知りという浅草みどりを、アニメーション版では、低い声で普段はつぶやくように話し、スイッチが入ると専門用語が止まらない、一種のおたく気質に描かれていました。
映画版の浅草みどりは声が高い分だけテンションが高く見え、ちょっとおとぼけちっくで、そして何より美人でかわいいという、普通の人でもとっつきやすさを兼ね備えた浅草みどりでした。
自身の頭の中の論理で話を進めていくところもほほえましく、お笑いでいうところのボケそのままの要素を兼ね備えていました。明るくみんなから好かれるおもしろい発想をする人。まさにボケそのものです。
ツッコミの金森さやか
ボケ自体でも微笑ましく見えますが、それを笑いに昇華するにはツッコミの存在が必要です。それが梅澤美波さん演じる金森さやかの存在です。
どこに用意されてたのかわかりませんが、スポンジでできた棒状のツッコミ棒を持って、なぐりつけて手荒いつっこみを披露します。あの棒はどこにかくしてあるのかとても気になります。
普通のお笑いだと、ツッコミは常識人気質として描かれ、見ている人の疑問を代弁してつっこんでくれますが、金森さやかのツッコミも独特の論理のうえで突っ込みます。
それがドケチという論理です。金森さやかも普通とは異なるおもしろ気質を持っていながら、その変わったへんてこな論理でつっこむので、普通のボケとツッコミと比較して、笑いが倍増します。
個人的にお気に入りなのは、ツッコミ棒でなぐられても、まるで何かありました感の、浅草氏の挙動が面白いです。
潤滑油の水崎ツバメ
最後の出演者が山下美月さん演じる水崎ツバメです。
主要登場人物の2人は変わった人に描かれている分、カリスマ読者モデルでご両親が一流の役者さんという、一番の常識人でないといけないはずなのですが、水崎ツバメの存在のエッセンスがとても効いています。
古い話で申し訳ありませんが、ザ・ドリフターズの加藤茶さんの役割をこなすことになるのです。
ボケの志村けんさん、つっこみのいかりや長介さんに対して、加藤茶さんはボケの志村さんをもっとやれーと、たきつける役割を担っています。
そしていかりや長介さんに志村さんがつっこまれて叱られると、一緒になってつっこみのいかりやさんに反撃をしたりします。
映像研でも3人の中では常識人でありながら、ときには浅草氏に乗っかってあばれたり、ときには浅草氏の言葉を常識語に直して金森氏に伝えたり、と映像研の3人を結びつける要の役割を担っています。
3人であるがゆえの爆発力
集団という分野の中で一番安定しているのが2人、不安定なのが3人という集団だと言われています。
3人の場合には2人と1人に分かれがちで、3人が一致団結して同じレベルの集団として組織されるのはかなり難しい問題です。友達との関係で経験されたことも多いことでしょう。
ただ、特に映画版映像研はその不安定なはずで、成功例が数少ない3人というのを、逆にチームワークでエネルギーに変えて、1人でもなく2人よりも大きい爆発力に変えています。
それが笑いという爆発力です。
もともと映像研の舞台が、架空の街で数多くの部活が乱立する高校が舞台というSF要素を含んだ作品ですので、SF要素と今回のロボット要素も相まって今時めずらしいスケールの大きい娯楽大作になったのではないかと思います。
こんなご時世ですが、映画を見ている間だけは、すべてを忘れて映画の世界観にどっぷり浸って、文句なく笑える作品ではないでしょうか。特に小学生くらいのお子さんにはおすすめの作品ではないでしょうか。
これからも是非お子さんがいらっしゃるご家庭に、家族みんなで楽しめる作品として評価されていくことでしょう。
シリーズ化に向けて
実はこの映像研という作品ですが、漫画作品は現在も連載が続いています。
子どもから大人まで単純に笑って楽しめるというSF娯楽大作というジャンルを確立した作品なので、続編としてシリーズ化できる要素が揃っていることになります。
娯楽大作ですので、言うなれば、女性版「男はつらいよ」の寅さんみたいなものです。
あれ?そういえば主人公のあの方も、寅さんと同じ葛飾のお生まれだったような気がしないでもないですが…
出演の3人の方がたまたまアイドルでしたので、長く作品続けることは難しいとしても作品のクオリティを考えると、続編を求める声はまちがいなく多いことでしょう。
続編を考えるうえで重要なのは、原作のストーリーだと思います。
原作のストーリーがあり、現在続いているからこそ、映画としても続くことができるので、今後の作品はより原作を踏襲した方が、別ストーリーにして伏線を回収できないという自体を避けるためにも有効ではないかと思いました。
楽しみは広がるばかりです。どうしても続編にも期待してしまいます。
エピローグ
最後になりましたが、個人的な思いを綴って見たいと思います。
本作品を見たきっかけが、わたしの場合は齋藤飛鳥さんという存在でした。
わたしは乃木坂好きではありますが、特に齋藤飛鳥さんが好きで勝手に応援させてもらっています。
ご本人からすると、浅草みどり像はご自身の実像と比べると、かなり大きな隔たりがあり、大変難しい役だったのではないかと想像します。
ただし、その難易度のハードルの高さをものともせず、まったく人格が異なる役柄に挑戦して、見事に実写版浅草みどり像を確立されました。唯一無二の飛鳥ちゃん版浅草みどりの完成です。決して誰もまねすることができないことでしょう。
では、なぜまったく自分と異なった人格をスイッチを入れて
レベル高く演じることができるのでしょうか。
前回のテレビ版放映の際にも記事にして考えて、一流の女優さんでもモデルさん出身の方が多いこともあり、希有なトップモデルとして例をみない表現力で、長い間をかけて表現力を培ってこられたからではないかと結論づけました。
ただ、今回の映画を何度か見せてもらって気づいたことがありました。
落ち込んでうなだれる場面、だって…といって口をとがらせて言い返す場面、のりのりで喜んでいる場面、スイッチを入れて気合いを入れる場面などなど…
不思議なことに、どこかで見たことがあるのです。
どこか懐かしい香りというか、どこかで経験してそしてちょっぴり吹き出してわらってしまいそうになるようなこの感覚…
考えているうちに、その懐かしい感覚を思い出しました。
この感覚は間違いなく、乃木坂46で活動してきた齋藤飛鳥さんを見て感じた、かつての成長をみてきて感じた感覚、そのものではないかと思うようになりました。
乃木坂46に最年少として加入した齋藤飛鳥さん。現在は乃木坂を背負って立つ唯一の絶対的エースと言われいますが、振り返ると現在に至るまでの過程は、決して順風満帆ではありませんでした。
デビューシングルでパフォーマンスができる選抜メンバーに選ばれたものの
長い長い不遇の時代が続きました。
努力してもなかなか報われないことから、試行錯誤しながらどん底も経験しました。
でも、そんな場面を見ていても、不遇の時代であっても、デビュー当時から光っている存在が齋藤飛鳥さんだったような気がします。
浅草氏は確かに飛鳥ちゃんの人格とは異なりますし、高いレベルで演じているとはわかっているのですが
その一瞬一瞬の仕草、目線、そして言葉が、わたしにはあのときの恵まれなかった時代も歯を食いしばってがんばってきた、齋藤飛鳥さんの存在に見えてしまいました。
あのときたくさん苦労して悩んでいた分だけ、それを経験として人として成長されていたんですねぇ。
苦労した分の引き出し
浅草氏は長い間の苦労の末に、飛鳥ちゃんの身体に成長として染みついていたから
演じることができたんだろうなぁと思えた、かえるがおなのでした。
すばらしい作品をありがとうございました。
まだまだ書きたいことのほとんどがかけませんでしたが、続きは別の機会にどこかでお話ができればと思います。
またまた、素晴らしい作品で元気をもらいましたので、いつかどこかでお礼をしたくなりました。
文句なくおもしろい映画なので、まだ見に行かれていない方は
山盛りのおいしいポップコーンを片手に、ぜひご覧ください。