続・今日もやっぱりかえる顔

なぜか巻き起こってしまうまぬけな日常を、ひらがな中心のまぬけなテイストでお届けします。ときどき乃木坂46。

ストーカーの証言をもとに効果的なストーカー対策方法を考えてみた

裁判ウォッチャーの阿曽山大噴火さんのブログで、某お笑い芸人さんにストーカー行為をしたとして、被告となった元芸人さんの裁判記録を読ませてもらいました。

本ブログでも何度か扱ってきたように、現在ストーカーの問題は決して他人ごとではない、誰にでも起こりうる身近な問題です。

しかし現段階では、ストーカー側の考え方についての情報が少ないのが実情で、ストーカー側が考える具体的な思考の傾向を知らない限り、ストーカーの効果的な対処方法がわからないんじゃないかと思っていました。

同様の事例で、これまで裁判記録が公になっているのは、”推しメンが握手会を楽しみにできるようなファンになろう”という記事で書いた、元AKB48のメンバーに長期間にわたりストーカー行為を行ったあげく、愛する2人の邪魔をしたとしてAKB運営側を訴えた例くらいしか個人的には思い当たりません。

 

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この例のストーカー側の言い分は、愛する2人を引き裂いているという妄想に終始していて、効果的な対処方法を考える場合の参考にはなりにくい例でもありました。

今回の裁判記録では、弁護士、検事、裁判官からの問いかけについての、ストーカー側の思いを確認できるため、ストーカー側の言い分を確認できた分だけ、今後の対策において、とても有効な判例だと思います。

今回のかえるがおは、ストーカー側の言い分をよく知ったうえで、さらなる効果的な対策方法を考えていきたいと思います。

注意事項として、被害者側のプライバシーを守るため、被害者のお名前の公開は控えさせていただきたいと思います。同様に被告側も、今後更生された後の、第二の人生の妨げにならないように、お名前を出すことはありません。ご理解をよろしくお願いします。

 

 

 

事実認定されたストーカー行為

まずはどのようなストーカー行為が行われたのか、確認してみたいと思います。

被告側も認めて事実と認定された行為を、簡単にまとめると以下のようになります。

 

・20年以上おっかけを行っていた。
・ストーカー行為は直近の2年間。
・被害者がお店に立ち寄ったところ待ち伏せしていたため、もう近づかないように警告された。
・警告から2週間後、六本木の建物で待ち伏せしていたため逮捕された。
・懲役6月、執行猶予3年の判決が出された。


以上の認定された事実からわかるのは、意外なことにストーカー規制法が厳格に適用されていることです。

待ち伏せ行為はストーカー規制法第2条第1項で規定されている、つきまとい行為に当たります。

ただし、監視や面会交際の要求、無数の連絡、送りつけなどストーカー行為の種類がある中で、待ち伏せで検挙されたということに、意味があるように思います。

このことは、例えば自分の好きな芸能人の自宅を偶然知ってしまうとか、よく行くお店を知ってしまって、興味本位でその場所まで行って待ってみるというのも、ストーカー行為として処罰されるリスクがあるという意味でもあります。

ストーカーまでいかないまでも、興味本位で会えるかもしれないから、待ち伏せしてみようと思う人にとって、待ち伏せで検挙されるという今回の事例が、抑止力にもなり得ます。

待ち伏せ行為で検挙するというのは、これまでのわたしの想定よりも、警察さんは本腰を入れて、ストーカーに対処している印象を持ちました。

ただ、今回の判例では執行猶予が言い渡されたため、被告側が真の意味で更生できていない限り、被害者側が安心できる環境は、そう長くは続かなくなってしまう、リスクが発生してしまいます。

では、ストーカー側の言い分から、今回の検挙によって被告側は、本当に更生することができたのか、考えてみたいと思います。

ストーカー側の論理

阿曽山大噴火さんのブログの記載より、以下のようにストーカー側の言い分をまとめてみました。実際の証言は長文で、表現方法も異なるのですが、今回は勝手ながら簡単にまとめてみました。

実際の証言内容を確認されたい場合には、阿曽山大噴火さんのブログでご確認ください。URL:https://blogos.com/article/419914/

・被害者からの好意に応えようと思ったから、ストーカー行為を行った。
・ストーカー行為を行うきっかけは、DJイベントでうたたねしていたところ、隣に立ってくれていたから。
・被害者に嫌われることを認めたら、しんでしまうと思っていた。
・被害者は神様みたいな存在。今は好きとか神様だとか思う気持ちはない。
・振り返って見ると、被害者になぜあんな態度をとられたんだろうと思う。
・家族が止めるのを聞かなかった理由は、ストーカー行為をやめるような方向に話を持って行く人はシャットアウトだから。
・被害者のことを思うと悲しいので忘れたい。
・被害者も自分をあんなふうにさせないようにしてくれたらよかったのに。
・検察官の起訴内容を見ると、わたしが変な人みたい。
・1つのことに集中しやすいところがあるけど、精神鑑定で正常の判断が出されているから、自分に問題があったとは思わない。

 

まず、率直な感想を言いますと、論理の展開の意図が理解できませんでした。好きではなくなったと言いながら、ストーカー行為を止めてくれなかった被害者が悪くて、自分に問題があったとは思わないという論理に、つじつまが合わないからです。

止めてくれなかったということは自分の問題行動を把握した発言ですが、自分に問題があったとは思わないという発言は、自分に問題行動はなかったか、もしくは自分の問題行動は不問になると思っているという意味になってしまいます。

きちんとした医師が精神的に問題がないと判断している以上、相反する証言が被告から語られるということは、どちらが本音なのか正直よくわかりません。

この証言からわかるのは、まだまだ混乱状態にあるのかもしれませんが、被告にとってのストーカー行為の認識が、法律やわれわれ一般常識とはまだまだ隔たりがあるということです。

今後はお母様が面倒を見て行かれるそうですが、被告、そしてご家族にとって、裁判が終わっても、次は現実とすりあわせをしながら依存状態から脱却するという、大きな課題が待ちかまえているように思えます。

現実を認識することはつらく苦しい作業でもあり、依存から脱却すること自体が非常に困難なことではありますが、被害者のためにもそして自分自身のためにも、是非つらさに耐えて乗り越えてほしいと願っています。

成功体験の認識の違い

ストーカー行為を終息させるためには、成功体験を遮断することが重要であることを以前の記事"決して泣き寝入りしない!ストーカーの心理を利用したストーカー対策方法"の中で書かせていただきました。

 

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ただ今回の事例から感じたのは、ストーカー側が考える成功体験は、普通の人が考える一般的な成功体験とは、かなり違っていることです。

元AKBのストーカーの場合には、ファンに対して誰にでも行うはずの、握手会でニックネームをつけたことがきっかけになってしまいました。今回の例はうたた寝していたところに、横に立っていたことがストーカー行為のきっかけになってしまいました。

ニックネームをつけることや、起きた時にたまたま横に立っている、という事実から、相手から好意を持たれているに違いないと考え、長期間つきまとうエネルギー源にするには、客観的に考えてかなり無理があります。

でもそのことが実際の事例で、非常に強い固着というエネルギー源につながっているため、どれだけ被害を避けようと思っても、相手によってはなにが成功体験となるかわからないという現実が見えてきたように思えます。

危機的状況による抑止力

次に"決して泣き寝入りしない!ストーカーの心理を利用したストーカー対策方法"の中で、ストーカーの対象は本当は誰でもよいこと私生活が危機的状況に陥ったら、行為が終息に向かうことを書かせていただきました。

今回の被告は働いていなかったそうで、本来であれば生活が危機的状況に陥っているはずの環境にありました。

ただし、現代の社会の中で1人きりで生きていくことは、そう簡単なことではありません。友達もいれば、家族や親類もいることでしょう。どんな人でも周りに心配してくれる人は必ず存在します。わたしのように1人で生活をしていても最低限家族は心配してくれています。

今回の被告も家族の保護下にあり経済的な支援を受け、危機的状況を回避していたようです。

一般的に若年層にストーカーが多いのも、自分に起因する危機的状況が訪れていても、支援する家族が存在するため、ストーカー行為を続けられるからなのかもしれません。

また、自分で責任を持って生活をしなければいけない世代の場合は、ある程度裕福な場合を除き、ストーカーに変貌する可能性が低いということも、あながちまちがいではなさそうです。

今回の事例から学ぶこと

今回の判例はストーカー側の心理を知るうえで、とても重要な判例になったと思います。

今回の判例、そしてAKBのストーカーの事例でも、ストーカー側の言い分に共通して欠落しているものがありました。

それが被害者側の気持ちを想像することです。

すべてが自分の気持ちや思いが中心であり、自らの行為により相手はどう思うのか、相手側への思いやりも、気持ちを想像するという基本的なことさえ、まったくできていません。

相手の気持ちばかり考えているわたしにとって、不謹慎かもしれませんが、どうすればここまで自分を中心に振る舞うことができるのか、正直教えてもらいたいくらいです。

AKBの例では18歳未満の児童に対して、結婚しようと何度も迫ります。もちろん結婚の前提となる交際もしていませんし、自分がどんな人柄なのか相手側にわかってもらってもいません。

結婚というのは自分がしたいからするものではなく、相手が必要なことなので、当然相手に対する責任が伴います。さらには相手の家族に対する責任が発生します。

自分が結婚したいとかしたくないという希望は置いておいて、個人的に結婚とは、相手を幸せにする手段ではないかと思っています。

自分ではまだまだ発展途上で苦労が絶えず、お相手になる人の家族も含めて現状に巻き込んでしまうと不幸にしてしまうため、自分には結婚する資格がないとわたしは思っています。もちろん相手もいませんけどね。

恋愛も友達関係も同様に相手がいる以上は、自分の望みだけではなく、相手の意志も合わさって現実が成り立っています。とても当たり前ことです。というより普通に生活していれば、自分の望み通りにならないことの方が多いのが当然です。

ストーカーの概念の中には、なぜか相手の気持ちという、本当に好意をもっているのであれば一番優先しなければいけないことが、すっぽりと抜け落ちています。

わたしがストーカーの好意は恋愛ではなく、単なる依存と固着によって成り立っていると考えるのは、自分の意志だけで相手の気持ちが考慮されていないからです。だから本当は依存するのは本当は誰でもいいのだと思うのです。

現実と照らし合わせる確認作業

ストーカー側の論理は自己中心的な考え方で、先入観や妄想で現実をゆがめて認識していることがわかりました。

では今回のストーカー側の証言をもとに、どのような手段で正しい現実を認識できるようにして、ストーカー行為をやめさせるとよいのでしょうか。

"決して泣き寝入りしない!ストーカーの心理を利用したストーカー対策方法"という記事の最後に、笑い話として自分がストーカーと対峙した時の様子を書かせてもらいました。

この時偶然うまくいったのが、被害者側に好かれる方法をストーカーと一緒に考えるという方法でした。

当時は意図的に考えて行動する余裕もなかったのですが、ストーカーに現実を認識させる手段として、わたしがとっさにとった行動の、ストーカーが被害者に好かれたいという思いを利用して、相手に好かれる方法を考えるというのが、突破口になるように思えます。

ストーカーはストーキング行為を行っている以上、被害者側に何らかの好意をもっています。好意を持っている以上、対象者に好かれていたいという、潜在的な思いを持っていることでしょう。

ストーカーは現実より妄想が優位のため、被害者側が自分に好意をもっていると思っていますが、さらに好意を持たれる方法を考えるというのは、ストーカー側にとってメリットが大きい話です。

被害者にもっと好かれることを考えること自体、突き詰めると最終的には被害者の気持ちやニーズを考えることにつながり、結果的にストーカーを自己中心的な考え方から、相手の気持ちという客観的な視点で考える方向へ向かうしかありません。

わたしが対処した場合も、相手に好かれるためには無職ではいけないので定職をさがして、お金持ちになれば一人前の男性として見てもらえるという、結論に達しました。

その後やんちゃな彼は定職を見つけ、仕事でストーカーどころでなくなり、次第にフェードアウトしていきました。

ストーカーが現実を認識するためには、相手にもっと好かれる方法を考えることで、自分の行動に対する相手の気持ちを考えていくことが、とても有効ではないかと思いました。

ただし、他の依存と同様に自分で克服することはできないため、カウンセラーのように一緒に考えてくれる第三者か、自助グループが必要なことは言うまでもありません。

まとめ

被害者の芸人さんは、今でも復活させてほしい番組の第1位にランキングされるバラエティ番組に出演されていて、個人的にとても笑わせてもらった芸人さんでした。

人を笑わせて明るい気持ちにさせるすばらしい仕事をされていた反面、プライベートではつらく怖い思いをされていたことが、とても驚きでもありました。

ストーカー行為は、家族や加害者本人にとっても不幸を生み出してしまいます。

特に納得できる正当な理由ではなく、加害者側の一方的な成功体験をきっかけに、ストーカー行為の被害を受けている方は、本当に気の毒でなりません。

今回の記事が、現実問題としてストーカー行為の恐怖と戦っている人の役には立たないかもしれませんが、ストーカー側の心理を知るきっかけにしてもらえるとうれしいです。

そして被害者になった自分に原因があったのではないかと、自分を責めるのではなく、誰でもよかったところに、たまたま加害者側の論理でターゲットになっただけ、という事実にも気づいてもらえるとうれしいです。

周りの人に相談して組織的に対処することで、必ず活路が見いだせます。決してひとりで悩んだり我慢したりせず、自らの手で平和な生活を取り戻されることを願って、今回のお話はおしまいです。

うーん、今回の記事って、何を言いたいのかわかりにくっ!
読みにくくてわかりにくい文章で、大変失礼致しました。
おしまい。