続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

27thシングルリリースから見た乃木坂46が置かれている現在地

乃木坂46の27thシングル『ごめんねFingers crossed』が発表されました。

従来の乃木坂46の表題曲とは違った、リズミカルでダンスナブルな新しいサウンドの楽曲で、これまでの名曲と同じようにファンから愛されて語り継がれる楽曲になることでしょう。

今回のかえるがおは、27thシングルリリースに伴い、乃木坂46が置かれている現在地をまとめてみたいと思います。

もちろん単なる1ファンでしかなく、外部から想定できる内容を書いた記事で、記事の内容が事実とは異なる部分もあるかと思います。

またドルヲタと呼ばれるアイドルファンではない、アーティストとしての乃木坂46のファンからみた、内容の記事です。生粋のアイドルファンからしてみると、異論も多いかと思いますので、あらかじめお詫びさせてください。あくまで個人的な意見で、1つの見解でしかないことをご理解いただけると助かります。

ごめんねfingers crossed

出典:27thシングル「ごめんねFingers crossed」MV 特設サイト

 

 

乃木坂46をとりまく環境

まずは乃木坂46を取り巻く現在の環境から考えてみたいと思います。
長引くコロナ過で握手会、LIVEを開催したくても、開催できない状況であることはご存じの通りです。

AKBと比較して、握手券付きCD媒体の売り上げの依存度が高くはありませんが、楽曲売り上げ、LIVE動員、メディア販売の3つの柱において、他の企業と同じように従来と比べて厳しい環境に置かれていることと思います。

結果的に昨年のシングルリリースは、残念ながら1曲のみのリリースにとどまってしまいました。そんな中、乃木坂のパフォーマンスの新たな流れを構築した『Route 246』が配信でリリースされたことは、明るい材料でもありました。

さらに、コロナ禍はイベントや出演番組への影響も、決して少なくはありません。

一方、乃木坂46のグループとして一番の財産であるメンバーに目を移してみると
2期生加入時のセンターとして2期生を牽引してきた堀未央奈さんがグループを卒業し、1期生としてすべての楽曲で選抜入りした松村沙友理さんの卒業が控えている状況です。

松村沙友理さんの卒業は、乃木坂の初期を支えた『乃木坂御三家』と呼ばれる、象徴的な存在のメンバーが、すべて卒業するという意味でもあります。

さらに、歌唱力と演技センスで外部評価が高い2期生伊藤純奈さん、そしてバレエで培ったパフォーマンスで後輩メンバーを牽引していた、2期生最年少渡辺みり愛さんの卒業も発表され、メンバーとしては転換期を迎えていることがわかります。

27thシングル『ごめんねFingers crossed』は、このような環境下でリリースされるシングルであることをおさえておきたいと思います。

現状の打開策

話は変わりまして、どんな企業や組織にでも言えるのですが、周りのビジネス環境が厳しいからと言って、従来の体制のまま耐える選択肢を選ぶことはほとんどありません。どんなに苦しい状況であっても、少しでも向上できるように、新しい打開策を探りながら手段を講じることが多いです。

一方乃木坂46の場合も同じです。プロデューサーの企画のもと27thシングル選抜メンバーが選ばれ、最近の選抜メンバーの動向からある種の方向性か見えてくるように思えます。

その方向性とは、3期生、4期生メンバーの抜擢、特に4期生重視の戦略です。 


今回の選抜メンバーを期別に分類してみるとこのような結果です。
1期生7名、2期生1名、3期生6名、4期生6名

特にフロントメンバーだけを見てみると
1期生1名、3期生2名、4期生2名

というように、フロントメンバーの大半が3期生、4期生であることがわかります。

乃木坂27thシングル選抜メンバー
出典:テレビ愛知「乃木坂工事中」#305

また、最近リリースされた楽曲のセンターを振り返ってみると、24thシングル4期生遠藤さくら、25th卒業シングル白石麻衣、26thシングル3期生山下美月、27thシングル4期生遠藤さくら(敬称略)と続いており、楽曲のセンターも3期生4期生メンバーが多いことがわかります。

プロデュース側の戦略

乃木坂のプロデューサーの方は、メンバーと共演したラジオ番組『今日は一日乃木坂46三昧』(NHK-FM)の中で、このような発言をされていました。 

「どういうポジションとか、誰をセンターにとか昔は僕がかなり意見を言ってましたけど(原文のまま)」

その後、現在はスタッフの方の提案を了承するようになったことを語られていました。

これまでのシングルメンバーの選定や戦略を考えると、個人的には今でもプロデューサーの方が、ほぼ選抜メンバーの全権をを担っている可能性が高いと個人的には考えています。

例えば加入直後のメンバーを推して、その後も推し続ける戦略の歴史を振り返ってみると

1期生生駒里奈さんの場合は、デビューから5作連続センターに起用、その他の作品もすべて選抜メンバーとして起用し、不幸にもアゲインストな状況を作りだしてしまうことになりました。

2期生では、本格的に加入していない時期に堀未央奈さんを7thシングル『バレッタ』のセンターに抜擢し、その後2度のアンダーメンバーを経験されましたが、16th以降はすべて福神メンバーを経験されることになりました。

3期生では18thシングル『逃げ水』で大園桃子さん、与田祐希さんが加入直後にWセンターとして抜擢され、19thの舞台、映画のテーマソングとしての楽曲『いつかできるから今日できる』と活動休止期間を除き、現在まですべて選抜メンバー入りをされています。

4期生では加入直後の24thシングルで遠藤さくらさんがセンターに抜擢され、更に加入4枚目で2度目のセンターに抜擢されました。

このように結成時から長きにわたり、プロデュース手法が一貫しています。

加入直後のメンバーからセンターに抜擢するというプロデュース手法は、同じようにプロデュースされているAKB48とまったく同じ手法です。

非常に長きにわたりプロデューサーとして活躍されてきたことから、このようなプロデュース手法を確立されていることでしよう。

新鮮でフレッシュな人材を抜擢して、インパクトとセンセーショナルを与えることで、人気を継続していく手法については、以前このブログでもまとめさせていただきました。

 

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AKB48の新番組のタイトルが
「乃木坂に越されました。~崖っぷちAKB48の大逆襲~(仮)」

とかなり衝撃的なタイトルです。もちろん、握手券にあたる劇場版CDの絶対的優位に立つAKBの方が、売り上げ枚数が多い状況が、続いている現状はいまも変わりはありません。

グループを支えてきたメンバーの卒業

3期生と4期生、特に4期生にシフトしている戦略をとるためには、乃木坂結成から10年にわたり、乃木坂を成長させ続けてきたメンバーの卒業が続いていることが、原因の1つではないかと考えます。

活動期間が短いと言われるアイドル活動を、高いホスピタリティと自己犠牲の精神、そして青春のすべてを捧げて10年も活動を続けてこられたことは、他に類をみない本当に賞賛に値するすばらしい職責を全うされた活動だと思います。

ただし、時を経て主要メンバーの卒業が相次ぎました。

未来の乃木坂像を考えるうえで、長年にわたり乃木坂を支えてきた乃木坂メンバーより、ある程度今後継続した活動が期待できる、フレッシュなメンバーを主要メンバーにすることで、継続的な乃木坂を繁栄させていこうという選択肢をプロデュース側は選択されたのではないでしょうか。

乃木坂の未来を考えるうえでは、納得できる選択肢です。

4期生だけのイベントや4期生だけの楽曲、番組、番組出演、さらには4期生は表題曲には合流しても、アンダーには合流しないという、戦略の背景には、このような4期生推しの意図があるのではないかと考えています。 

国民的なアイドルとしての役割

このプロデュース側の戦略は一定の効果を得て、4期生メンバーはアイドルファンから高い人気を得ることにつながりました。また、この手法は絶対的な握手券付き劇場版CD売り上げを誇るAKBで長年にわたり成果を出し続けているビジネス上の安全策でもあります。

ただ、AKBの例から見ると、失ったものもあるように思えてしまいます。

国民的アイドルと言われていたAKBも、劇場版CD以外の通常版といわれる、一般的な人が購入するCDの売り上げ割合は減少傾向が続いています。

急速に従来のメンバーから、フレッシュな新規加入メンバーを推す手法は、アイドル好きなファン層には効果的で成果を収めてきた反面、世間一般的に音楽を訴求するには本当に有効かどうかについては、正直疑問を持っています。

ましてや乃木坂46です。乃木坂のパフォーマンスは17thシングル『インフルエンサー』、20thシングル『シンクロニシティ』、23thシングル『SingOut!』、そして配信シングル『Route246』と続く、キレキレのパフォーマンスと一体化した融合の美を誇るパフォーマンス集団でもあります。

本来であれば世に訴求できる絶対的な強みが、乃木坂46のパフォーマンスにはあると思えるのです。

 

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もう1つ懸念点を上げるとすると、特に日本人は安定を好む傾向にあります。企業であっても改善活動でよい方向に進むとわかっていても、従来の慣れ親しんだ方法に対する愛着で、改善活動への協力が得られず、一向に進まないケースが多く存在します。

現在、プロデュース側も4期生のメディアへの露出を増やし、一般的なユーザーへの浸透を図るべく努力を続けられています。

そんな中、つい先日従来のメンバーと3期生、4期生のメンバーが一緒に出演されている番組を目にしました。

その番組で頻繁にアップで映されるのは、いつも見慣れた誰にでも合わせてリアクションをしている、1期生メンバー齋藤飛鳥さんの様子でした。厳密に言うと発言の機会が多い、キャプテン秋元真夏さんも発言されている様子がアップで映されていました。

その番組では、1期生のメンバーより3期生4期生のメンバーが多かったにもかかわらず、なぜ主に1期生メンバーが映されているのかを考えると、国民的アイドルとなった乃木坂46に求める世間のニーズがわかるような気がします。

楽曲のパフォーマンスでは歌割りやセンターのメンバーがアップで映し出されることが多いと思います。一方、普通の番組でアップで映すためには、番組の進行に必要な発言や、盛り上がっている場面に参加していること、そして世間一般的な観たいというニーズが必要だと思うのです。

齋藤飛鳥さん特有の誰にでも合わせられるリアクションが、何度もアップに映されていたということは、世のニーズは乃木坂を支えてきた、乃木坂46のエース齋藤飛鳥さんにあるのではないかと思えた瞬間でした。

プロデュース側が考えるフレッシュな人材よりも、長年の努力が一般的に浸透しているこれまで乃木坂を支えてきたメンバーの方が、たしかに感情移入がしやすいです。

加入以来不遇の状況が続いていた山﨑玲奈さんも同様です。乃木坂外部の評価でついにアンダーセンターに抜擢せざるを得ない状況になりました。

アイドルファンは比較的、フレッシュなメンバーでも従来メンバーと同じように、またはそれ以上に受け入れることができ、世間一般的には、これまで活動を一緒に長い間見てきて追体験していた分だけ、従来のメンバーに気持ちが向いてしまうという特徴があるように思えます。

乃木坂の財産

乃木坂がもつ一番の財産は、個人的にはメンバーであると考えています。

誤解しないでほしくないのは、今回の記事は4期生を批判した内容ではないということです。

今回センターに抜擢された遠藤さくらさんは、やわらかい笑顔が印象的なおとなしめのキャラクターと思われている方も多いと思いますが、わたしは少し違った見解をもっています。

確かに見た目はそうかもしれませんが、外見に似合わずぶれない芯をもっていて、粘り強くまじめでユーモアセンスがおもしろい、という印象をもっています。個人としての魅力や、メンバーとしての今後のスキルアップへの努力の過程を考えると、乃木坂の次世代を担うにはぴったりの存在です。

ただ、考えてほしいのは周りのレベルの高さです。

インターハイを担うバリバリの先輩の中にエースとして新入生メンバーが抜擢される、または企業のトップセールスを誇る部署に、マネジメントとして新人メンバーが配置されるようなことと同じような状況です。

メンバーの今後の成長や、現段階の負担を考えると、もっと長い目でステップを踏んで育成計画を立てた方がよいのではないかと、1期生生駒里奈さん、2期生堀未央奈さん、3期生大園桃子さん、与田祐希さんを見てきて、個人的には思います。

これまでの新人メンバーのセンターの抜擢を支えたのは、まさにそのメンバー自身のたゆまない努力のたまものです。

相当なプレッシャーの中、先輩メンバー同様のパフォーマンスを見せてもらえてきたという、メンバーがこれまで高いハードルを乗り越えてきた歴史にも、少し目を向けてもらえるとうれしいです。

過去の記事でも書いてきた通り、個人的にはやはり、センターはファン全体が決めるものではないかと思います。

白石麻衣さん、西野七瀬さん、齋藤飛鳥さんは、デビュー当初はプロデューサー側に推されたメンバーではありませんでした。長年の地道な努力で、ファンや世間の評価を得てセンターの座を文字通りつかんできたメンバーです。 

 

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確かにビジネスの組織としてとしてプロデューサーの意図はわかりますが、次世代を担う乃木坂のエースはこういった、あえてデビュー当初推されていなかったメンバー、山下美月さんや梅澤美波さん、賀喜遥香さんなどから今後生まれてくるのではないかと思えてなりません。

エース齋藤飛鳥が果たしている役割

最後に、あすかちゃんファンでもあるかえるがおが、27thシングル現在の齋藤飛鳥さんが担っている役割を考えてみたいと思います。

それは

橋本奈々未さん、生駒里奈さん、白石麻衣さん、西野七瀬さんとしての役割

と今回は表現してみたいと思います。

これは卒業したメンバーの代わりという意味ではなく、齋藤飛鳥さんしかできない、ご本人ならではの活動の様子が、卒業したメンバーの役割に似ているという意味合いで使わせてもらいました。

・存在するだけで乃木坂を大樹のように支えた橋本奈々未さんの存在感

・今や乃木坂の顔として生駒里奈さんのような世間の認知度

・白石麻衣さんのような外部での活躍とビューティーアイコンとしての存在

・そして西野七瀬さんのような、ボーカリストとしての存在感

 

正確に言うと、このような役割を担っているわけではなく、活動全体を通して乃木坂46に現在存在されているのではないかと考えています。

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あすかちゃんのエースとしての資質については、何度も触れてきましたので、すみませんが今回は割愛させていただきます。今回は特にこれまでの記事で触れていない、西野七瀬さんのようなボーカリストとしての存在感という点について触れてみたいと思います。

西野七瀬さんのボーカリストとしての特徴は、よく「守ってあげたい」と表された、乃木坂の楽曲に多い女性ボーカリストとしては低めのアルトの歌声から、「憂い」や「切なさ」が漂う、おしゃれミュージシャンのような雰囲気だったと個人的には思います。現在ボーカリストの活動をされていないのが本当に残念です。

この西野さんの歌声の雰囲気に着目したプロデュース側は、乃木坂メンバー史上最多6曲のソロ曲、そして多くのユニット曲を西野さんに準備し、乃木坂の可憐な雰囲気の訴求に貢献してきたように思えます。

齋藤飛鳥さんの歌声からは、同じように歌声自体がおしゃれなミュージシャンのような響きを楽曲に与える印象を強く感じます。さらにプラスして齋藤飛鳥さんの歌声は、パフォーマンスと同じように楽曲に込めた感情の表情が溢れてきます。

『路面電車の街』、『硬い殻のように抱きしめたい』、のように歌声にその優しい感性からくる感情が込められていて、それがベースとして楽曲全体に流れています。

その感情は「清楚で可憐」いう乃木坂のイメージとは少し異なるかもしれませんが、やさしい感性をベースとしたプロの表現者として、受け手にダイレクトに伝わってくる、現代では希有なお気に入りのボーカリストです。

もし、よかったらもう一度、齋藤飛鳥ボーカル曲に触れて触れてみてください。たとえ明るい夏曲であっても、豊かな感受性とベースとして流れるやさしい感性が伝わってくることでしょう。

本当に長い間、ファンからは想像できないような苦労を重ねられてきたことでしょうから、これからも多くのことを求めたいとは思えませんが、乃木坂メンバーとして過ごされる期間を一緒に追体験しながら、慈しんで過ごしていきたいと思っています。 

まとめ

今回の記事では、主にプロデュース側の戦略に焦点をあて、27thシングル時点での乃木坂46の現在置かれている状況をまとめてきました。

筆者は残念ながらアイドルやアイドル業界にに詳しくありませんので、生粋のアイドルファンから見ると異論も多かったことでしょう。

また、内部事情を把握している訳ではなく、外部から見て想定される内容でのまとめ記事なので、事実と異なる部分も多々あるかと思います。その点をお詫びさせてください。

プロデュース側もメンバーも、乃木坂ファンも、意見の相違こそあっても、乃木坂のさらなる発展を望む気持ちはまったく一緒で変わりはありません。

乃木坂の貴重な財産でもある、努力を続けているメンバーに少しでもやさしく、そしてこれからも国民的アイドルの道を末永く歩んで行かれることを祈念して、今回のかえるがおはおしまいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。