続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

「路上のルール」の巻

止まれの交通標識
道路で結構見かけるマークです。

赤い逆三角形の標識です。
ごていねいに道にも白い線が引いてあって
「とまれ」とか「止まれ」とか書いてあります。
どうして2種類あるんでしょうね。
1種類に統一した方が紛らわしくないと思うのですが
そのへんはいかがなものでしょう。

ええとよく見かける止まれの標識、
これは歩行者、チャリンコ、車にとっては
注意を喚起するマークです。

大きな道路と交わったりするので
一時停止をして安全を確認してくださいねーっていう
なかなか親切な標識だったりします。
親切なわりには命令口調で「とまれ」なのは
よくわかりません。

しかしですね
この止まれの標識のところには
おまわりさんが隠れていることがよくあります。
なぜ隠れているのかと言いますと
もちろん交通違反で捕まえるためです。

車なんかがこの標識にさしかかったときに
MT車ならば1速に、AT車ならばかなり減速をすると
おまわりさんに捕まることはありません。
とまれの標識なのに
厳密に言うと止まらなくていいんですよ。
どういう基準でそのようになっているのか
わかりません。

おまわりさんの目的は
車ではないようです。
おまわりさんはスクーターとか
バイクとか2輪車を待っているようです。

みなさんも是非試してください。
止まれの標識がある交差点に
2輪車で進入してください。

止まれがあるくらいなので
危険ですからかなり減速をして
そして左右をしっかりと見て安全確認することでしょう。
よく見て安全を確認してから
交差点に進入して直進なり、曲がったりすることでしょう。

ここまでの動作、
自分の身を守り、安全を確保するためには
完璧な運転だと僕は思います。

でもそこにおまわりさんが
いた場合残念ながら必ず交通違反切符を切られます。
一時不停止だというのです。

左右が危ないから
車がきていないかどうか
念入りに確認すると
一瞬止まっているような状態になります。
きっと速度を測ってみると
0㎞/hまで速度を下げることもあるでしょう。

仮に止まれの標識で0㎞/hになって通過しても
確実に交通違反で捕まります。
なんだか世の中矛盾だらけです。

おまわりさんの主張によりますと
地面に一旦足がついていないから
一時停止にはならないというのです。

じゃあ左右の安全も確認しながら
そして足にも神経を集中させ手足をつき
なおかつバイクのギアの変速をしながら・・・。
こっちの方が僕は相当危ないと思います。

おまわりさんの足をつかなければ
一時停止にならないという主張から考えてみると
猛スピードで交差点に進入しても
その直前で猛スピードの中、
足さえちょっと地面につけば
一時停止違反ではないということになります。

安全運転で捕まって、暴走運転で捕まらない
なんだか理解ができません。

そこで学生時代にですね
実験をしてみました。
あくまで学生時代ですよ。
みなさん誤解しないでくださいね。

大学のそばに
よく一時不停止の取り締まりをやっているところがありました。
その道路は下り坂になっていて
交通量がまったくないところで
さらに小さい測道が合流するにもかかわらず
本線に一時停止があるというわけのわからない道でした。

もちろん道幅1m位の測道から合流する車は
ありませんので一時停止の意味がありません。
そんなところで警察官の方は
桜の木の下に隠れて待ってるんですよ。
隠れていることがいいことなのか
悪いことなのかの判断はみなさんにお任せします。

まあ明らかに学生をねらって取り締まりをしているというのが
ばればれでした。

一度そこで
減速をしないで足をついただけで
一時停止になるのかならないのか
試してやろうとねらっていました。

その機会はすぐに訪れました。
大学から帰る途中に
警察の方が桜の木の陰に隠れているのが
よーく見えました。
警察の方は十分隠れていると思っていらっしゃるようですが
姿が見えなくてもバイクが丸見えなんですよ。

思い切って作戦を決行してみることにしました。
一時停止の標識に近づいても
全然減速をしませんでした。
いつもの測道からは誰も来ていないのを確認します。
やっぱり誰も来ていません。
車どころか歩行者、ねこ一匹いません。

桜の木の下には
原チャの警察官の方の姿もしっかり見えます。
作戦を決行するしかありません。

そのまま速度をゆるめずバイクを走らせ
一時停止のところで
右の方にいる警察官の方によく見えるように
右の足をバンッ、と地面につきました。

スピードはそのままなので
ちょっと靴の底が減ったように思えました。
まあ一時停止をまったく速度をゆるめずに通過したので
やっぱり交通違反になるのかなあと
心の中ではどきどきものです。

通過してしばらくすると
やっぱり、原チャの警察官の方が追いかけてきました。

足をつけば一時不停止にならない作戦は
どうやら失敗したようです。
そんなにあまくないなあと思いながら
道の左側に停車しました。

警察官の方はすぐに追いかけてきて
僕に大きな声で怒鳴りました。
「おまえ、なめてんのか」
そんなに怒鳴らなくてもいいのにと思いながら
「いいえ、そんなことはありませんよ」と言うと
「ふざけんなー」と怒鳴られました。

やばい状況になってしまったので
早く素直に免許証を出したほうがいいと思い
ジーンズのポケットから免許証を取り出しました。

「どうもすみませんでした。」
と言いかけて
ふと警察官の方を見ると、
なんと、いないのです。
警察官の方がいなくなっています。

もうすでに僕の目の前にはいなくて
桜の木の陰に隠れていました。
なんという素早さでしょう。
僕はあっけにとられていました。

警察の方は交通違反の切符を
切らないであっちへ行ってしまったとということは

結局速度を落とさないで
一時停止のところで
無理矢理足を地面につけただけの僕は
なんと交通違反にはならなかったようです。

理由はよくわかりませんが
やっぱり足をつくかつかないかが
警察官の方の中の変な基準になっていることは
確かなようです。

後日そこを通りかかると
原チャの免許取りたての人でしょうか
おっかなそうに左右を確認しながら
よろよろと一時停止の標識の前までやってきていました。

速度はほぼ0だったに違いありませんが
運転に夢中で足をつく余裕なんか
あるはずがありません。

かわいそうにやっぱり
一時不停止で捕まっていました。
安全運転を心がけて結果が
こんなこととはかわいそうだなあと思いながら
僕は足を一度しっかり地面につけて
そこを通過していきました。

こんな学生時代の出来事を思い出すことが
最近ありました。
だから一時不停止の話を思いついたんですよ。

チャリンコでいつものように通勤していると
原チャのおまわりさんが前からやってきました。
ちょうど一時停止の標識があったんで
どうするかなあと見ていました。

するとですね
さすがおまわりさん。
安全確認のためにとても減速をして
左右を見ていました。

しかしですね、
足をつかなかったんですよ。
足をつかないでそこを通過してしまいました。
一時停止では足をつくことが重要なはずです。
足をつかないとは一時不停止で捕まっちゃいます。

自分たちで解釈したルールを
やぶっちゃあいけません。

僕は思わず
「あっ、一時不停止」と声が出てしまいました。
そうするとおまわりさん
一瞬ぎょっとした顔をされましたが
すぐに普通の顔をされ
僕なんかいなかったかのように
また一時不停止なんかなかったかのように
すました顔で行ってしまわれました。

その後ろ姿を見て思いました。
一時停止は足をつかなきゃいけませんよ。
僕の昔作った曲が頭の中に
流れていました。
「一時停止は片足ついて、止まってなくても止まったことに・・・
 30キロオーバー赤紙切られ、挙げ句の果てには免停30日」
まぬけなうたをつくったもんだと
つくづく思いました。